続々・井戸端グーグル 縁側という装置 [2006年11月14日(Tue)]
ビオフォルム 山田です。
もう何度もエコプチテラスにはお邪魔しているのですが、行くたびに来ているおばさん、おじさん達の「いいお顔」が拝見できて、こちらもちょっとほっとします。 多分、よいもわるいも健康的なおつきあい、というのができているからだろうなあ、ということは常々思っていました。 前々回のこの欄でコミュニティを主体としたエコビレッジとはなんぞや?という話題に触れましたが、どれだけ人と人が触れあえる、そしてそこに人間の関係性を築かせることができるか、がやはり当たり前のようでいて、実は大切なことなんですね。 「地球のためのデザイン」というなかなか魅力的な本を書いたヴィクター・パパネックというアメリカのデザイナーがいます。 彼は著書の中で、公園をデザインするときのポイントとアイデアを披露しています。 それは公園の中に「コインランドリーをつくる」、と言っているのですね。 コインランドリーには必然的に人が集まる。だけど手持ちぶさただから、そこになんとなく人とのやりとりができる。そしてそこに掲示板を設置する。またコミュニケーションが増える。そのアップスパイラルが働き、ひとつのコミュニテイができあがった、という事例報告が紹介されていたと記憶しています。 日本のコインランドリーの寒々とした雰囲気からは想像もつきませんが、、、、 もう一つ。 コハウジング、という考え方が欧米では徐徐に浸透しつつあるようです。 これは各自の住宅部分は必要最小限にし、協同、共同でつかえるもの、例えば洗濯機だとか、事務スペースだとかは共有しながら使いましょう、という価値観をある程度同じにする人たちの一つの共生の住まい方です。 週に何回かは共同の食堂で「共食」をします。 現代社会のなかで失われた「顔の見える関係」というやつをなんとか取り戻そうという、必死の動きが現在模索されているのだと思います。 日本の昔ながらのそうしたお付き合いの場の一つに、井戸端にならんで「縁側」というやつがあります。 ここは室内環境のデザイン上有効なバッファーゾーンであり、そこで店を広げて作業をする働く場であり、ものを干す機能する場であり、そして人と接する絶妙な空間だったはずです。 今回のデザインの中ではなんとかそんな縁側的空間を模倣したいと考えています。 その空間が畑とのつながりの延長でうまく機能すればよいのですが、、、。 |