死んじゃダメだ
[2008年04月30日(Wed)]
どうも、相談担当です。
楽しいGW中だというのに、重たい内容をひとつ。
日本は自殺者が1年間に約3万人いて横ばい状態といわれていますが、特に最近はH2Sによるガス自殺が毎日のように報道されています。
これは市販の洗浄剤と入浴剤を混ぜてガスを発生させるようですが、どちらも普通にスーパーなどで販売されているものですから、単に危ないといって販売中止する訳にもなかなかいかないのでしょうね、人が刺されるから包丁を売ったらいけない、放火されるからライターを売ってはいけない、というようなものなのでしょうか。
お役所に目をやると、内閣府に自殺対策ホームページなるものがあります。
ただ、中身、特に自殺対策白書なんかを見ると、正直、なんだかなあ、漠然とした提言を並べて、はい終わりみたいな印象を受けてしまいます。これで何か効果あるのでしょうか。
現に普通の相談現場にいるわたしのところにだって、何度か自殺をほのめかす内容の相談を受けることがあるのに、受ける相談員はメンタルヘルスに関するトレーニングなんか全く受けないまま、リアルタイムで対処しているのです。
上記自殺対策白書には、自殺総合対策大綱における当面の重点施策として「早期対応の中心的役割を果たす人材を養成する」「社会的要因に関連する相談員の資質の向上」とかが掲げられていますが、そこでは多重債務など自殺の背景原因となる社会的要因の相談に従事する者は、メンタルヘルスに対する知識も修得しておく必要があると書かれています。
“全く”実行を伴っていませんがそこはまだ良しとして、そこには金融庁の「多重債務者相談マニュアル(pdf)」 にそんなことも書かれているから、それを配布したから、普及させたから、で終わっている。
いや、散々読みましたよ、そのマニュアル。それに対するコメントは以前ブログに書いたので割愛しますが、多重債務以外にだって、自殺のサインが見え隠れする相談はたくさんあるんだってことを分かって欲しいですね。
「はい、どのような相談ですか」
「・・あのー、自殺でも保険金は出るんでしょうか」
「保険会社によって異なりますが、大体少なくても契約から1年、大体2〜3年は制限期間がありますので、その間は自殺の場合保険金は出ません」
「・・・」
「・・・えーっと、ちなみにどうしてそんな質問をするんですか?」
「・・・」
「えーっと、あなたはさっきから泣いていますよね、何かあったのですか?」
「・・少しこのままでもいいですか」
「ええ、あなたが気が済むまで、ずっと電話切らないでここにいます」
5分ぐらいでしょうか、ずっと向こうで泣いていましたが、スッと息をして、
「もう大丈夫です」
「そう、それでは約束してください、何かお話したいことがあったら、またわたしのところに連絡をくれますか、絶対ですよ」
「はい」
「絶対ね」
多重債務者の相談でも、「もうオレなんか、いいんだ、今日にでも死んでやろうと思っているんだ」と自暴自棄にいわれてしまうと、もうなんて返してあげたら適切なのかも分からないので、ただ「死んではダメです、死んでも何も解決しないから」を繰り返しています。
本当は何気ない一言で、結構人間って救われたりするので、何か気の利いた台詞でも言えればいいんですが、そんな時は、もう話を聞くだけで精一杯です。
つくづくメンタルヘルス相談のプロって偉大だと思います。
ああ、やっぱり今回は話が重過ぎた・・。
楽しいGW中だというのに、重たい内容をひとつ。
日本は自殺者が1年間に約3万人いて横ばい状態といわれていますが、特に最近はH2Sによるガス自殺が毎日のように報道されています。
これは市販の洗浄剤と入浴剤を混ぜてガスを発生させるようですが、どちらも普通にスーパーなどで販売されているものですから、単に危ないといって販売中止する訳にもなかなかいかないのでしょうね、人が刺されるから包丁を売ったらいけない、放火されるからライターを売ってはいけない、というようなものなのでしょうか。
お役所に目をやると、内閣府に自殺対策ホームページなるものがあります。
ただ、中身、特に自殺対策白書なんかを見ると、正直、なんだかなあ、漠然とした提言を並べて、はい終わりみたいな印象を受けてしまいます。これで何か効果あるのでしょうか。
現に普通の相談現場にいるわたしのところにだって、何度か自殺をほのめかす内容の相談を受けることがあるのに、受ける相談員はメンタルヘルスに関するトレーニングなんか全く受けないまま、リアルタイムで対処しているのです。
上記自殺対策白書には、自殺総合対策大綱における当面の重点施策として「早期対応の中心的役割を果たす人材を養成する」「社会的要因に関連する相談員の資質の向上」とかが掲げられていますが、そこでは多重債務など自殺の背景原因となる社会的要因の相談に従事する者は、メンタルヘルスに対する知識も修得しておく必要があると書かれています。
“全く”実行を伴っていませんがそこはまだ良しとして、そこには金融庁の「多重債務者相談マニュアル(pdf)」 にそんなことも書かれているから、それを配布したから、普及させたから、で終わっている。
いや、散々読みましたよ、そのマニュアル。それに対するコメントは以前ブログに書いたので割愛しますが、多重債務以外にだって、自殺のサインが見え隠れする相談はたくさんあるんだってことを分かって欲しいですね。
「はい、どのような相談ですか」
「・・あのー、自殺でも保険金は出るんでしょうか」
「保険会社によって異なりますが、大体少なくても契約から1年、大体2〜3年は制限期間がありますので、その間は自殺の場合保険金は出ません」
「・・・」
「・・・えーっと、ちなみにどうしてそんな質問をするんですか?」
「・・・」
「えーっと、あなたはさっきから泣いていますよね、何かあったのですか?」
「・・少しこのままでもいいですか」
「ええ、あなたが気が済むまで、ずっと電話切らないでここにいます」
5分ぐらいでしょうか、ずっと向こうで泣いていましたが、スッと息をして、
「もう大丈夫です」
「そう、それでは約束してください、何かお話したいことがあったら、またわたしのところに連絡をくれますか、絶対ですよ」
「はい」
「絶対ね」
多重債務者の相談でも、「もうオレなんか、いいんだ、今日にでも死んでやろうと思っているんだ」と自暴自棄にいわれてしまうと、もうなんて返してあげたら適切なのかも分からないので、ただ「死んではダメです、死んでも何も解決しないから」を繰り返しています。
本当は何気ない一言で、結構人間って救われたりするので、何か気の利いた台詞でも言えればいいんですが、そんな時は、もう話を聞くだけで精一杯です。
つくづくメンタルヘルス相談のプロって偉大だと思います。
ああ、やっぱり今回は話が重過ぎた・・。