オンラインゲームと今思うこと
[2012年06月18日(Mon)]
原田でございます。
今回は旅日記ではなく、あくまで私意見としてオンラインゲームの話でもしましょうか。
(ずっと前お約束したのと先週どこにもお出かけしていないので・・)
そうそう、本日(6月18日)18時が、いわゆるコンプガチャにおける消費者庁の「『懸賞による景品類の提供に関する事項の制限』の運用基準について」改正案のパブコメの締め切りです。
この分野にご関心のある方も多いのではないでしょうか。
オンラインゲームの相談は10年前は馬鹿高いグラボを搭載したPCで時間を気にせず遊んでいるようなご身分のかなりマニアックな世界の方からでしたが、特にケータイやスマホでいつでもソーシャルゲームが楽しめるようになってからは、マニアックな世界が一般の人にも大分浸透してきたという感じがします。
なぜかと言うと、唯一ひとつを除いて、マニアの世界だった頃からトラブルの内容自体は今もあまり変化がなく、トラブルの内容は相変わらず、アカバン、なりすまし、RMTやトレード詐欺、ユーザ同士の諍い、いやいやなにより会社のユーザ対応が悪いよ!が主だからです。
マニアの世界から唯一トラブルの何が変わったかというと、課金に関する不満が増えたことです。これは昔のオンラインゲームは月額課金制度だったからかもしれませんが、登録無料のアイテム課金に移行しても、使ったお金に対し直接不満を言う人は少数だったと思います。ガチャそのものはマニアの世界だった10年前に手法として既に存在していましたがアイテム取得のメインではなく、ガチャに文句をいう人もほとんどいなかったように記憶しています。ある意味、トラブルを抱え相談に来たときも、ゲーム会社の対応は嫌いでもみんなまだゲームを愛していました。
ただ、アイテム取得が有料ガチャとなり、特にコンプガチャの出現によって「あと一枚」に奮闘し、結果的に高額課金に至ったユーザは、出現率の分からないブラックボックス的な有料ガチャに対し大いなる疑心暗鬼を抱くようになりはじめ、それを欺瞞性や射幸心と表現されますが、要はトラブルを抱えたときには、既にゲームはお金を使わせる目的と変化していると嘆き、ゲームへの愛も既にどこかに消えていることが多かったように思います。まさに金の切れ目が縁の切れ目ですね。ただ、ゲームへの愛より今回もっと実務的に問題になったのは子どもの高額な使い込みでしょう。
2012年5月に消費者庁からコンプガチャの見解が出されて、大手サイトが一斉にコンプガチャ廃止を決めました。基本はもちろんウェルカムです。
ただ、その後は「カード合わせ」に該当しないように考えられた手法やガチャを二重三重に組み合わせたり、まさに複雑怪奇と呼べる手法が出始めて、結局大枚使ったにもかかわらずレアアイテムが取得できないという不満の中身は変わらず、「集めれば必ずレアアイテムがもらえたコンプガチャの方が未だマシだった」という人もいるぐらいです。
有料ガチャ1回の料金が高額なものもあり、通常の有料ガチャに対しても、変わらずその出現率をサイトが意図的に操作しているのではと疑問視していることも同じ。つまり、コンプガチャという手法がなくなっても高額課金に対するユーザの不満がすぐになくなるわけではないかもしれません。
確かに射幸心を煽るコンプガチャが事実上廃止となれば子どもの高額利用の可能性は減るかもしれません。ただ、子どもであっても同じルールでゲームが遊べ決済手段も大人と同じであれば、コンプガチャ廃止をもって子どもの高額利用の根本的な解決にはつながらない可能性もあります。
また、子どもの利用額に上限額を設けているところも多いと思いますが、未だ一部のキャリアを除きサイト登録時に入力する生年月日で利用年齢が決まるシステムのまま、ソーシャル部分の厳しい利用制限を嫌がる子どもがいる限り、登録年齢詐術の排除を徹底させる方法も併せて考えていかなければならないと思います。子どもに対する消費者教育の課題でもあるかもしれません。
一方、サイトにおいては今回の突然の措置に萎縮してしまい、コンプガチャ以外にも今まで特に問題なく用いられてきた手法においても、疑わしき手法は自主的に排除しようとする動きもあるようです。このようにグレーな手法は自主的に排除をしていこうとする姿勢は本当にすばらしいことだと思います。
ただ、もし、過剰な自主規制によりゲームそのものの面白みがなくなってしまっては、これまでほどほどの課金で慣れ親しみ楽しんできた大多数のユーザに不満をもたらす可能性もあります。業界を過剰な自主規制に走らせることは、業界全体の健全な発展において大きな妨げになる可能性もあります。
今回のコンプガチャという手法が、子どもが使い込む、また欺瞞性や射幸心を煽るという点を問題視したのであれば、ゲーム上のさまざまな手法を今回のいわゆる「カード合わせ」に該当するか否かだけで判断するというよりも、今後も欺瞞性や射幸心を煽る複雑で脱法的な手法に対しては常に目を光らせ、これを機に、場合によっては複雑怪奇な手法は規制の対象となりうるという姿勢を今後も積極的に見せていく必要があるように思います。
一方で、既存の手法において特に法律上問題ない手法においては、その旨をある程度公表するなどして、業界にもユーザにも擬似コンプに対する疑問を残さないよう配慮する必要があるかと思います。ここをグレーのままで今後も行くのは宜しくないと思います。
ガチャの出現率公開は実際にはなかなか難しいと思いますが、公平性の確保が担保されるような仕組みも今後考えていければと思います。これに比べ比較的市場が成熟していると思われるリアルのカードゲームで同様の販売が行われていても同じ苦情はほとんどないですから。
そんな感じで、わたくしも今回のコンプガチャ廃止に関しては、あくまで個人的にと限定しこんな考えを持っておりますが、基本的なところは前回沢田が言っていることと重なるかと思います。
一方、業界でもRMT対策やユーザ同士のアイテム詐欺防止のためトレード機能などを自主的に厳しくしたおかげで最近はアイテム詐欺に関する問題は減少し、どちらかと言うとこれしょうがないよね的な内容も増えてきているように思います。これはコンプガチャ以外のところで業界健全化に向けたアプローチにおけるトラブル傾向の変化といえるかもしれません。業界は少しずつ、でも着実に変わっていくと思います。
わたくしは実際いくつかのタイトルのゲームを遊んでいますが、わたくしは個人的にいちユーザとして、業界にはこれまで通り楽しいゲームやイベントをどんどん開催していって欲しいと思っています。
だってコレ本当に面白いですよ、悔しいけど。わたくしおかげでいまや毎日これで1時間はケータイ(スマホでできないタイトルもあるので)とにらめっこです。定額制でなければ1ヶ月でほぼパケ死状態です。
これからは、ユーザの愛が戻るようなゲームを再びたくさん提供していって欲しいと思います。
今回は旅日記ではなく、あくまで私意見としてオンラインゲームの話でもしましょうか。
(ずっと前お約束したのと先週どこにもお出かけしていないので・・)
そうそう、本日(6月18日)18時が、いわゆるコンプガチャにおける消費者庁の「『懸賞による景品類の提供に関する事項の制限』の運用基準について」改正案のパブコメの締め切りです。
この分野にご関心のある方も多いのではないでしょうか。
オンラインゲームの相談は10年前は馬鹿高いグラボを搭載したPCで時間を気にせず遊んでいるようなご身分のかなりマニアックな世界の方からでしたが、特にケータイやスマホでいつでもソーシャルゲームが楽しめるようになってからは、マニアックな世界が一般の人にも大分浸透してきたという感じがします。
なぜかと言うと、唯一ひとつを除いて、マニアの世界だった頃からトラブルの内容自体は今もあまり変化がなく、トラブルの内容は相変わらず、アカバン、なりすまし、RMTやトレード詐欺、ユーザ同士の諍い、いやいやなにより会社のユーザ対応が悪いよ!が主だからです。
マニアの世界から唯一トラブルの何が変わったかというと、課金に関する不満が増えたことです。これは昔のオンラインゲームは月額課金制度だったからかもしれませんが、登録無料のアイテム課金に移行しても、使ったお金に対し直接不満を言う人は少数だったと思います。ガチャそのものはマニアの世界だった10年前に手法として既に存在していましたがアイテム取得のメインではなく、ガチャに文句をいう人もほとんどいなかったように記憶しています。ある意味、トラブルを抱え相談に来たときも、ゲーム会社の対応は嫌いでもみんなまだゲームを愛していました。
ただ、アイテム取得が有料ガチャとなり、特にコンプガチャの出現によって「あと一枚」に奮闘し、結果的に高額課金に至ったユーザは、出現率の分からないブラックボックス的な有料ガチャに対し大いなる疑心暗鬼を抱くようになりはじめ、それを欺瞞性や射幸心と表現されますが、要はトラブルを抱えたときには、既にゲームはお金を使わせる目的と変化していると嘆き、ゲームへの愛も既にどこかに消えていることが多かったように思います。まさに金の切れ目が縁の切れ目ですね。ただ、ゲームへの愛より今回もっと実務的に問題になったのは子どもの高額な使い込みでしょう。
2012年5月に消費者庁からコンプガチャの見解が出されて、大手サイトが一斉にコンプガチャ廃止を決めました。基本はもちろんウェルカムです。
ただ、その後は「カード合わせ」に該当しないように考えられた手法やガチャを二重三重に組み合わせたり、まさに複雑怪奇と呼べる手法が出始めて、結局大枚使ったにもかかわらずレアアイテムが取得できないという不満の中身は変わらず、「集めれば必ずレアアイテムがもらえたコンプガチャの方が未だマシだった」という人もいるぐらいです。
有料ガチャ1回の料金が高額なものもあり、通常の有料ガチャに対しても、変わらずその出現率をサイトが意図的に操作しているのではと疑問視していることも同じ。つまり、コンプガチャという手法がなくなっても高額課金に対するユーザの不満がすぐになくなるわけではないかもしれません。
確かに射幸心を煽るコンプガチャが事実上廃止となれば子どもの高額利用の可能性は減るかもしれません。ただ、子どもであっても同じルールでゲームが遊べ決済手段も大人と同じであれば、コンプガチャ廃止をもって子どもの高額利用の根本的な解決にはつながらない可能性もあります。
また、子どもの利用額に上限額を設けているところも多いと思いますが、未だ一部のキャリアを除きサイト登録時に入力する生年月日で利用年齢が決まるシステムのまま、ソーシャル部分の厳しい利用制限を嫌がる子どもがいる限り、登録年齢詐術の排除を徹底させる方法も併せて考えていかなければならないと思います。子どもに対する消費者教育の課題でもあるかもしれません。
一方、サイトにおいては今回の突然の措置に萎縮してしまい、コンプガチャ以外にも今まで特に問題なく用いられてきた手法においても、疑わしき手法は自主的に排除しようとする動きもあるようです。このようにグレーな手法は自主的に排除をしていこうとする姿勢は本当にすばらしいことだと思います。
ただ、もし、過剰な自主規制によりゲームそのものの面白みがなくなってしまっては、これまでほどほどの課金で慣れ親しみ楽しんできた大多数のユーザに不満をもたらす可能性もあります。業界を過剰な自主規制に走らせることは、業界全体の健全な発展において大きな妨げになる可能性もあります。
今回のコンプガチャという手法が、子どもが使い込む、また欺瞞性や射幸心を煽るという点を問題視したのであれば、ゲーム上のさまざまな手法を今回のいわゆる「カード合わせ」に該当するか否かだけで判断するというよりも、今後も欺瞞性や射幸心を煽る複雑で脱法的な手法に対しては常に目を光らせ、これを機に、場合によっては複雑怪奇な手法は規制の対象となりうるという姿勢を今後も積極的に見せていく必要があるように思います。
一方で、既存の手法において特に法律上問題ない手法においては、その旨をある程度公表するなどして、業界にもユーザにも擬似コンプに対する疑問を残さないよう配慮する必要があるかと思います。ここをグレーのままで今後も行くのは宜しくないと思います。
ガチャの出現率公開は実際にはなかなか難しいと思いますが、公平性の確保が担保されるような仕組みも今後考えていければと思います。これに比べ比較的市場が成熟していると思われるリアルのカードゲームで同様の販売が行われていても同じ苦情はほとんどないですから。
そんな感じで、わたくしも今回のコンプガチャ廃止に関しては、あくまで個人的にと限定しこんな考えを持っておりますが、基本的なところは前回沢田が言っていることと重なるかと思います。
一方、業界でもRMT対策やユーザ同士のアイテム詐欺防止のためトレード機能などを自主的に厳しくしたおかげで最近はアイテム詐欺に関する問題は減少し、どちらかと言うとこれしょうがないよね的な内容も増えてきているように思います。これはコンプガチャ以外のところで業界健全化に向けたアプローチにおけるトラブル傾向の変化といえるかもしれません。業界は少しずつ、でも着実に変わっていくと思います。
わたくしは実際いくつかのタイトルのゲームを遊んでいますが、わたくしは個人的にいちユーザとして、業界にはこれまで通り楽しいゲームやイベントをどんどん開催していって欲しいと思っています。
だってコレ本当に面白いですよ、悔しいけど。わたくしおかげでいまや毎日これで1時間はケータイ(スマホでできないタイトルもあるので)とにらめっこです。定額制でなければ1ヶ月でほぼパケ死状態です。
これからは、ユーザの愛が戻るようなゲームを再びたくさん提供していって欲しいと思います。
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