ライフログの活用とプライバシー保護
[2011年07月05日(Tue)]
7月4日、「ライフログの活用及び保護に関する調査研究」成果報告会を聞いて参りました。〜オンライン上のプライバシー保護の在り方〜という副題がついています。総務省の委託調査の成果報告です。税金でやってる調査ですから、報告書を公開するだけでなく、こういう機会が設けられるのは大変良いことだと思います。
総務省では、昨年5月に公表された「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」第二次提言の中でライフログ活用サービスの「配慮原則」を提示されています。そのフォローアップとして、2010年度、ビジネスの現状やセンシティビティなどの調査を行ったようです。受託されたのはソフトバンクテレコムさん。今回の報告会では、主に制度面のご検討についてご紹介いただきました。
いろいろ盛りだくさんで大変勉強になりましたが、私としては、筑波大学大学院の石井夏生利先生が発表された欧米の動向と、おなじみ森亮二弁護士による論点整理がとても参考になりました。
プライバシーを人権として捉えるヨーロッパ。消費者保護の一環と考えるアメリカ。法規制と自主規制(+法執行)。アプローチはずいぶん違うようにも見えますが、プライバシーポリシーにはあまり意味がないという点は共通しているそうです。Privacy by Design(設計によるプライバシー)という考え方は、今後、日本にも浸透するでしょうか。
森先生のお話は、いつもながら明快。厳しい厳しいとみんなに言われて反論されてましたが、過去の裁判例からの「プライバシー侵害」の構成要素の分析は、実に客観的なお話だったと思います。情報の性質や収集方法によっては、「公表」を前提とせず収集して保存するだけでもプライバシー侵害とされたケースがあるということ。また、個人識別性がなければプライバシー侵害はないという裁判例がある一方、情報公開法・条例では、識別性がない情報でも公開すれば個人の権利利益を害するおそれがあるものは公開してはならない、とされているそうです(情報公開法第5条第1号)。それは必ずしも矛盾している訳ではなく、どんな場合に権利侵害となり得るか・・・と考えていくと、安全管理の仕組みも考慮した、新たな判断基準にたどり着きそうな感じです(すいません、省略し過ぎ)。
マイクロソフトの楠正憲さんも参加されたパネルディスカッションでは、前半のご講演を受け、震災時の緊急対応のことなどが話題になりました。ルール整備に関しては、「執行の伴わない規制は有害無益」「自国産業の対外競争力も考慮して」「事前ルールは謙抑的に。むしろ一般人(消費者)が容易に文句を言える環境が大事」「執行機関が事後的に判断」「法やルールよりもコードやアーキテクチャーで解決すべき」といったコメントが印象に残っています。
会場は、30年ぶりに訪れた早稲田大学理工学部でした。当時のカレシの授業が終わるのを学生読書室で待ってたのを懐かしく思い出してキョロキョロしましたが、どの建物がそうだったか、すっかりわからなくなってました。
総務省では、昨年5月に公表された「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」第二次提言の中でライフログ活用サービスの「配慮原則」を提示されています。そのフォローアップとして、2010年度、ビジネスの現状やセンシティビティなどの調査を行ったようです。受託されたのはソフトバンクテレコムさん。今回の報告会では、主に制度面のご検討についてご紹介いただきました。
いろいろ盛りだくさんで大変勉強になりましたが、私としては、筑波大学大学院の石井夏生利先生が発表された欧米の動向と、おなじみ森亮二弁護士による論点整理がとても参考になりました。
プライバシーを人権として捉えるヨーロッパ。消費者保護の一環と考えるアメリカ。法規制と自主規制(+法執行)。アプローチはずいぶん違うようにも見えますが、プライバシーポリシーにはあまり意味がないという点は共通しているそうです。Privacy by Design(設計によるプライバシー)という考え方は、今後、日本にも浸透するでしょうか。
森先生のお話は、いつもながら明快。厳しい厳しいとみんなに言われて反論されてましたが、過去の裁判例からの「プライバシー侵害」の構成要素の分析は、実に客観的なお話だったと思います。情報の性質や収集方法によっては、「公表」を前提とせず収集して保存するだけでもプライバシー侵害とされたケースがあるということ。また、個人識別性がなければプライバシー侵害はないという裁判例がある一方、情報公開法・条例では、識別性がない情報でも公開すれば個人の権利利益を害するおそれがあるものは公開してはならない、とされているそうです(情報公開法第5条第1号)。それは必ずしも矛盾している訳ではなく、どんな場合に権利侵害となり得るか・・・と考えていくと、安全管理の仕組みも考慮した、新たな判断基準にたどり着きそうな感じです(すいません、省略し過ぎ)。
マイクロソフトの楠正憲さんも参加されたパネルディスカッションでは、前半のご講演を受け、震災時の緊急対応のことなどが話題になりました。ルール整備に関しては、「執行の伴わない規制は有害無益」「自国産業の対外競争力も考慮して」「事前ルールは謙抑的に。むしろ一般人(消費者)が容易に文句を言える環境が大事」「執行機関が事後的に判断」「法やルールよりもコードやアーキテクチャーで解決すべき」といったコメントが印象に残っています。
会場は、30年ぶりに訪れた早稲田大学理工学部でした。当時のカレシの授業が終わるのを学生読書室で待ってたのを懐かしく思い出してキョロキョロしましたが、どの建物がそうだったか、すっかりわからなくなってました。



