リンさんから嬉しいお知らせが届きました。
リンさんは、素晴らしい功績を立てた障害者に贈られる「ゴールデンイーグル賞」を
受賞しました!
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今年で第25回目を迎えるこの賞は、教育・文化・就労・芸術及び公益サービスなどの分野で
輝かしい実績を残した障害者に贈られます。
厳正なる審査の結果、今年度はリンさんを含む10名が選考されました。
台湾衛生福祉部は、「国際障碍者デー」に先立ち、
2021年11月27日に「第25回ゴールデンイーグル賞」授賞式を執り行いました。
厳正な審査を経て選ばれた10名の受賞者は、メダルとトロフィーが授与されると共に、
障害を乗り越え、積極的な自己研鑽に励み、
多方面にわたってポジティブな影響を与えたことを称えられました。

台湾衛生福祉部は、ゴールデンイーグル賞に寄せて、以下のコメントを発表しました。
ゴールデンイーグル賞の表彰を通じて多くの障害者が啓発され、
また、各受賞者が今後も更なる努力を重ね、益々活躍されることを期待しております。
そして、市民一人ひとりが、実際の行動を通して、障害のある人の社会参加を支え、
平等かつお互いを尊重しあえる共生社会を共に実現していくことを期待しています。
リンさん、おめでとうございます!
今回から、ゴールデンイーグル賞受賞者には、特別なプレゼントが!
それは・・

受賞者の写真がデザインされたバスが、期間限定で台北市内を走行というものです。
受賞者1名につき、1路線が割り当てられますが
各受賞者の自宅や職場の近くを運行する路線を選んでくれています。
バスの車体には受賞者からのメッセージとQRコードも描かれています。
リンさんからのメッセージは「共生社会を創るためには、みんなの努力が必要です。
みんなで頑張りましょう!」です。
QRコードをスキャンすると、リンさんの活動を紹介する動画を見ることができます。
バスの運行期間は、11月23日~12月24日。実物を見に行けなくて残念です。
リンさんにも直接お話を伺いました!
Q:リンさん、ゴールデンイーグル賞の受賞、おめでとうございます。
今のお気持ちをお聞かせください。本当はもっと早くお知らせしたかったのですが、12月に入って少しバタバタしていました。
年内に予定していたイベントがようやく全て終わり、今は新しい年を迎える準備をしています。私は、11月27日にゴールデンイーグル賞を受賞しました。
この嬉しい報告をさせていただくと共に、ダスキン愛の輪基金、
お世話になった障害者団体、日本障害者リハビリテーション協会に感謝申し上げたいです。
長い間、私を育て、暖かく応援してくださって、本当にありがとうございます。
これからも自分が得た知識や機会を台湾のみなさんに共有したいと思います。
昨日、街でバスをキャッチした様子を写真に撮りました。
このバスを通じて、自立生活の理念や希望と自由を
みんなに少しでも届けられたらいいなと思っています。
Q2:新年の準備を進めているというお話がありましたが、来年の抱負を聞かせてください。3つあります。
まず一つ目は、総統府を表敬訪問し、総統と障害者施策について意見交換をしたいです。
総統に障害者の課題について直接お話がしたいからです。
なぜ、このように考えるようになったか、少し長いですが、その経緯をお話しします。
2年前、日本財団の助成事業の一環で、私はパキスタンで行われたフォーラムに参加しました。
その報告会を昨年3月に開催予定でしたが、コロナの影響で延期となりました。
その後、ハイブリッド形式で11月に報告会の開催にこぎつけました。
会場には、台湾各地から参加者が集まりました。
また、参加者の中には、コミュニケーション手段として、
手話や要約筆記、指点字を使用する方もいました。
このように、多様な人々が集まってくださったので、
参加人数を絞った上での開催でしたが、会場内は大変盛り上がりました。
オンラインで日本とつないだことも、国際的な雰囲気が感じられ、
会場で参加した人たちには強いインパクトを残すことができました。
このイベントで広がった人脈によって、台湾南部にある大学での
障害学生エンパワメントワークショップを依頼されました。
ワークショップ最終段階では、参加者の中から5名を選抜し、
台北に来てもらいました。
台北では、自立生活を送っている重度障害者の家を訪問したり、
バリアフリー体験も兼ねて観光を楽しんだりました。
そして、台北滞在中の最終目標が、総統府に行くことだったのです。
自立生活の経験が少ない5人の学生にとって、台湾南部から台北に自分たちで移動すること、
そして総統府を訪れることは大きなチャレンジでした。
当初の予定では、学生たちの願い(学校のバリアフリー化や障害のある人の就労支援,
介助サービスの充実など)を書いたメッセージカードを
総統府に置いて帰るだけの予定でしたが、
直前になって、総統が正門のところまで出てきてくださることになったのです。
学生たちは総統がメッセージカードを受け取る様子を目の当たりにし、
記念撮影を行うこともできました。
この経験は学生たちに大きな自信を与えました。
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ですから、次は、総統と意見交換を行いたいと考えました。
今回コロナの感染拡大を受け、障害のある人が抱える課題が顕在化されてきました。
その課題は、医療、福祉サービス、交通など様々な分野にまたがっています。
しかし、今の台湾には障害者に関する課題への横断的な取り組みを行い、
障害者の権利を保障する機関がありません。
ゴールデンイーグル賞授賞式の祝辞で、総統は「政府はバリアフリーを推進し、
よりよい社会の実現に向けて一層の努力を続けていく」と述べられました。
総統には上述のような機関の設立をぜひ検討していただきたいです。
2つ目は、先ほどお話しした障害のある大学生のエンパワメントワークショップを
定期的に開催できるようにすることです。
来年以降は、台湾全土の大学に広報を行い、障害学生を募集したいです。
行政機関を訪問して、大学生から行政職員に障害のある人の課題について
伝えるという活動は毎年実施したいです。
このワークショップを行うことで、大学生本人だけでなく、
周りの意識を変えることも期待できます。
昨年でいうと、大学の障害学生支援センターに所属する先生方も、
プログラムが進むにつれて積極的に関わってくれるようになりました。
最後には「来年度も実施しよう」と言ってくれたほどです。
最後は、ワークショップやカードゲームの開発です。
インクルーシブ社会や自立の理念をレクチャーではなく、
ワークショップやゲームを通じて、楽しく伝えていきたいです。
リンさん、ありがとうございました!
リンさんの3つの目標が達成されるよう願っています。