2011(平成23)年11月24日(木)
読売新聞
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注目の「少額短期保険」(2)…介護・孤独死・葬祭
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/kouza/fp/04/20111122-OYT8T00584.htm
これまでの生損保のものとは一味違う
「少額短期保険(ミニ保険会社)」の保険商品を
目にする機会も増えました。
保険会社との制度上の違いを把握した上で
うまく活用したいところです。
前回に引き続き、時代を反映した特色ある保険について
4社ほど取り上げます。
ファイナンシャル・プランナー 竹下さくら
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■保険料控除とセーフティネットに留意
少額短期保険は、これまでにない新しいニーズを満たす
商品性や、保険料のお手ごろ感が魅力です。
その一方で、保険会社にあって少額短期保険業者にない
しくみが2つある点は、よく理解した上での活用が重要です。
まず、1点目は「保険料控除」が
少額短期保険では使えないこと。
少額短期保険業者も、保険業法に基づいて保険会社と同様に、
内閣総理大臣の適切な監督を受ける保険事業者ですので、
保険料控除の取り扱いについても特段の差異を設ける
必要はないのでは…… ということで、
保険料控除の適用が受けられるよう、
税制改正の際の要望事項に挙げられています。
また、前回取り上げた少額短期保険の「地震補償保険」
についても、地震保険料控除の対象となるよう、
平成24年度税制改正要望に係る意見一覧にも
取り上げられています。
従って、現状では保険料控除の対象には含まれていない
ものの、将来的にどうなるかはわかりません。
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さて、2点目は「保険契約者保護機構」の
対象ではないことです。
生命保険契約者保護機構は生命保険会社、
損害保険契約者保護機構は損害保険会社の
セーフティネットなので、少額短期保険業者は
保険会社ではない以上、当然保護機構に入ることは
できません。
では、
「業界として同様のセーフティネットを作ればいいのでは。」
という意見もありますが、もともと取り扱う金額が
“少額”で(死亡保険の例では300万円以下)、
保険期間も“短期”の保険契約(1年または2年)であり、
満期保険金や満期返戻金などを支払う保険は扱えず、
その資産の運用も預貯金(外貨建てを除く)・国債・地方債等
に限定されています。
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思い返せば、これまでの生損保の破綻は、
満期保険金があるなど貯蓄性の高い契約を大量に抱えて
逆ザヤになったり運用環境の悪化によるところが
少なくありませんでした。
そうしたリスクが限定されている少額短期保険に関して、
セーフティネットを作るように金融庁が求めなかったのは
当然のことかもしれません。
現状では、少額短期保険業者は最低1,000万円を
法務局に供託し、何かあった場合には
そのお金で契約者保護を図る体制をとっています。
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さて、以下では、最近の高齢化社会・無縁社会に関連した
少額短期保険をいくつか見てみましょう。
■60歳以上の高齢者や要介護者も入れる介護保険
セント・プラス少額短期保険株式会社は、
介護サービス事業会社を中心としたセントケア・グループの
ミニ保険会社です。
訪問入浴介護サービスのスタートから
約30年という実績による集計・解析、分析をもとに、
現場の声から産み出された3つの介護保険を扱っています。
1年間に24回分の院内介助サービス費用をカバーする
「院内介助費用補償保険」と、
事故発生から1年間に 108回分の調理サービス費用を
カバーする「調理費用補償保険」、
事故発生から1年間で12か月分の上乗せサービス費用を
カバーする「介護保険上乗せ費用補償保険」
の3種類があります。
特筆すべきは、60歳〜 100歳までの高齢者であれば、
健常者でも要介護認定者でも契約可能である点です。
(ただし保険料は年齢・性別・要介護区分で異なる)。
初回契約は要介護2までですが、
再契約時に要介護3以上となっても補償が継続されます。
介護の不安が身近になった人が、公的介護保険に
ちょこっとプラスできる使い勝手の良さがあります。
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■無縁社会や要介護度の進行、不妊治療に備えるオリジナル保険
アイアル少額短期保険株式会社は、
「こんな保険があったらいいのに。」
というアイデアを相談すると、その特定団体のオリジナル保険
を前向きに開発してくれるミニ保険会社です。
例えば、特殊清掃事業者(キーパーズ有限会社)との
共同開発による、自殺・孤独死、殺人事件などが
賃貸住宅内で発生した場合の清掃・遺品整理等の
現状回復費用と空室期間の家賃(最長12か月)を保障する
「賃貸住宅管理費用保険(賃貸住宅オーナー向け)」。
介護サービス事業者(株式会社東日本福祉経営サービス)との
共同開発による、被保険者の要介護状態が進行した場合に
公的介護保険における自己負担分を保障する
「介護サービス受給保障保険(要介護者が契約する場合、
同社と提携している介護事業者)」があります。
また、女性のための健康生活ガイド「ジネコ」との
共同開発による、不妊治療中の女性専用の医療保険なども。
バラエティーに富んだ、その団体ならではの
オリジナル保険を提供しています。
これらの保険商品は誰でも加入できますので、
興味のある方は加入方法について
アイアル少額短期保険株式会社までお問い合わせを。
また、医療保険や家財保険、自転車事故に備えた
傷害保険などについては、いずれもインターネットで
契約まで完結できます。