2010(平成22)年06月30日(水)
朝日新聞
asahi.com>マイタウン>大分
踏切に青色照明 防げ鉄道自殺
http://mytown.asahi.com/oita/news.php?k_id=45000001006300003
踏切を両側から照らす青色照明=別府市中須賀東町
◆別府市内13カ所に設置/JRが試験的に3年間
踏切での鉄道自殺や事故防止のため、JR九州大分支社は
「人の気持ちを落ち着かせる」
とされる青色の照明を、別府市内の日豊線・亀川―別府駅間の
13カ所の踏切付近に3月末から設置している。
同支社は
「効果の科学的な実証は難しいとされるが、
自殺や事故そのものと、それに伴う列車の遅れを
少しでも防ぎたい」
と話している。
踏切そばの既存の柱に青い光を出す蛍光灯を新たに設置した。
各踏切1、2灯ずつの青い光が、日没から夜明けまで
付近を照らす。
3年間の試験的な設置で、点灯は3月26日に開始。
今年度中に別府―東別府駅間など2カ所の踏切にも
設置する予定という。
今回の設置区間は、事故や自殺の多発地点。
1999〜2009年度の11年間に同支社管内で起きた
鉄道自殺59件のうち2割超の13件が亀川―東別府駅間で
発生。
同時期の踏切などでの事故も、
管内全体の49件のうち7件がこの区間で起きたという。
青色照明は06年12月にJR西日本が導入し、
JR東日本も山手線の全駅に取り付け、
全国で設置が広がっている。
九州では他に、福岡県内のJR鹿児島線・九産大前―箱崎駅間
の7カ所の踏切に設置されている。
朝日新聞 2010年06月30日(水)
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2010(平成22)年04月03日(土)
読売新聞
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JR九州も踏み切りに青色照明、飛び込み減狙う
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090128-945707/news/20100403-OYT1T00571.htm
JR九州が踏切に設置した自殺防止の青色照明(福岡市東区で)
=森 洋二 撮影
急増する踏切での飛び込み自殺を防ごうと、
JR九州(福岡市)は管内の踏切の一部に、
気持ちを落ち着かせる効果があるとされる青色照明を
試験的に設置した。
青色が心に及ぼす影響は科学的には実証されていないが、
先に導入した他社では自殺者が減っている。
JR九州は
「痛ましい事故を1件でも減らしたい」
と効果を期待している。
同社はこれまでも、自殺が多い区間に柵を取り付けたり、
白い照明を増やしたりしてきた。
しかし、深刻な不況を背景に、2009年度に管内で起きた
飛び込み自殺は約50件に上り、前年度の22件から急増。
特に夜間の自殺が多かった。
このため、3月下旬、過去3年間で5件の飛び込み自殺が起きた
福岡市東区の鹿児島線・九産大前―箱崎駅間の7か所など、
福岡、大分両県内の計20か所の踏切に、
蛍光灯や発光ダイオード(LED)の青色照明を設置した。
日没から夜明けまで点灯させている。
青色照明は2000年に英国・グラスゴー市が街路灯に
導入したところ、犯罪発生件数が減ったため注目を集めた。
国内でも、防犯灯として自治会などによる設置の動きが
広がっている。
鉄道会社では、JR西日本が06年12月に導入した。
同社は現在、約60か所に設置しており、広報部は
「設置したすべての踏切で、1年くらい自殺が起きていない」
と効果を強調する。
JR東日本も、09年2月に高崎線の3駅に取り付けたのを
始め、中央線の2駅、山手線全29駅のホームに設置した。
京浜急行電鉄も、今年2月までに
駅や踏切計11か所に取り付けた。
国土交通省によると、飛び込み自殺で鉄道のダイヤが乱れる
トラブルは年々増え、08年度は全国で647件起きた。
後続列車や利用者への影響も大きく、
同省が各社に自殺防止策を取るよう呼びかけていることも、
青色照明の導入に拍車をかけている。
日本色彩心理学研究所(神戸市)の高橋水木・主任研究員は
「色彩と人の心の関係は科学的に証明できるものではない。
ただ、青色に人の気持ちを落ち着かせ、
緊張を緩める作用があるのは確か。
自殺を思いとどまらせる効果も期待できる」
と話す。
JR九州は3年後をめどに効果を検証する方針。
鉄道事業本部・技術調査推進室は
「青色照明の意義を知ってもらい、
社会全体で自殺防止を考えるきっかけになれば」
としている。 (森 洋二)
読売新聞 2010年04月03日16時10分(土)