2011(平成23)年06月05日(日)
秋田魁新報
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■ 秋田のニュース:社説
社説:自殺率ワースト 県民運動一層進めよう
http://www.sakigake.jp/p/editorial/news.jsp?kc=20110605az
2010年の本県の自殺率(10万人当たり)は、
厚生労働省の人口動態統計によると33.1で、
残念ながら全国47都道府県の中で最も高かった。
16年連続のワーストである。
ただし本県の自殺者数は前年比で58人減の358人となり、
13年ぶりに400人を下回った。
自殺率も、ワーストとはいえ5ポイント減と改善された。
県民一丸となって地道に取り組んできた
自殺予防運動の成果といえる。
自殺者ゼロを目指し、これからも粘り強く
活動を展開することが求められる。
○
経済状況の悪化に伴う中高年の自殺が減ったとみられる。
多重債務者らを対象にした相談活動などが
浸透してきた表れだろう。
生活苦、借金苦で思い詰めていた人が
相談先でアドバイスを受け、救われた例は多い。
1人で悩みを抱え込まないことが肝要である。
○
気掛かりなのは、高齢者の自殺が後を絶たないことだ。
少子高齢化の進展に伴い、独り暮らしのお年寄りは
さらに増えるだろう。
家にこもれば、どうしてもふさぎがちになる。
病気は沈んだ気持ちに拍車を掛けかねない。
孤立しないよう、声を掛けるなど
地域全体で支え合わなければならない。
気軽に立ち寄ることのできるサロンのような場が
県内各地に設けられ、住民らが運営を支えていることは心強い。
世間話ができ、くつろげることは何よりの心の支えとなる。
地域の中で、そうした取り組みをさらに広げていきたい。
持続させるためには、自治体のサポートが重要である。
うつ病にかかった人が自殺に至る例も多いといわれる。
うつは誰でもなる可能性があることを、あらためて指摘したい。
1人1人が過度なストレスに苦しむことのないよう、
職場などでは常に環境改善を心掛けたい。
家族や友人が自ら命を絶つことほど悲しいことはない。
遺族は、なぜこんなことになったのか、
自分にも至らない点があったのではないか、
などといつまでも自らを責めてしまうものだ。
遺族に対する心のケアも欠かせない。
○
本県では、民間団体が引っ張る形で「秋田モデル」といわれる
「民学官」連携の自殺対策が展開され、
昨年は県民総参加を促す「秋田ふきのとう県民運動実行委員会」
が発足した。
それを土台に、掛け替えのない命を守る活動が、
さらに広がっていくことを望む。
自殺予防は息の長い取り組みだ。
いったん改善に向かっても、経済の悪化などに伴い、
逆戻りする可能性は十分ある。
大震災の影響で雇用の悪化も懸念されている。
注意が必要だ。
大切なのは、決して自殺をタブー視せずに
現状や対策をさまざまな場で話し合い、
より温かみのある、誰もが生きやすい社会づくりに
つなげていくことだ。
その取り組みを、さらに前へ進めたい。
秋田魁新報 2011年06月05日(日)10時11分更新
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
2011(平成23)年06月04日(土)
読売新聞
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秋田の自殺率、16年連続の全国ワースト
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=41705
厚生労働省がまとめた2010年の人口動態統計の概況で、
秋田県内の自殺率(人口10万人当たりの自殺者数)が
33.1と、前年より5ポイント改善したものの、
都道府県では16年連続で全国ワーストとなったことが
わかった。
全国平均は23.4。秋田県は
「自殺未遂者への対応など、
引き続き自殺防止に力を入れる。」
としている。
○
人口動態統計によると、
秋田県内の10年の自殺者数は358人で、
前年より58人(14%)減少。
1997年以来、13年ぶりに300人台まで減った。
秋田県は数値が改善されたのは、
官民挙げた自殺防止の取り組みの成果とみている。
民間、行政、大学が連携する本県の取り組みは、
「秋田モデル」として全国にも知られる。
秋田大と自治体が共同で住民アンケートを実施し、
分析結果から住民同士の懇話会を開くなどの対策を講じたり、
行政や民間団体による相談窓口を増やして
情報を共有したりしてきた。
今年1月発表の警察庁の統計でも、
秋田県内の自殺者数は300人台まで減った。
このため、今回は自殺率の全国ワースト脱却も
期待されていたが、2番目に高い岩手県に
0・9ポイント差で及ばなかった。
○
自殺防止に取り組むNPO法人
「蜘蛛(くも)の糸」の佐藤久男理事長は
「汚名返上できなかったのは残念。
中高年の働き盛りへの自殺防止は成果が出てきている
が、全体の4割を占める高齢者への対策はまだ手薄。
てこ入れを急ぐ必要がある。」
と語った。
自殺者の実数を大幅に減らしながら、
自殺率が高止まりした点について、秋田県は
「自殺者数の減少よりも、
人口減のスピードが速いため、
割合に換算すると高止まりした。」
と指摘する。
読売新聞 2011年06月04日(土)
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
2011(平成23)年06月03日(金)
朝日新聞
asahi.com>マイタウン>秋田
秋田県内の自殺率、全国ワースト更新 出生率・婚姻率も
http://mytown.asahi.com/areanews/akita/TKY201106020543.html
秋田県内の人口10万人あたりの自殺率は33.1で、
16年連続で全国ワーストを更新した。
厚生労働省が1日に発表した
2010年の人口動態統計(概数)。
ほかの数値も引き続き全国ワーストで、
出生率も16年連続、がん死亡率は14年連続、
婚姻率は11年連続となった。
○
自殺率は、前年の38.1より5ポイント改善したが、
全国でワーストのままだった。
しかし、自殺者数は前年比58人減の358人で、
1997年以来13年ぶりに、400人を下回った。
1月に県警が発表した統計(暫定値)でも
自殺者数は400人を下回っている。
○
出生率(人口1,000人当たり)は6.2で、
前年を0.2ポイント下回った。
第1次ベビーブームの1947(昭和22)年には
38.0だったが、緩やかな下降が続き、
最近10年で1.4ポイント下げている。
女性1人が生涯で産むと想定される子どもの数
「合計特殊出生率」は1.24で
前年より0.05ポイント下がり、全国44位だった。
婚姻率(人口1,000人当たり)は前年と変わらず、
4.0だった。
下位3県は秋田以外に岩手、青森で、北東北が占めた。
また、がん死亡率(人口10万人当たり)は377.2で、
前年より10.5ポイント上昇した。
朝日新聞 2011年06月03日(金)