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【時論公論】不審死・死因究明制度の強化を(NHKオンライン) [2010年02月01日(Mon)]
2010(平成22)年02月01日(月)
NHKオンライン
トップ>ニュース/報道>解説委員室>2010年02月01日(月)

時論公論
「不審死・死因究明制度の強化を」
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/35303.html#more

(藤井キャスター)
ニュース解説・時論公論です。

埼玉県で不審な状態で死亡していた男性について、
警察はきょう、交際していた女を殺人の疑いで逮捕しました。
相次いでいる男性の不審死と、死因究明制度の問題点について、
渥美解説委員です。

埼玉県内の駐車場の車の中で不審な状態で死亡した男性に
ついて、警察はきょう、交際していた女が練炭自殺を装って
殺害した疑いが強まったとして殺人の疑いで逮捕しました。

この女の周辺では4人の男性が相次いで亡くなっていますが、
このうち2人については、遺体が見つかったときに
警察が自殺や病死と判断し、解剖をして詳しい死因を調べること
をしていなかったために、捜査と真相の解明を難しくしています。

これまでにも警察が死因の究明をしなかったため、
犯罪による死を見逃していたケースがあります。
今夜は予定を変更して、今回の事件をきっかけにして、
日本の死因究明制度の現状と問題点について考えます。



まず今回の事件をみてみます。

きょう逮捕された女は、去年8月、交際していた
東京・千代田区の男性を埼玉県内の駐車場に置かれた車の中で
練炭を燃やして一酸化炭素中毒で死亡させたとして、
殺人の疑いがもたれています。
警察の調べに対して、容疑を否認しているということです。

この事件では、男性に自殺の動機が見当たらず、
現場の状況にも不自然な点があったため、
遺体の解剖や詳しい検査が行われた結果、
睡眠導入剤が検出されたことなどから捜査が行われました。



この女の周辺ではほかにも3人の男性が相次いで亡くなって
いて、千葉県野田市の男性については解剖や検査が行われ、
遺体から睡眠導入剤が検出されたことなどから
捜査が進められています。

しかし、東京・青梅市と千葉県松戸市の男性については
警察が解剖を行っておらず、それぞれ自殺と病死
とされていました。

警察はほかの2人の男性の死因に不審な点が出てきたため、
青梅市と松戸市の男性の死亡も事件だった「可能性」
があるとみていますが、詳しい死因がわからないため、
捜査や真相の解明を難しくしています。

警察庁の幹部も、
「当時の対応が甘かった」
としていて、死因を究明することの重要性が
あらためて浮かび上がっています。



一方、鳥取県では、先週、女が知り合いの男性に睡眠導入剤を
飲ませて溺死させたとして強盗殺人の疑いで逮捕されました。

この女の周辺でもあわせて6人の男性が
相次いで死亡していますが、やはり一部は解剖が行われず、
真相の解明を難しくしています。



警察が死因の解明を十分に行わず、事件ではないとしていた
ものの、その後、犯罪による死亡だったとされたケースが、
ほかにもあります。

たとえば、3年前、大相撲の時津風部屋で力士が暴行されて
死亡した事件です。

この事件では、けいこをしていた時に亡くなった力士について、
警察は「病死」としていましたが、遺族が遺体に傷がたくさん
あったことから警察に相談した結果、はじめて解剖が行われ、
外部から傷害が加えられたことによる「外傷性ショック死」
とわかりました。
そして、親方と兄弟子4人が傷害致死の罪で起訴されました。

これをきっかけに、警察の死因究明の態勢や
制度そのもののあり方が問題になりました。

しかし、その後も態勢は整っておらず、
制度も「当時のまま」になっているのです。

では、日本の死因究明制度はどうなっているのでしょうか。



今の制度では、病院で病気で亡くなった人など以外は、
すべて警察が遺体を調べます。

そして、警察が、犯罪で死亡した疑いがあるかどうかを
遺体の外側・外表などを見て判断する「検視」などを行い、
「犯罪の疑いがある」と判断した場合は司法解剖され、
詳しい死因の究明が行われます。

一方、警察が、「犯罪の疑いがない」と判断した場合には、
一部は行政解剖されますが、解剖されないケースが多く、
詳しい死因が不明のままの場合もあります。

この中に、実際には犯罪による死亡なのに
見逃されるケースが含まれる恐れがあります。

こうした今の死因究明の制度のどこに問題があるのか、
みていきます。

まず、警察が遺体を調べる態勢と、遺体の解剖を行う態勢が、
ともに不十分です。



警察が取り扱う遺体の数は、交通事故による死者を除いて、
1年間に16万体以上にのぼっています。

自殺する人が増えたり、ひとり暮らしの人が誰にもみとられず
に亡くなる「孤独死」が増えたりして年ごとに増加し、
去年は10年前の1.5倍になりました。

これに対して、犯罪の疑いがあるかどうか判断する
専門教育を受けた「刑事調査官」・
いわゆる「検視官」は、全国に196人しかいません。

このため、全国の警察では、検視官だけでは対応できないため、
専門的な教育を受けていない警察官が多くの遺体の検視などを
行っているのが実情です。

時津風部屋の事件でも専門家の検視官ではなく
通常の警察官が遺体を調べて判断してしまいました。

専門家の検視官が現場に行って、遺体を調べた割合・
検視官の臨場率は去年20.3%にとどまっています。

残りの80%は、専門家でない警察官が、遺体の外側を見て
判断するので、誤った判断をしてしまう危うさがあります。



また、遺体の解剖を行う解剖医も決定的に不足しています。
全国の大学の法医学教室にいる解剖医はあわせておよそ130人。

しかも講義や研究など本来の仕事の傍らで行っているため、
遺体のうち解剖をした割合・解剖率は10.1%にすぎません。
ほかの先進国に比べてきわめて低いのが現状です。

問題点はさらにあります。
警察が調べた結果、「犯罪の疑いがない」とされた
遺体の一部について行われている「行政解剖」の実施率が
都道府県ごとに大きく異なり、「地域差」があるのです。

行政解剖は、本来、死因がわからない人の死因を明らかにして
公衆衛生に役立てるもので、これによって
犯罪による死亡であることが判明する場合もあります。

ところが、行政解剖を行う「監察医の制度」は
東京23区や大阪市、神戸市など一部にしかなく、
地域によって死因の究明がなされるところと
そうでないところの落差が大きいのが現状です。



それでは、今後、どのようにしたらいいのでしょうか。
まず、最初の段階で犯罪の疑いがあるかどうかを調べる
警察の検視官を増やし、現場に行く臨場率を向上させること
が必要です。

また、死因究明の制度じたいを改革して、
司法解剖や行政解剖を行う解剖医を増やして解剖率を高め、
死因がわからないままのケースをなくしていくことが必要です。

たとえば、監察医のように、行政解剖を行う制度を
全国に広げて、死因がわからない遺体は
すべて解剖するようにすることが必要です。

この問題では、3年前、野党時代の民主党が国会に
「死因究明2法案」を提出しています。

都道府県の警察に「死因調査専門職員」を配置したり、
解剖の態勢整備のため内閣府に「法医科学研究所」を置いて、
監察医務院や法医学教室と連携し、
各地で解剖医を増やしたりすることなどを盛り込んでいます。



また、日本法医学会は、遺体の解剖を専門に扱う
「死因究明医療センター」を都道府県単位で設置することなど
を国に提言しています。

警察庁も先週、この問題についての有識者による研究会を設け、
死因究明の態勢や制度のあり方について討議を始めています。

そして、年末までに、制度を改革する提言をまとめること
にしています。



死因の究明は人間の尊厳を守る意味でも重要です。
死因を特定することで、犯罪を見つけ出し、見逃さないだけで
なく、医療や治療などの公衆衛生に役立てることもできます。

一方で、遺体にメスを入れる解剖をめぐっては
日本人の死生観に関わる複雑な問題でもあります。

この問題は、警察だけで完結するテーマではなく、
監察医制度を所管する厚生労働省や、
解剖医を育成する大学を所管する文部科学省なども関係します。

死因の究明に関係する省庁が連携し、
国民の声も広く聞きながら、
死因究明制度の改革と強化をはかっていってほしいと思います。

投稿者:渥美 哲|投稿時間:23時59分

NHKオンライン 2010年02月01日(月)23時59分
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