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NPO法人宮崎自殺防止センターを応援したい

NPO法人国際ビフレンダーズ 宮崎自殺防止
センターでボランティア活動を始めました。
いろいろと勉強中です。

なお、このブログは、自死等の相談に応じるものではありません。


NPO法人宮崎自殺防止センター
■ TEL 0985(77)9090
■ 毎週 日・水・金曜日
   午後8時から午後11時まで(3時間)


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<ネットはいま> 第1部―2 洗剤を買った人(朝日新聞) [2008年11月10日(Mon)]
興味深さと切なさと希望とを同時に感じた記事。
「情報共有圏」という考え方が、とても面白い。

からだを動かせば、こころが付いてくるのと同じく、
情報のやりとりによって、ひとの気持ちが動いたり、
温まったりすることも多いと体験的に感じる。

情報共有圏は、もしかしたら「気持ちの共有圏」
とも通じることがあるのではなかろうか。

以下、引用

*******

2008(平成20)年11月10日(月)
朝日新聞
asahi.com>ライフ>デジタル>ネット・ウイルス

<ネットはいま> 第1部―2 洗剤を買った人
http://www.asahi.com/digital/internet/TKY200811080140.html



ITジャーナリストの佐々木俊尚さんは、
ネット上に浮かび上がる人のつながりに着目する
「この商品を買った人はこんな商品も買っています」
ネット通販大手アマゾン・ドット・コムでは、
欲しい商品を検索すると、その説明画面に、
こんな「おすすめ」商品が表示される。
ほかの利用者の購入実績などから、自動的に導き出される一覧だ。

この春、アマゾン日本版で不思議な現象が起きた。
ある洗剤の商品名を検索すると、何の関係も無さそうな
「おすすめ」商品が次々に現れる。
薬品、家電製品用のタイマー付きコンセント、
ポリ袋、そして「自殺」に関連する書籍。

このころ、浴室などで硫化水素ガスを発生させる自殺が、
各地で相次いでいた。ある洗剤と薬品を混ぜると、ガスが発生する。
そんな情報がネットで流布していた。

特定の洗剤を買った人が、混ぜるとガスを発生させるという薬品を買い、
「自殺」関連書籍を買っていた――。
「おすすめ」が示していたのは、そういうことだった。
アマゾンジャパンは対策をとり、現在この表示は出てこない。

「慄然(りつぜん)とするのと同時に、悲しくなった」。
ITジャーナリストの佐々木俊尚さん(46)は、
知り合いの雑誌編集者から教えられてこの現象を知った。

「アマゾンに現れたのは、単なるモノたちの陳列表示。
だが、その画面の向こうに、今まさに自殺しようとして
苦しんでいる人たちの姿が、浮かんでくるような気がした」。

そして何に使うかわからなかった「おすすめ」商品を1つひとつ、
検索サイトで調べてみた。

タイマー付きコンセントは、自殺した後、扇風機などの電源を入れ、
ガスを拡散させて巻き添え被害を防ごうと考えた人が買ったらしい。
ポリ袋はガス漏れを防ぐ目的だったようだ。

警察庁によれば、今年9月までの硫化水素自殺者は876人。
昨年1年の約30倍に上る。
政府は先月31日、ネット上での自殺手段紹介の防止策を含む、
改正自殺総合対策大綱を決めた。

「自殺」をさがして、ネットをさまよった人たちは、
互いの姿もわからぬまま、情報の足跡だけを通販サイトに残した。
これはネット空間の陰画だ。
「ただ、それを一歩進めれば、人と人とのつながりを目に見える
ような形で示せるのではないか」
と佐々木さんは言う。

家族や知人、同僚といった人間関係ではない、情報を軸にしたつながり。
それが、ネット時代の新しい共同体の兆しかも知れない。
佐々木さんはそれを、
「インフォコモンズ(情報共有圏)」
と名付け、本にまとめた。
目に見えるネットのつながりで、社会はもっと理解しやすくなる
――そう考えている。

(小堀龍之)

2008年11月10日

*******

以上、引用終わり
銀幕有情 樹の海(青木ケ原樹海)(毎日新聞) [2008年11月10日(Mon)]
「自死」を直接的/間接的なテーマとした映画はすでに
いくつもあるが、毎日新聞の記事を読ませていただき、
映画『樹の海』をぜひとも観たくなった。

以下、引用

*******

2008(平成20)年11月10日(月)
毎日新聞 東京夕刊
トップ>エンターテインメント>旅行>訪ねたい

銀幕有情 樹の海(青木ケ原樹海)
http://mainichi.jp/enta/travel/tazunetai/news/20081110dde012070055000c.html





三湖台から青木ケ原樹海を見下ろすハイカーたち。
奥には本栖湖も見える

◇ 迷いの森、はぐくむ命
「とても広くてきれい。上から見たら気持ちも変わるのに」。
眼下に広がる青木ケ原樹海の眺望に皆一様に歓声を上げた。
富士山がよく見える紅葉台から歩いてさらに約20分。
3つの湖が見渡せる三湖台で、長野県から来た里山を歩く会の
グループに出会った。中高年が大半だが、足取りは軽く元気そのものだ。

上から見下ろすと木々がうっそうとすき間なくつながっている
ように見える。この時期は茶や赤に彩りを変えた葉がコントラスト
となり、いっそう美しい。青木ケ原樹海は富士山の山梨県側のふもと、
富士河口湖町から鳴沢村にかけて広がる原生林だ。

「樹(き)の海」は脚本も書いた青島武プロデューサーの
ある思いから始まった。

親しかった知人が突然自殺。考え抜いたあげく
「自殺をしてほしくないという気持ちを映画にしたい」
と、当時初監督作品を思案中だった瀧本智行監督に持ちかけた。

2人は
「(自殺の名所と言われる)この森こそが主役」
と決め、シナリオ作りやロケ地探しのために10回近く
樹海に足を運んだ。

観光スポット「富岳風穴」の駐車場近くに樹海の遊歩道入り口がある。
数歩入った途端、体が冷気に包まれた。落ち葉が敷き詰められた
土の道を歩く。木漏れ日がさす場所はわずか。昼間でもやや暗い。
風もなく、まさに静寂の世界である。

木々の根が縦横に広がり、その上をこけが覆っている。
岩の上や横をはうように伸びる木の力に驚く。
折れたり腐ってしまった木や枝は、土になるのをじっと待っている。
高低差も大きく、人が入れるほどの大きな空洞も開いている。
遊歩道から木々の中に20メートルも入ったら方向感覚を
失ってしまう。ひっそりとはしているが生命力に満ちている。
1時間半ほどゆっくり歩き、途中ハイキングの人たちと
すれちがった。

2人は遺留品から物語を構築していった。遺留品の生々しさに
震えたこともあった。青島氏は今もこんな見方をしている。

「数字的な根拠はないけれど、自殺をしにこの森に入ったとしても、
出てきた人もたくさんいると思いたい」。

瀧本監督は樹海と対峙(たいじ)して
「都会の人の海の中で迷っているのが今の私たち」。

そして2人は口をそろえた。
「自殺しようとする人に、解決の糸口を示すことなどできないかも
しれない。それでも、死んでほしくないと思っている人がいること、
人と人とのぬくもりがどこかにあることを描いたつもりだ」

夕方近く、西湖コウモリ穴でネーチャーガイドツアーに参加した。
富士山の歴史から樹海の特徴、植物など解説してくれた。

ガイドの黒沢広光さんは
「樹海の木々は十分に根をはれない。雑草さえ育たない。
すべての生き物が厳しい状況の中で必死に生きている。
そこに命を捨てにくる人がいる」
と悔しさをにじませた。

「樹海の木は高さがほぼ同じ。冬には氷点下15度前後の寒さから
お互いを守り、こけも木も共に生きている。森は生き物が互いに
命をはぐくんでいる場所。人間も共生することを学べるはず」

黒沢さんは木の株に残るリスの食事の跡、イノシシがえさを探しに
歩いた痕跡などを丁寧に教えてくれた。樹海を正しく理解してもらおう
とツアーは4年前から始まった。町の公認ガイドは現在40人。

周囲を見渡すと、けなげにたくましく生きようとするものたちの
生気が樹海にはあふれているように感じた。

【鈴木隆】



樹木や生き物たちの生命力にあふれる樹海

◇ 溶岩の上、広がる原生林
864年に富士山の北西山腹が噴火し、その時流れた
溶岩の上に広がる原生林を「青木ケ原樹海」と呼ぶ。
常緑や落葉、針葉の高木に覆われた森で、ツガ、ヒノキが
最も多く、ヒメコマツ、ウラジロモミ、ミズナラなども。
美しい木が海のように見えることから樹海と名づけられた。

東西約8キロ、南北約5.5キロと見られ、約3000ヘクタール
と言われてきたが、最近では4000ヘクタールとの見方も。
標高は900〜1300メートルで、地表面は凸凹が激しい。
土壌がまだでき上がっていないため、こけが必要な水分を蓄えて
木々を守っている。タヌキ、イタチ、テンなどの小動物のほか、
野鳥も多い。

◇ 物語、木々のように絡み合い−−05年公開
富士山麗(さんろく)青木ケ原樹海を舞台に、生きることの大切さを
真正面から描いた群像劇。4つの異なるエピソードが樹海で生き抜く
木々のように絡み合い、生と死のはざまに立つ人、踏みとどまって
生きようとする人をまぶしいほどの柔らかい視線で見つめる。
04年東京国際映画祭日本映画ある視点部門の作品賞と
特別賞(津田寛治)受賞作。05年公開。

映画は
「どうして死ぬの」
「生きなきゃダメだ」
と声高に叫ぶことはしない。そっと同じ目線でささやくのである。
「あなたを必要としている人がいるよ」
「あなたを見ている誰かのために」
と。

中でも、樹海で死んでしまった女性と一瞬だがかかわった
サラリーマン(津田)と彼女の足跡を訪ねる探偵(塩見三省)が、
新橋の飲み屋で語り合うシーンが心に染みる。
樹海そのものは出てこない。1枚の写真をきっかけに、
東京というもう1つの樹海の中で生きる難しさ、
生きる意味に思いを寄せる。
居酒屋を出て歩く2人の背中を映すカメラが優しい。

主題歌の「遠い世界に」もいい。時にか細く、時に力強く、
生きる希望がスクリーンからあふれ出てくる作品になった。
1時間59分。ハピネットからDVD(税込み3990円)
発売中。
【鈴木 隆】

<「訪ねたい」は隔週月曜日掲載。あすは「食べたい」です>

毎日新聞 2008年11月10日 東京夕刊
映画インタビュー:「天国はまだ遠く」徳井義実さんに聞く(毎日新聞ほか) [2008年11月10日(Mon)]
先日、映画『おくりびと』をようやく観た。
笑えて泣ける映画だった。オススメである。

映画『イキガミ』も面白そうだが、
映画『天国はまだ遠く』もなかなか良いかも知れない。

以下、引用

*******

2008(平成20)年11月10日(月)
毎日新聞
トップ>エンターテインメント>映画

映画インタビュー:「天国はまだ遠く」徳井義実さんに聞く
抱き合うシーン「めっちゃドキドキした」
http://mainichi.jp/enta/cinema/news/20081110mog00m200018000c.html



初主演も気負いなく演じたという徳井義実さん

お笑いコンビ「チュートリアル」の“イケメン”のほう、
徳井義実さんが初主演した
映画「天国はまだ遠く」(瀬尾まいこ原作、長澤雅彦監督)
が11月8日に東京・シネセゾン渋谷ほかで公開された。
ヒロイン役は加藤ローサさん。
徳井さんは、加藤さんが演じる千鶴が自殺するために訪れた
京都府宮津市の山奥の民宿「たむら」の主人、田村を演じた。
加藤さんと抱き合うシーンもあり、
「めっちゃドキドキした」
と話す徳井さんに、演技への思いなどを聞いた。
【細田尚子】

◇ 現場では静かだった
−−映画俳優として本格デビュー作ですが、
最初に話が来た時にどう思いましたか。
映画好きなんで単純にうれしかったです。

−−どういう映画が好きなんですか。
基本的に洋邦問わずなんでも見るんですけど、
ヒューマンドラマ系が好きですかね。
「ライフ・イズ・ビューティフル」
とか。

−−「天国はまだ遠く」を見させていただきました。
宮津の景色がとてもきれいでしたね。

待ち時間も、ずーっと自然の中で待ってました。
ゆったりといろんなことを考えて。
もともとドラマより映画のほうが撮影のペースが
ゆったりしているし、この映画は内容もすごく
ゆっくりしているので、現場でもすごくゆったりしました。
とくにお気に入りの場所は神社ですね。
段々畑や田んぼとかがバーッと広がっている中で、
あそこだけポツンとジブリ映画に出てくるような
社(やしろ)とその周りを取り囲む小さい森。
あそこは大好きですね。

−−現場で徳井さんはどんな風にしてたんですか。
静かやったと思います。あんまり慣れない現場やったことも
あって、静かにしてましたね。基本的に僕、静かなんで。
でも、(加藤さんとは)しゃべってなくてもしゃべらな
あかんなとか気を遣わなくていいし、いい感じでしたよ。
(加藤さんと)ホンマにほとんどしゃべった記憶がない(笑い)。

◇ 命を感じさせるものが散らばってる
−−映画の中でそば打ちに挑戦してますが。
僕は、そばが大好きなんで、そば打ちは初めてでしたけど、
ずっとやりたかったことでもあったんで。
どうやら僕はうまかったらしくて、1000人ぐらいに
教えてきたそば打ちの先生に、
「今までで一番うまい」
と言われるほどでした。手さばきがうまかったらしいですよ。

−−養鶏もされてます。ニワトリは怖くなかった?
家のじいちゃんが養鶏場をやってまして、小さいころから
ヒヨコが何百羽とかいる中にもいたので、ニワトリは
慣れ親しんだものでしたね。死んだ直後のニワトリを
火であぶったりするシーンがあったんで、
なんか命を感じましたね。
「あっ、さっきまでこいつ、生きてたんや」って。

−−人の生死を考えさせられる部分もあります。

そこかしこに命を感じさせるものが散らばってて。
ちょうど僕も30歳を超えて、やっとそういうことを考える
時期になってきたんで、自分の中でタイムリーでした。

◇ 僕は田村という男に似てる
−−田村という人物についてはどう思いました?

すごくこの人の気持ちわかるなって。あまり人に頼らへんし、
人に「なんとかして」って助けを求めることもせえへんし。
そういう部分がすごくよくわかりました。人との距離感の取り方とか……。
僕にすごく似てると思うんですけどね。誤解されやすいというか、
もっと優しい言葉を掛けてあげたらいいところを、怖いとまでは
いかないけど、そんなに優しくなく普通の言葉をかけてしまうというか。
なんか変に人を甘やかせへんみたいな。

−−後半で加藤さん演じる千鶴を後ろからハグしましたね。
あのシーンは女性の観客がキュンと来てしまうと思いますが。

そうですかね。僕はもうドキドキしてましたけどね。
芸人の仕事でああいうことないので(笑い)。
めっちゃドキドキしましたよ。芝居やから、ちゃんと
ぎゅっとしたほうがいいんでしょうけど、そこまでギュッといけず……。
もちろん向こう(加藤さん)はプロの女優さんだからそんなことは
何回もあるやろし、(役になりきって)放心状態というか……。

−−その他のシーンで印象的だったのは?

ラストシーンですね。けっこう微妙な場面で、2人とも揺れ動いてる。
どっちかが一歩踏み出したらダダダッともっと一緒にいようという
ところまで動くのに、どっちも一歩どころか半歩も前に出ないような
微妙なところが……。

−−完成作を見て、その場面は納得できるものでしたか。

自分も(田村みたいに)ああいう感じで、あんまり好きになったからって
好きや好きやって行くわけじゃないし、相手の気持ちを探りながら行く
ほうなんで、出来れば相手からちょっとサインを送ってきてくれないかな
という感じやから、すごくわかりました。
あそこもとりあえず田村という男と似てるんですよね。

−−相方(福田充徳さん)との共演場面もありましたが。

すごく照れくさかったです。目をあんまり合わせられなかった。

−−今後、映画出演の話があったら?

またお話があれば出てみたいですね。アクションはたぶんできないんで
わかんないですけど、コメディーでもいいし、頭が切れる猟奇殺人犯の
ような役もしたいし。

−−最後に見どころとメッセージを。

派手な映画が多い昨今、こういう静かで強くて美しい映画はなかなかない。
皆さん誰しも心のどこかしらに引っかかるところがあると思うし、
何かを考えるきっかけにもなるかなとも思います。絶対に見てください。

<徳井義実さんのプロフィル>

1975年4月16日、京都府京都市出身。
お笑いコンビ「チュートリアル」のボケとネタ作りを担当している。
98年、幼稚園から高校、予備校や自動車教習所と、
大学以外すべて同じ学校に通っていた友人・福田充徳から誘われ、
お笑いコンビ「チュートリアル」を結成。06年のM−1グランプリに
出場し、優勝した。
08年4月からの「無理な恋愛(関西テレビ制作、フジテレビ系)
で堺正章と夏川結衣らと共演。今作で映画初主演。

【関連リンク】
「天国はまだ遠く」公式サイト
http://www.tenmada.com/

2008(平成20)年11月10日(月)



2008(平成20)年11月07日(金)18:10
MSN産経ニュース
ニューストップ>エンタメ>芸能界

映画「天国はまだ遠く」 主演 加藤ローサさんインタビュー
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/081107/tnr0811071812012-n1.htm



「人とか自然とか食べ物とかとの何気ないかかわりを通じ、
与えたり与えられたりとかできるだけでも幸せだなぁと…」
と語る女優の加藤ローサさん(矢島康弘撮影)

《「死」と隣り合わせの「生」を大事に》

作家の五木寛之(いつき・ひろゆき、76)によれば、
高度成長期に続くバブル崩壊を経て日本はいま、
社会全体として「鬱(うつ)の時代」を迎えているという。
だから、現代を生きる人たちが鬱の気分になるのは
自然なことだと説く。瀬尾まい子原作で同名の小説を
映画化した「天国はまだ遠く」も、そうした時代の気分が
投影された作品かもしれない。

自殺に走る同年代の女性を演じた加藤ローサ(23)は
「普通の人でも死は意外に近くにあるのだと思い知らされ
ました。疲れたなぁとか、私はいま幸せなのかなぁと
思っている人に見てもらいたい映画です」
と話す。

<仕事も恋愛もうまくいかず、生きることに疲れた
OLの千鶴(ちづる、加藤)はある夜、京都北部の宮津駅に
降り立ち、タクシーの運転手に北へ向かうよう頼む。
車が止まったのは、山奥の「民宿たむら」。
そこには宿の主人で青年の田村(徳井義実(よしみ))が
いるだけだった。その晩、千鶴は大量の睡眠薬を飲んで
自殺を図るが、32時間後、朝日と魚の焼けるにおいに目を覚ます。
自殺は失敗したのだ。
千鶴は呆然(ぼうぜん)としながらも、朝食を平らげ、
民宿に泊まり続ける>

■自殺図る普通の女性

とても自殺を試みる女性には見えない。やることなすこと
能天気なのだ。そんな千鶴に
「真剣に死ぬつもりだったのか」
と違和感を覚える観客もいるかもしれない。
加藤自身も
「暗ーいのは冒頭の場面だけで、本人なんだけど
別人格の千鶴という感覚で演じました。
目覚めてからの千鶴は、本当に普通の女の子です」
と打ち明ける。

もちろん、そうした演出には原作者の思いと、
長澤雅彦監督(43)の意図が込められている。
「生きている限り『生と死』はくっついているものであって、
一歩踏み出すだけで『死』の方に行ける。
だから今を大事にしようよ、と監督は伝えたかったそうです」。
加藤が、こう代弁する。

ロケ地に入る前、東京でリハーサルを重ねた。
長澤監督は出前をとり寄せ、食べながらしゃべる場面の
演技を丁寧に指導したという。
「ご飯だけ口いっぱいにほお張るほうがいいとか、
監督に教えていただきながら、おいしそうに食べる
見せ方を研究しました」

田村の目の前でご飯をパクつき、たくあんをかじり、
みそ汁をむさぼる千鶴の姿は、そうやって生まれた。
おいしい物には死を考えた人間も幸せを感じる…。
加藤が一番好きなシーンだ。

■ 心を癒やす自然と人

お笑いコンビ「チュートリアル」の徳井は、
過去の出来事への負い目から殻に閉じこもる田村を
淡々と演じている。
「おもしろおかしい人かと思っていたら、
全く役者さんの雰囲気で演技もお上手なので
驚きました」
と加藤。

自殺願望に取りつかれた重い気分になりきるため、
加藤はこんな工夫をしたという。
「撮影前に1人でポツンと現場に立ち、寒風にさらされ
ながら、ずっと下を向いていました。そしたら、
だんだん気持ちが暗くなって…
知らない土地で独りぼっちだなぁって」

海と山に囲まれた宮津で、時計の針はゆっくりと進み、
千鶴は少しずつ自分を取り戻す。豊かな自然だけでなく、
田村が、そして山村に住む人たちの心が、千鶴を癒したのだ。
そして、田村の心境にも変化が芽生える。

加藤は願っている。
「人とか自然とか食べ物とかとの何気ないかかわりを通じ、
与えたり与えられたりとかできるだけでも幸せだなぁと、
見た人に何となくでも感じてもらえたらいいな」

11月8日公開。東京・シネセゾン渋谷など。
(文:村山雅弥/撮影:矢島康弘/SANKEI EXPRESS)



■ かとう・ろーさ 1985年6月22日生まれ。
鹿児島県出身。モデルとしてデビューし、
リクルートのCM「ゼクシィ」で注目を集める。
映画初出演作は2005年の「tokyo tower」。
06年の初主演映画「シムソンズ」でカーリングの選手を
好演した。08年にはテレビドラマ「CHANGE」や
映画「デトロイト・メタル・シティ」のほか、
10月スタートの日本テレビ系ドラマ「オー!マイ・ガール!!」
に出演。

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