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石井苗子「心がラクになるストレスコントロール」(週刊ダイヤモンド20080319) [2008年03月19日(Wed)]
2008(平成20)年03月19日
ダイヤモンド・オンライン
ホーム>暮らし・オフ>石井苗子>心がラクになるストレスコントロール

石井苗子(東京大学客員研究員・女優・精神カウンセラー)
心がラクになるストレスコントロール
【第11回】 2008年03月19日

ストレスは感染する病い
http://diamond.jp/series/mental/10011/
http://diamond.jp/series/mental/10011/?page=2
http://diamond.jp/series/mental/10011/?page=3
http://diamond.jp/series/mental/10011/?page=4

前回は、ストレスコントロールに使う3つの力を紹介しました。
「社会資源」、「社会的支援」、「個人のネットワーク」の3つです。

例として、仕事がドンドン自分のところに溜まってしまってストレス
状態が続いているときに、どこかで「えいっ!」と踏ん切りをつけて、
上の3つの力を使って片付ける。
まず、職場で自分が使う権利のあるものはすべて使う(社会的資源の
最大利用)。次に、持っている権利をあますところなく行使する
(社会的支援の選択)。そして、個人的に助けてくれそうな人は
全員に頼る(個人のネットワークの活用)でした。

ここまで説明してきて、気がついたことがあります。
「ストレスを早めにコントロールしましょう」
と言っても、個人の自主性に任せていたら、おそらく誰もやって
くれないということです。ちょうど生活習慣病が
「生活習慣を変えましょう」
と言っても、やってくれないのと同じです。どうしてか。
それは、生活習慣病もストレスも、予防の行動に個人の
「性格」が大きく関係しているからです。

うつの「予防」は難しい

例えば、
「わたしって、うつ病になりやすいタイプかしら」
と、ストレス予防に関心を持つ、その入り口までは来るのですが、
いざストレスコントロールとなると実行まで至らない。
生活習慣病の場合でも、運動、栄養、睡眠といった生活習慣が
乱れると起こる病気だと知ってはいるけれど、どうしても歩かずに
タクシーに乗ってしまうし、今夜もまた深酒になってしまったと
いうように、わかっているけど、予防行動までに至らないのです。

「性格の問題だから、ストレスコントロールができないのは仕方ない」
というのは、間違いです。ストレスコントロール法そのものは、
性格に関係ありません。どんな人でも、どんな環境でも、やろうと
思えばできるはずなのです。人間関係のストレスでも、先の3つの力
を利用して、溜まらないうちに、あるいは溜まったときに、または、
いつやるかを計画しておくとか、やり方は色々あります。

ここで
「わかっているんですけどー、できないんです」
になるのは、本人の性格がブレーキをかけているのであって、
ストレスコントロール方法に問題があるわけではありません。



そもそも人は、病気に対して自己中心的に判断するように出来ています。
痛い病気、うつる病気となると予防しますが、生活習慣病(糖尿病)の
ように、うつらないし、すぐに死ぬわけでもないし、だと怠けてしまう。

ストレスも同じで、心療内科に駆け込むに至るまでストレスコントロール
をしないのです。痛いとか苦しいとかを感じてギリギリになってから、
なんとかならないかと思うのです。

心療内科にいらっしゃる方々が
「薬でなんとか治りませんか」
とよくおっしゃるのですが、先生はいつも同じ答えを返しています。
「悪くなるまで長いこと何もしなかったんですから、治るまでにも
長いことかかります」
と。

薬を飲んで症状が軽くなると、またワーカホリックに戻り、
以前よりもっと症状が重くなってリピーターとなっていく方も
珍しくありません。

生活習慣に密着しているものに、ドラッグ依存があります。
これを止めるのは、ご存じのように大変難しい。
ドラッグの恐ろしさをもっと強調すれば、予防効果があるかもしれないと、
アメリカで依存症の人たちの「強烈にぶっ飛んでる状態」をテレビ放映
したところ、意図したことと反対に、そんな状態を体験してみたいと
いう人を増やしてしまったという失敗例がありました。

禁煙運動はなぜ成功したか?

こうしたように、生活習慣に寝強く関係しているものは、頭で解っていても
反対の方へと動いてしまうものです。喫煙がそうでした。肺がんの恐ろしさ
をいくら強調しても、愛煙家を禁煙に結び付けることは、長年できません
でした。

社会からたばこを激減させる味方となったのは、間接喫煙という
新しい恐怖でした。吸っている人の傍にいたら、間接的に肺がんに
なるかもしれない。
言いかえれば、間接喫煙で肺がんになるかもしれない。
自己責任ではないのに、病気がうつるということです。

喫煙に対するこの恐怖は、強制的な禁煙環境を作り出していきました。
公共の場所から灰皿が消え、喫煙の締め出しが実施されます。
結果的に大成功したわけです。これは、いつまでも個人の自主性に
頼っていたら、予防行動には一向に効果が出ないことを証明するような
出来事でした。

ストレスの連鎖感染

ストレスは感染する。
そう言ったら、科学的ではないと叱られるでしょうか?
私はストレスは感染する、つまり、うつる病いだと思っています。
うつ病そのものはうつらなくても、生活習慣が感染する。
そのことによって、最終的にはうつ病に倒れることになるのです。



ワーカホリック集団の中にいれば、ワーカホリックになりますし、
ストレスを溜め込む集団で働けば、自然とストレスを溜め込む生活に
なります。こうした環境の中にいて、ギリギリまで何もしなければ
病気になります。

ストレスは、うつらないものとされてきたのが間違いであったことは、
心療内科の患者数が毎年増えていくのを見ていても解ります。
ストレスが感染するものであるという考え方を、社会に認知させて
いくことが必要でしょう。

間接喫煙と同じように、ストレスの連鎖感染です。
自分が吸っていれば他人に迷惑をかけるたばこと同じように、
自分がストレスをコントロールせずに溜めていれば、他人に迷惑を
かけることを自覚するべきでしょう。

ストレスコントロールをしなかったおかげで倒れてしまった人の
隣で働いていた人が、倒れた人の分の負担を抱え込み、次に倒れる
という連鎖感染も、もっと考慮するべきです。
自分の性格が自主的に予防しない性格だと思ったら、なおのこと
ストレスコントロールを身につけておくべきでしょう。
性格とは無関係にできる対処方法の技術を身についておいて、
やってみるべきでしょう。

ストレスを跳ね返せる性格はあるの?

「競争社会を生き抜くためのストレスコントロール」
という講演をすると、必ずといっていいほど出る質問が、
「どんなストレスも跳ね返せる性格になる方法を教えてください」
です。

これに対する答えは、「挫折を克服した経験を積むこと」です。
自分にとって辛かったことをどう乗り越えてきたかを個人が知って
いるかどうかです。ストレスコントロールに使う3つの力をどう使って
過去を乗り越えてきたか、その経験が多い人ほど、新しいストレスにも
対応できるのです。

「流れ族タイプ」と呼ばれ、すぐ仕事を辞めてしまうグループがいますが、
ほとんどの方が挫折を克服した経験を持っていないのが特徴です。
自分がどのくらいのストレスなら跳ね返せるかの経験がないので、
怖くて仕方がないのです。だから少し辛くなると
「やってく自信ないんで…」
と仕事を辞めてしまう。これでは、いつまでもストレスを跳ね返す性格を
作りだすことはできません。



ストレスは感染する病い
社会の環境づくりを

「ストレスコントロールを徹底しましょう」
と言うと、
「うつ病患者には会社を辞めてもらいたいので、ストレス
コントロールより、そうした人の早期発見方法を教えてください」
という答えが返ってきます。
この考え方があるかぎり、一向に社会は救われないのです。

間接喫煙と肺がんの関係を認知させたように、ストレスとストレス
連鎖感染の関係を社会に認知させて、強制的に禁煙環境を増やしたように、
ストレスコントロールもある程度強制的に社内教育としていかなくては
なりません。

最近は、うつ病で自殺をした人に労災が認められる事例が出るなど、
企業が従業員のメンタル面に配慮をしないと訴訟問題になるという
社会的な雰囲気が出来つつありますが、それでもなお、うつ病に対する
社会の偏見は根強いものがあります。
「仮病なのではないか」
「単なる怠け病なのではないか」
「医師の診断書は信じらない」
といった反応です。

ストレスから仕事を放棄せざるをえなかった人の分を補うために、
残された人が2倍以上のストレスを背負いながら仕事をしていくようでは、
ストレスの連鎖感染が続くばかり。いつまでたっても日本の労働者は
救われないことになってしまいます。
ストレスコントロール教育は、企業の職場環境づくりのひとつと考えて
もらいたい。

その前に、個人でできることとしては、もう一度、ストレスコントロール
に利用する3つの力を読み返してみていただきたいと思います。

1.自分が使える資源はすべて利用すること(社会資源の最大利用)
2.自分が持っている権利はあますことなく使うこと(社会支援の選択)
3.個人ネットワークを頼ること(個人ネットワークの活用)

ストレスで倒れてしまわないために、その後に次のストレス犠牲者を
作らないために、3つの力を用意して準備を怠らないようにしてください。



執筆者について



石井 苗子
(東京大学客員研究員・女優・精神カウンセラー)

上智大学卒業後、同時通訳、「CBSドキュメント」初代女性キャスター
等を経て、女優として映画、テレビドラマに多数出演。
97年聖路加看護大学に学士入学、看護師・保健師の資格取得後、
東京大学大学院に進学。
2007年、医学系研究科健康科学 生物統計学疫学・予防保健学分野で
博士課程を修了後、東京大学医学部客員研究員に就任。

この連載について
都内の心療内科でカウンセラー修業を積んだ石井苗子が、
そこで見聞きしたことや自身の経験を踏まえながら
ストレスコントロールの方法を易しく説く。

2008年03月19日 週刊ダイヤモンド編集部
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