いのちの電話ピンチ 相談員足りず、終日対応半数に(朝日新聞)
[2008年12月30日(Tue)]
2008(平成20)年12月30日(火)
朝日新聞
asahi.com>ニュース>社会>その他・話題
いのちの電話ピンチ 相談員足りず、終日対応半数に
http://www.asahi.com/national/update/1228/OSK200812270073_01.html

3平方メートルのブース内で、様々な悩みの電話に
耳を傾ける相談員=徳島市内
自殺予防のため、様々な悩みや不安に耳を傾ける
「いのちの電話」の相談員が、全国の49センターすべてで
不足し、原則とする「365日24時間」の活動ができている
のは半数以下にとどまることが、朝日新聞社のアンケートで
わかった。雇用悪化など個々の生活が厳しさを増す中、
水際で命を救う活動が窮地に陥っている。
アンケートは11月、全国49センターに郵送して実施した。
深刻な相談は深夜に多いため、相談は24時間無休が原則だが、
実施できているのは23カ所だけだった。
相談員は全員が無償のボランティアで、慢性的な担い手不足が
背景にある。実施できていないセンターに24時間対応に
必要な相談員数を問うと、全国であと2600人程度が必要、
との結果が出た。1カ所当たりの不足数は30〜200人。
「日中の相談の維持も困難」との声も各地で上がった。
このため、相談員がかかってきた電話を取れないセンターが続出。
徳島では、自殺者の携帯電話にセンターへの発信履歴が残って
いたが、つながらなかったとみられる例もあった。
24時間態勢が確保できている都市部でも、相談員が軒並み減少。
8〜10年前に比べると、概数で東京が30人、名古屋が50人、
大阪が60人、福岡が20人減らした。
財政面も深刻だ。事務所の維持管理などにかかる経費は、規模に
よって年約5千万〜300万円。いずれも大半を個人や企業、
団体からの寄付で賄うが、景気悪化で減少傾向にある。
行政からの補助金増額を求める声も多いが、07年度は3分の1
のセンターが補助金ゼロ。16のセンターが赤字で、
「さらに厳しくなる」との懸念も多い。
日本いのちの電話連盟(東京)によると、全国の相談件数は
02年に70万件を突破して以降、ほぼ横ばい。ただ、自殺志向の
ある深刻な相談の割合は97年の2.7%から、07年は7.3%
と大幅に増えた。深刻な雇用不安を受け、さらに増加する恐れがある。
●
その一方で、相談員の減少に歯止めがかからない。
01年の7933人から減り続け、08年は7045人に。
7年間で1割以上減った。
国内での自殺者が10年連続で3万人を超す中、政府は07年に
自殺総合対策大綱で、実態調査などとともに、民間団体との
連携強化を重点項目の1つに据えている。「自殺予防」などの著書
がある精神科医の高橋祥友・防衛医科大学校教授は
「言葉に出して打ち明けることで、悩みと自分との間に距離が
でき、冷静さを取り戻すことができる。いのちの電話の果たす役割
は大きく、活動が縮小すれば自殺予防活動の1つの柱が揺らぐ」
と警鐘を鳴らす。
(高島靖賢)
〈 いのちの電話 〉
1953年、自殺予防を目的にイギリスで始まり、日本では71年、
東京で最初に開設された。富山、石川、福井、滋賀(加盟準備中)、
山口、宮崎を除く41都道府県の計49センターが連盟に加盟して
活動している。運営主体は約8割が社会福祉法人で、NPOや
任意団体が運営している地域もある。
2008年12月30日15時21分
朝日新聞
asahi.com>ニュース>社会>その他・話題
いのちの電話ピンチ 相談員足りず、終日対応半数に
http://www.asahi.com/national/update/1228/OSK200812270073_01.html

3平方メートルのブース内で、様々な悩みの電話に
耳を傾ける相談員=徳島市内
自殺予防のため、様々な悩みや不安に耳を傾ける
「いのちの電話」の相談員が、全国の49センターすべてで
不足し、原則とする「365日24時間」の活動ができている
のは半数以下にとどまることが、朝日新聞社のアンケートで
わかった。雇用悪化など個々の生活が厳しさを増す中、
水際で命を救う活動が窮地に陥っている。
アンケートは11月、全国49センターに郵送して実施した。
深刻な相談は深夜に多いため、相談は24時間無休が原則だが、
実施できているのは23カ所だけだった。
相談員は全員が無償のボランティアで、慢性的な担い手不足が
背景にある。実施できていないセンターに24時間対応に
必要な相談員数を問うと、全国であと2600人程度が必要、
との結果が出た。1カ所当たりの不足数は30〜200人。
「日中の相談の維持も困難」との声も各地で上がった。
このため、相談員がかかってきた電話を取れないセンターが続出。
徳島では、自殺者の携帯電話にセンターへの発信履歴が残って
いたが、つながらなかったとみられる例もあった。
24時間態勢が確保できている都市部でも、相談員が軒並み減少。
8〜10年前に比べると、概数で東京が30人、名古屋が50人、
大阪が60人、福岡が20人減らした。
財政面も深刻だ。事務所の維持管理などにかかる経費は、規模に
よって年約5千万〜300万円。いずれも大半を個人や企業、
団体からの寄付で賄うが、景気悪化で減少傾向にある。
行政からの補助金増額を求める声も多いが、07年度は3分の1
のセンターが補助金ゼロ。16のセンターが赤字で、
「さらに厳しくなる」との懸念も多い。
日本いのちの電話連盟(東京)によると、全国の相談件数は
02年に70万件を突破して以降、ほぼ横ばい。ただ、自殺志向の
ある深刻な相談の割合は97年の2.7%から、07年は7.3%
と大幅に増えた。深刻な雇用不安を受け、さらに増加する恐れがある。
●
その一方で、相談員の減少に歯止めがかからない。
01年の7933人から減り続け、08年は7045人に。
7年間で1割以上減った。
国内での自殺者が10年連続で3万人を超す中、政府は07年に
自殺総合対策大綱で、実態調査などとともに、民間団体との
連携強化を重点項目の1つに据えている。「自殺予防」などの著書
がある精神科医の高橋祥友・防衛医科大学校教授は
「言葉に出して打ち明けることで、悩みと自分との間に距離が
でき、冷静さを取り戻すことができる。いのちの電話の果たす役割
は大きく、活動が縮小すれば自殺予防活動の1つの柱が揺らぐ」
と警鐘を鳴らす。
(高島靖賢)
〈 いのちの電話 〉
1953年、自殺予防を目的にイギリスで始まり、日本では71年、
東京で最初に開設された。富山、石川、福井、滋賀(加盟準備中)、
山口、宮崎を除く41都道府県の計49センターが連盟に加盟して
活動している。運営主体は約8割が社会福祉法人で、NPOや
任意団体が運営している地域もある。
2008年12月30日15時21分



