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NPO法人宮崎自殺防止センターを応援したい

NPO法人国際ビフレンダーズ 宮崎自殺防止
センターでボランティア活動を始めました。
いろいろと勉強中です。

なお、このブログは、自死等の相談に応じるものではありません。


NPO法人宮崎自殺防止センター
■ TEL 0985(77)9090
■ 毎週 日・水・金曜日
   午後8時から午後11時まで(3時間)


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がんを生きる:寄り添いびと/3 すべてをありのままに(毎日新聞) [2008年12月18日(Thu)]
2008(平成20)年12月18日(木)
毎日新聞 東京朝刊
トップ>ライフスタイル>健康>福祉・介護

がんを生きる:寄り添いびと/3
すべてをありのままに
http://mainichi.jp/life/health/fukushi/news/20081218ddm041040135000c.html

◇ 思いの丈を話してもいい、
  黙って人の話を聞くだけでもいい

テーブルに置いた赤いポインセチアが、
クリスマスシーズンの到来を告げている。

16日の昼下がり。東京自殺防止センターが
間借りする新宿の教会の会議室で、
10人の男女が花を囲むように座っていた。

毎週火曜日にオープンする「コーヒーハウス」。
生きることがつらくなった人々の集う場所にと、
センターの創設者である西原明さん(79)と
妻の由記子さん(74)が10年前に始めた。

会費は200円。飲み物や菓子を楽しみながら、
時には世間話をし、時には死や孤独について
語り合う。思いの丈を話してもいい、
黙って人の話を聞くだけでもいい。
来る者は迎え、去る者は追わない。

大腸の末期がんと向き合う明さんの前には、
いつものように今里久雄さん(76)の
姿があった。
前立腺がんを抱え、
「明さんのがん仲間」
を自称する。

89年春。今里さんの妻は9階の自宅マンションから
身を投げた。乳がんの転移を告知され、絶望の底にいた。

妻の死は今里さんの心も押しつぶした。
自律神経を失調し、拒食症も重なって、入退院を
繰り返した。妻の後を追おうと思うこともあったが、
その度に我が子の顔が浮かんだ。
生きようともがき、7年前にセンターのドアを押した。

その時迎えてくれたのが西原夫妻だった。
気がつけば、封印してきた記憶を涙と一緒に
止めどなく吐き出していた。

相談員の研修を受けて電話の当番に入り、
他人の悲しみに触れた。
すべてをありのままに受け止める人になりたい
と思った。
立ち直りかけたころに、自分の前立腺がんが
見つかった。

この日は今年最後のコーヒーハウスだった。
メンバーの青年が
「絶対に長生きしてくださいね」
と言って明さんに包みを渡した。
中には一枚のCDが入っていた。

秋のコーヒーハウスで、明さんが冗談交じりに
言ったことがある。
「探しているレコードがあってね。
賛美歌をジャズにした曲。
葬式で流したいと思っているんだよ」

青年は曲名をメモし、翌日からレコードを
探し回った。
1960年代に録音されたレコードはすでに
廃盤になっていたが、都内や神奈川の店を
はしごした末に、復刻版のCDを見つけた。

彼もまた、一時は自殺を考えてコーヒーハウスに
たどり着き、長いトンネルを抜けようとしていた。
「明さんにお礼がしたかった」
と手渡す時、少し照れた様子で、明さんは
「ありがとう」
を繰り返した。

その光景を見ていた今里さんは、青年に拍手を
送りながらかみしめた。

「大切なことは、互いに寄り添うこと。
僕はここでみんなに教わりました」。
がんともうまくやっていくつもりだ。

バッハのカンタータ賛美歌174番。
ジャズピアニストが軽やかに奏でる曲の名は
「起きよ、夜は明けぬ」
だ。

【萩尾信也】=つづく

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ファクス(03・3212・0635)、
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毎日新聞 2008年12月18日 東京朝刊
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