増える自殺ほう助 2009年は約300件に(swissinfo.jp)
[2012年03月29日(Thu)]
2012(平成24)年03月29日(木)
swissinfo.jp
トップ>社会
増える自殺ほう助 2009年は約300件に
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=32381622&rss=true
2009年、スイスでは300人近くが
自殺ほう助を依頼した。
過去12年間、自殺ほう助の件数は増加する一方だ。
依頼者のほとんどは55歳以上。
半数近くががんを患っていた。
これらは連邦統計局(BFS/OFS)が
3月27日(火)に初めて発表した、
1998年から2009年までの
自殺ほう助に関する統計の結果だ。
自殺ほう助団体ディグニタスが使用していた部屋。
現世の苦しみから逃れる前の最後の時間を過ごす。
○
自殺ほう助の件数は
1998年には50件以下だったのが、
2007年と2008年には約250件に、また
2009年には300件近くまで増加。
2009年は、死亡数1,000件につき
4.8件が自殺ほう助による死亡だった。
初期に自殺ほう助を依頼したのは
男性より女性の方がいくらか多く、
2001年以降その傾向が顕著化した。
スイスでは、判断力があれば年齢に関係なく
自殺ほう助を受けることができるが、
これまででは55歳以上が9割を占めている。
35歳以下はわずか1%に過ぎない。
○
自殺ほう助を受けられるのは
もはや生き続ける意味がないと見受けられる人で、
重病を患っている場合が主だ。
統計によると、依頼者の44%が生前がんを患っていた。
パーキンソン病や認知症などの神経変性疾患を
理由に挙げた人も14%に上る。
うつ病は3%だった。
■州による違い
1998年から2009年までの平均では、
死亡件数1,000件当たり3件が自殺ほう助によるものだ。
州別に見て最も多かったのは
チューリヒ州で5.6件、次に
ジュネーブ州の4.4件
が続く。
アッペンツェル・アウサーローデン準州、ヴォー州、
バーゼル・シュタット準州およびシャフハウゼン州も
平均を上回った。
自殺ほう助の件数が増加する一方で、
自殺そのものの数は減少傾向にある。
1980年代半ばには年間1,600人以上の自殺者が出たが、
2009年には1,105人に減少した。
2009年は自殺4件につき1件が
自殺ほう助によるものだった。
○
スイスにはエグジット(Exit)やディグニタス(Dignitas)などの
自殺ほう助団体があり、利己的な理由によらない限り、
自殺のほう助を行っている。
両団体の報告によると、2010年には合わせて
354件の自殺ほう助を行った。
エグジットの副社長ベルンハルト・ズッター氏は、
スイス国営テレビ・ドイツ語放送SF1のニュース番組の中で
次のように増加の理由を語った。
「スイスの人口は増加し、寿命も延びる一方。
そんな中で重病を患う人も多い。
また、エグジットの知名度も上がり、
数年前に比べると社会の許容度も上がった。
そのため会員数が増え、それと同時に
会員が病気になる確率も上がったということだろう。」
■国際比較は困難
自殺ほう助の国際比較の材料は少ない。
ベルギーで報告されている自殺ほう助
(延命措置の中止を含む)件数は、
2002年に法的基盤を整えて以来増加を続け、
2009年には死亡件数1,000につき
7.9件となっている。
オランダでも延命措置の中止を含む
自殺ほう助の報告が義務付けられているが、
2010年の自殺ほう助は1000件につき
2.3件にとどまっている。
≪自殺ほう助依頼の理由≫
が ん (44%)
神経変性疾患(29%)
慢性的な痛み(23.7%)
うつ病 ( 3%)
認知症 ( 0.3%)
【関連記事】
州投票、幼稚園での方言使用、自殺ほう助容認の維持などを可決
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=30241036
自殺希望者に経費自己負担
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=8701562
swissinfo.ch 2012年03月29日(木)11時00分
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増える自殺ほう助 2009年は約300件に
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=32381622&rss=true
2009年、スイスでは300人近くが
自殺ほう助を依頼した。
過去12年間、自殺ほう助の件数は増加する一方だ。
依頼者のほとんどは55歳以上。
半数近くががんを患っていた。
これらは連邦統計局(BFS/OFS)が
3月27日(火)に初めて発表した、
1998年から2009年までの
自殺ほう助に関する統計の結果だ。
自殺ほう助団体ディグニタスが使用していた部屋。
現世の苦しみから逃れる前の最後の時間を過ごす。
○
自殺ほう助の件数は
1998年には50件以下だったのが、
2007年と2008年には約250件に、また
2009年には300件近くまで増加。
2009年は、死亡数1,000件につき
4.8件が自殺ほう助による死亡だった。
初期に自殺ほう助を依頼したのは
男性より女性の方がいくらか多く、
2001年以降その傾向が顕著化した。
スイスでは、判断力があれば年齢に関係なく
自殺ほう助を受けることができるが、
これまででは55歳以上が9割を占めている。
35歳以下はわずか1%に過ぎない。
○
自殺ほう助を受けられるのは
もはや生き続ける意味がないと見受けられる人で、
重病を患っている場合が主だ。
統計によると、依頼者の44%が生前がんを患っていた。
パーキンソン病や認知症などの神経変性疾患を
理由に挙げた人も14%に上る。
うつ病は3%だった。
■州による違い
1998年から2009年までの平均では、
死亡件数1,000件当たり3件が自殺ほう助によるものだ。
州別に見て最も多かったのは
チューリヒ州で5.6件、次に
ジュネーブ州の4.4件
が続く。
アッペンツェル・アウサーローデン準州、ヴォー州、
バーゼル・シュタット準州およびシャフハウゼン州も
平均を上回った。
自殺ほう助の件数が増加する一方で、
自殺そのものの数は減少傾向にある。
1980年代半ばには年間1,600人以上の自殺者が出たが、
2009年には1,105人に減少した。
2009年は自殺4件につき1件が
自殺ほう助によるものだった。
○
スイスにはエグジット(Exit)やディグニタス(Dignitas)などの
自殺ほう助団体があり、利己的な理由によらない限り、
自殺のほう助を行っている。
両団体の報告によると、2010年には合わせて
354件の自殺ほう助を行った。
エグジットの副社長ベルンハルト・ズッター氏は、
スイス国営テレビ・ドイツ語放送SF1のニュース番組の中で
次のように増加の理由を語った。
「スイスの人口は増加し、寿命も延びる一方。
そんな中で重病を患う人も多い。
また、エグジットの知名度も上がり、
数年前に比べると社会の許容度も上がった。
そのため会員数が増え、それと同時に
会員が病気になる確率も上がったということだろう。」
■国際比較は困難
自殺ほう助の国際比較の材料は少ない。
ベルギーで報告されている自殺ほう助
(延命措置の中止を含む)件数は、
2002年に法的基盤を整えて以来増加を続け、
2009年には死亡件数1,000につき
7.9件となっている。
オランダでも延命措置の中止を含む
自殺ほう助の報告が義務付けられているが、
2010年の自殺ほう助は1000件につき
2.3件にとどまっている。
≪自殺ほう助依頼の理由≫
が ん (44%)
神経変性疾患(29%)
慢性的な痛み(23.7%)
うつ病 ( 3%)
認知症 ( 0.3%)
【関連記事】
州投票、幼稚園での方言使用、自殺ほう助容認の維持などを可決
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=30241036
自殺希望者に経費自己負担
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=8701562
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