自殺防止へ県窓口連携(朝日新聞/岐阜)
[2012年03月05日(Mon)]
2012(平成24)年03月05日(月)
朝日新聞
asahi.com>マイタウン>岐阜
自殺防止へ県窓口連携
http://mytown.asahi.com/gifu/news.php?k_id=22000001203050002
県庁の窓口で自殺を防げ!
岐阜県は「岐阜方式」と呼ばれる
自殺防止策に力を入れている。
自殺の原因になりやすい借金や健康問題に悩む人たちが
訪れた際、各部局で情報を共有して解決策を探ろう
という取り組みだ。
■岐阜県内の自殺の実態(山下さんまとめ)
・男性の自殺者は女性の2倍
・死者の47人に1人が自殺
・男性は夏と年末、年度替わりに自殺者が増える
・男女とも単身者の自殺が多い
・年代別の平均自殺率(10万人あたり)では
70歳以上が全国平均を上回る
・飛騨地方の自殺率がほかの地域より高い。
◆解決探る「岐阜方式」
こうした取り組みは
岐阜県総合政策課の山下靖代主査(40)らを中心に、
約5年前から始まった。
税金や県営住宅、生活保護、中小企業などの
約10部署の担当者が、税金や家賃滞納といった
自殺の前兆を察知。
弁護士や心の相談窓口を紹介するといった具合だ。
山下さんは、かつて多重債務相談者の窓
口を担当していた時に、出先の県税事務所で税金を
滞納していた相談者が毎月20万円の借金に苦しんでいる
という情報を得た。
事前に対応を考え、相談者が山下さんの窓口を訪れた時に、
すぐに弁護士を紹介した。
「早めの対応が自殺防止につながれば。」
という。
相談者の同意を得て、情報を共有するようにしている。
○
厚生労働省によると、岐阜県内での自殺者は、
2010年、11年ともに400人を超えている。
交通事故で死亡した数の2倍以上だという。
山下さんによると、自殺者の7割は無職で、
健康問題や経済問題が原因とみられるケースが多いという。
「毎日1人以上が亡くなる現状を知って欲しい。」
と山下さん。
2月には、庁内の政策などを提言する会合で、
60人の職員を前に、自殺の現状と、
これまでの取り組みなどについて講演した。
この「岐阜方式」は、金融庁のマニュアルでも紹介され、
今では全国標準になっているという。
○
岐阜県ではほかにも、自殺を水際で防ぐ
ゲートキーパー養成も進めている。
今年度からは、看護師や保健師向けに加え、
一般からも講習会への参加を呼びかけた。
これまでに5回実施し、多くが参加した。
国の自殺防止のためにいったん打ち出した
標語「GKB(ゲート・キーパー・ベーシック)47」
には異論が相次いだ。
山下さんは
「キャッチフレーズだけでなく、
国の自殺者が3万人を超える実態を見て欲しい。
誰にでもきることがあると、知って。」
と話している。
(増田勇介)
朝日新聞 2012年03月05日(月)
朝日新聞
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自殺防止へ県窓口連携
http://mytown.asahi.com/gifu/news.php?k_id=22000001203050002
県庁の窓口で自殺を防げ!
岐阜県は「岐阜方式」と呼ばれる
自殺防止策に力を入れている。
自殺の原因になりやすい借金や健康問題に悩む人たちが
訪れた際、各部局で情報を共有して解決策を探ろう
という取り組みだ。
■岐阜県内の自殺の実態(山下さんまとめ)
・男性の自殺者は女性の2倍
・死者の47人に1人が自殺
・男性は夏と年末、年度替わりに自殺者が増える
・男女とも単身者の自殺が多い
・年代別の平均自殺率(10万人あたり)では
70歳以上が全国平均を上回る
・飛騨地方の自殺率がほかの地域より高い。
◆解決探る「岐阜方式」
こうした取り組みは
岐阜県総合政策課の山下靖代主査(40)らを中心に、
約5年前から始まった。
税金や県営住宅、生活保護、中小企業などの
約10部署の担当者が、税金や家賃滞納といった
自殺の前兆を察知。
弁護士や心の相談窓口を紹介するといった具合だ。
山下さんは、かつて多重債務相談者の窓
口を担当していた時に、出先の県税事務所で税金を
滞納していた相談者が毎月20万円の借金に苦しんでいる
という情報を得た。
事前に対応を考え、相談者が山下さんの窓口を訪れた時に、
すぐに弁護士を紹介した。
「早めの対応が自殺防止につながれば。」
という。
相談者の同意を得て、情報を共有するようにしている。
○
厚生労働省によると、岐阜県内での自殺者は、
2010年、11年ともに400人を超えている。
交通事故で死亡した数の2倍以上だという。
山下さんによると、自殺者の7割は無職で、
健康問題や経済問題が原因とみられるケースが多いという。
「毎日1人以上が亡くなる現状を知って欲しい。」
と山下さん。
2月には、庁内の政策などを提言する会合で、
60人の職員を前に、自殺の現状と、
これまでの取り組みなどについて講演した。
この「岐阜方式」は、金融庁のマニュアルでも紹介され、
今では全国標準になっているという。
○
岐阜県ではほかにも、自殺を水際で防ぐ
ゲートキーパー養成も進めている。
今年度からは、看護師や保健師向けに加え、
一般からも講習会への参加を呼びかけた。
これまでに5回実施し、多くが参加した。
国の自殺防止のためにいったん打ち出した
標語「GKB(ゲート・キーパー・ベーシック)47」
には異論が相次いだ。
山下さんは
「キャッチフレーズだけでなく、
国の自殺者が3万人を超える実態を見て欲しい。
誰にでもきることがあると、知って。」
と話している。
(増田勇介)
朝日新聞 2012年03月05日(月)