シネマの週末・この1本:ブタがいた教室(毎日新聞)
[2008年10月31日(Fri)]
「いのちをだいじにしよう」
とはよく言われる総論だが、
「どうだいじにするべきか」で、さまざまな各論がある。
『ブタがいた教室』は、確か、書店でも平積みに
なっていたような気がする。
たいへん興味深く、機会を見つけて読んでみたい。
●
いまの日本人はさまざまな(もしかして過剰なまでの)
便利なサービスに囲まれて暮らしている。
これらのサービスが届くのは、たくさんの支え手(人間)が
いてくださっているおかげであり、見方を変えれば、
すべての人は、ブタに限らず、他の人の命をも食べて
(自分もまた誰かから食べれられて)生きていると
言えるのかも知れない。
そうすると、世の中のさまざまなことが、おろそかに
考えられなくなるということに、ようやく気付かされた。
以下、引用
*******
2008年10月31日(金)
毎日新聞 東京夕刊
トップ>エンターテインメント>映画
シネマの週末・この1本:ブタがいた教室
http://mainichi.jp/enta/cinema/news/20081031dde012070012000c.html
◇ 他の命を食べて生きる現実
損得抜きで真剣に語られる言葉には、心を揺さぶられるものだ。
それが子供から発せられた言葉なら、なおさらだろう。
「ブタがいた教室」
は、前田哲監督が16年前の実話を映画化した作品。
自分たちが育てたブタの行く末をめぐって、小学6年生が議論を
交わすのだが、その真剣さにひたすら圧倒される。
6年2組の星先生(妻夫木聡)は、教室に子ブタを連れてきて、
「このブタを1年間育てたあと、みんなで食べよう」
と提案する。命の大切さを教える実践授業だ。
興味半分に賛成した子供たちは、ブタに「Pちゃん」と名付け、
校庭に手作りの小屋を置いて飼い始めた。
個々の子供たちの成長や、親や他の教師からの反発といった
ありがちなワキ筋には、軽く触れるだけで踏み込まない。
Pちゃんに対する子供たちの態度と気持ちに焦点を絞り込む。
時が過ぎるうちに、それぞれの思いは熟成し、
クライマックスの激論場面を迎えるのである。
卒業式が近づくと、Pちゃんの処遇が差し迫った議題となる。
情が移った子供たちは、食べるとは言えなくなる。
といって、飼い続けることも難しい。
食肉センターに送るか、後継の名乗りを上げたものの
力不足の3年生に委ねるかで、意見は真っ二つに分かれてしまう。
星先生は子供たち自身に結論を出させようと、
徹底的に討論させることにした。
「Pちゃんを食べるのはかわいそう」
「3年生に引き継ぐのは逃げてるだけ」
「命の長さは誰が決めるのか」……。
前田監督の入念な演出で、子供たちは脚本のセリフではなく、
自分で思考した言葉を必死で繰り出し、議論する。
そして、自分たちは他の命を犠牲にしながら生きているという
事実に直面する。
映画が出した結論に対しては、賛否があろう。
だが、子供たちが全身で訴える言葉は重く、観客も命について
考えずにはいられなくなるのだ。1時間49分。新宿武蔵野館ほか。
(勝)
◆ もう一言
子供たちの白熱したディベートシーンは内容も含めて圧巻だが、
父母や学校の描き方は通り一遍。脚本も演出も、題材に力負けしている。
劇映画としては平凡、安易であり、工夫も感じられなかった。
(鈴)
==============
<今週の執筆者>
勝田友巳(勝)▽高橋諭治(諭)▽細谷美香(細)▽鈴木隆(鈴)▽若狭毅(狭)
毎日新聞 2008年10月31日 東京夕刊
*******
以上、引用終わり
とはよく言われる総論だが、
「どうだいじにするべきか」で、さまざまな各論がある。
『ブタがいた教室』は、確か、書店でも平積みに
なっていたような気がする。
たいへん興味深く、機会を見つけて読んでみたい。
●
いまの日本人はさまざまな(もしかして過剰なまでの)
便利なサービスに囲まれて暮らしている。
これらのサービスが届くのは、たくさんの支え手(人間)が
いてくださっているおかげであり、見方を変えれば、
すべての人は、ブタに限らず、他の人の命をも食べて
(自分もまた誰かから食べれられて)生きていると
言えるのかも知れない。
そうすると、世の中のさまざまなことが、おろそかに
考えられなくなるということに、ようやく気付かされた。
以下、引用
*******
2008年10月31日(金)
毎日新聞 東京夕刊
トップ>エンターテインメント>映画
シネマの週末・この1本:ブタがいた教室
http://mainichi.jp/enta/cinema/news/20081031dde012070012000c.html
◇ 他の命を食べて生きる現実
損得抜きで真剣に語られる言葉には、心を揺さぶられるものだ。
それが子供から発せられた言葉なら、なおさらだろう。
「ブタがいた教室」
は、前田哲監督が16年前の実話を映画化した作品。
自分たちが育てたブタの行く末をめぐって、小学6年生が議論を
交わすのだが、その真剣さにひたすら圧倒される。
6年2組の星先生(妻夫木聡)は、教室に子ブタを連れてきて、
「このブタを1年間育てたあと、みんなで食べよう」
と提案する。命の大切さを教える実践授業だ。
興味半分に賛成した子供たちは、ブタに「Pちゃん」と名付け、
校庭に手作りの小屋を置いて飼い始めた。
個々の子供たちの成長や、親や他の教師からの反発といった
ありがちなワキ筋には、軽く触れるだけで踏み込まない。
Pちゃんに対する子供たちの態度と気持ちに焦点を絞り込む。
時が過ぎるうちに、それぞれの思いは熟成し、
クライマックスの激論場面を迎えるのである。
卒業式が近づくと、Pちゃんの処遇が差し迫った議題となる。
情が移った子供たちは、食べるとは言えなくなる。
といって、飼い続けることも難しい。
食肉センターに送るか、後継の名乗りを上げたものの
力不足の3年生に委ねるかで、意見は真っ二つに分かれてしまう。
星先生は子供たち自身に結論を出させようと、
徹底的に討論させることにした。
「Pちゃんを食べるのはかわいそう」
「3年生に引き継ぐのは逃げてるだけ」
「命の長さは誰が決めるのか」……。
前田監督の入念な演出で、子供たちは脚本のセリフではなく、
自分で思考した言葉を必死で繰り出し、議論する。
そして、自分たちは他の命を犠牲にしながら生きているという
事実に直面する。
映画が出した結論に対しては、賛否があろう。
だが、子供たちが全身で訴える言葉は重く、観客も命について
考えずにはいられなくなるのだ。1時間49分。新宿武蔵野館ほか。
(勝)
◆ もう一言
子供たちの白熱したディベートシーンは内容も含めて圧巻だが、
父母や学校の描き方は通り一遍。脚本も演出も、題材に力負けしている。
劇映画としては平凡、安易であり、工夫も感じられなかった。
(鈴)
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<今週の執筆者>
勝田友巳(勝)▽高橋諭治(諭)▽細谷美香(細)▽鈴木隆(鈴)▽若狭毅(狭)
毎日新聞 2008年10月31日 東京夕刊
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以上、引用終わり



