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香山リカのココロの万華鏡:不況だからこそ/東京 等(毎日新聞) [2010年09月28日(Tue)]
2010(平成22)年09月28日(火)
毎日新聞 地方版
トップ>地域ニュース>東京

香山リカのココロの万華鏡:不況だからこそ/東京
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20100928ddlk13070294000c.html

「不況だからこそ精神保健サービスの強化を!」

こういうメッセージを見たら、驚きを感じるだろうか。

これは、10月3日(日)に東京で行われる
「こころの健康国民フォーラム」のテーマのひとつだ。

このフォーラムを行うのは、当事者、家族、専門家が協力して
こころの健康を守る基本法の制定を目指す構想会議。



以前、このコラムで、うつ病や自殺によって
年間2兆円もの経済損失が起きている、
という話題を取り上げた。

日本に先駆けてこの試算を行い、
精神疾患による膨大な社会経済的損失を明らかにしたのは
イギリスの医療経済学者たちだ。

彼らは、精神保健改革のための積極的な初期投資により、
結果的には社会的コストも節減できるのだ、
という推測も行った。

それに基づいてイギリスでは実際に精神保健関連の制度や施策
が新たに作られ、一定の効果が得られている。

このイギリスの経験を踏まえて、日本の構想会議の人たちも、
「不況である今だからこそ、
 精神保健医療の政策的優先度を高める必要がある」

と主張しているのだ。

不況の今だからこそ、自殺対策、こころの健康対策を。
ここを何とかしない限り、日本の社会は再生しない。
これが、この問題にかかわる人たちに共通する意見だ。

そして、それをわかってもらうために、
経済損失や対策後の効果を数字できちんと提示しよう
という試みが始まっているわけだ。



診察室にいても、過労によるうつ病などで働けなくなっている
人、不登校で社会のレールからいったんはずれたまま
就労の機会も与えられずにいる人などを見ながら、いつも思う。

「こんなに能力や個性がある人たちが働けていないのは、
 本当に大きな損失だ。
 早期介入あるいは社会復帰のシステムさえあれば、
 この人たちはどんなに社会貢献できただろうか」

あまり品のよい言葉ではないが、日本には
「損して得取れ」
ということわざもある。

こころの健康対策、自殺対策もこの考えでいこう、
というのはあまりに不謹慎に聞こえるだろうか。

今度の国民フォーラムには、イギリスで試算や提言を行った
医療経済学者も来日して、講演を行うそうだ。
私もぜひ出かけて聞きたいと思っている。

毎日新聞 地方版 2010年09月28日(火)

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

2010(平成22)年09月14日(火)
毎日新聞 地方版
トップ>地域ニュース>東京

精神疾患:対策を早く
英国人研究者、英国の取り組み紹介へ/東京
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20100914ddlk13040336000c.html

◇損失推計、対策を提言した英国人研究者

先進的な精神保健医療改革で自殺対策に効果をあげた
英国で、精神疾患で約14兆円の社会的経済的損失が出ると
推計し、対策を提言した英国人研究者が
10月3日、ベルサール九段(千代田区)である
「こころの健康国民フォーラム」で英国の取り組みを紹介する。

主催団体の担当者は

「日本でも精神疾患は5人に1人がかかる国民病。
 特に若者の健康被害は精神疾患で最も多く起きており、
 英国のように早く対策をとらないと
 社会保障など社会基盤を揺るがしかねない」

と話す。 【堀 智行】



フォーラムは精神科医療の質の向上を目指す患者や医師らで
つくる民間団体「こころの健康政策構想実現会議」が主催。

王立ロンドン大精神医学研究所のポール・マクローン博士が
講演する。

英国は98年、精神疾患による社会的経済的損失を
約4.6兆円と推計。

損失額を基に、優先的に取り組む政策をまとめ、
心理療法や在宅医療の普及などで
97〜07年までの10年間で
自殺率(10万人当たりの自殺者数)を15%減少させた。

マクローン博士はこの成果を踏まえ、
今後の精神科医療のあり方を示そうと
08年、将来の精神疾患による社会的経済的損失を算出。

少子高齢化にともない認知症患者が増加することを踏まえ、
2026年時点で約14兆円のコストがかかると推計。

精神科医だけではなく看護師や心理療法士など
他職種の専門家らがチームを作り、地域に出て患者を診療する
アトリーチなどの取り組みを強化できれば、
コスト削減ができるなどの対策をまとめ、政府に提言した。

日本でも今月、厚生労働省が初めてうつ病と自殺による
経済的損失額が約2.7兆円に上るとの推計を出している。

実現会議の西田淳志事務局長は

「損失額を試算することで
 問題の大きさや優先的に進める政策を
 把握することができる。

 今後急激な少子高齢化が予想されており、
 今から対策をとらなければ手遅れになる」

と話す。

フォーラムは午後2〜5時。
参加費は一般2,000円、患者・学生は1,000円。

定員は400人。
事前申し込みの場合は、申込書(氏名・連絡先を記入)を
事務局(03・3326・7288)までファクスする。

〔都内版〕

毎日新聞 地方版 2010年09月14日(火)
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