イタコ「口寄せ」癒やしに効果…国助成で研究(読売新聞)
[2010年08月14日(Sat)]
2010(平成22)年08月14日(土)
読売新聞
ホーム>社会
イタコ「口寄せ」癒やしに効果…国助成で研究
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100814-OYT1T00396.htm
故人の霊を呼び寄せて言葉を伝えるイタコの「口寄せ」に、
自殺者の遺族(自死遺族)が癒やされるケースが多いことに
注目し、その理由を探る文部科学省の補助金助成研究が、
今月末からスタートする。
自殺者が12年連続で3万人を超える中、
新たな遺族支援のあり方を提案したい考えだ。
●
研究は、青森県立保健大健康科学部の藤井博英教授らが実施。
調査は3年間で、今年度は、県内のイタコを訪れる
自死遺族5人に協力を求め、
口寄せを受ける理由や
受けた直後の気持ちの変化、
話の内容や口調などイタコのどこに癒やされたか
――などを聞く。
●
藤井教授によると、口寄せを受ける自死遺族には、
他の遺族とは異なる苦しみがある。
自ら命を絶った理由を故人本人から聞けず、
自殺を防げなかった自分を責め続けてしまう。
こうした苦しみは、話を聴いてくれるだけの
通常のカウンセリングでは解決できないことも多い。
このような遺族に、イタコが呼び寄せた「故人」は
決して恨み言を言わず、
「世話になって本当に感謝している」
などとお礼の気持ちを伝える。
さらに
「私のために毎朝線香を1本あげてください」
など、簡単にできるお願いをする。
すると、
「遺族の自責の念が和らぎ、故人と再び対等に向き合える
ようになり、立ち直るきっかけになる」(藤井教授)
という。
●
来年度以降は調査対象者を増やし、
病死遺族への効果とも比較する。
最終的には、イタコの話す内容や口調、
場の雰囲気などの中から、カウンセリングや遺族同士のケアに
生かせる部分を提案する。
藤井教授は
「自死遺族の支援は不十分で、後追い自殺をする遺族もいる。
非科学的とされる民間信仰を科学的に検証し、
遺族支援に役立てたい」
と話している。
◇イタコ=東北地方に古くから存在する巫女(みこ)で、
死者の霊魂を呼び寄せて自分に乗り移らせ、
その言葉を語るとされる。青森県むつ市の恐山が有名。
「津軽のイタコの習俗」は国の無形民俗文化財。
読売新聞 2010年08月14日(土)14時38分
読売新聞
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イタコ「口寄せ」癒やしに効果…国助成で研究
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100814-OYT1T00396.htm
故人の霊を呼び寄せて言葉を伝えるイタコの「口寄せ」に、
自殺者の遺族(自死遺族)が癒やされるケースが多いことに
注目し、その理由を探る文部科学省の補助金助成研究が、
今月末からスタートする。
自殺者が12年連続で3万人を超える中、
新たな遺族支援のあり方を提案したい考えだ。
●
研究は、青森県立保健大健康科学部の藤井博英教授らが実施。
調査は3年間で、今年度は、県内のイタコを訪れる
自死遺族5人に協力を求め、
口寄せを受ける理由や
受けた直後の気持ちの変化、
話の内容や口調などイタコのどこに癒やされたか
――などを聞く。
●
藤井教授によると、口寄せを受ける自死遺族には、
他の遺族とは異なる苦しみがある。
自ら命を絶った理由を故人本人から聞けず、
自殺を防げなかった自分を責め続けてしまう。
こうした苦しみは、話を聴いてくれるだけの
通常のカウンセリングでは解決できないことも多い。
このような遺族に、イタコが呼び寄せた「故人」は
決して恨み言を言わず、
「世話になって本当に感謝している」
などとお礼の気持ちを伝える。
さらに
「私のために毎朝線香を1本あげてください」
など、簡単にできるお願いをする。
すると、
「遺族の自責の念が和らぎ、故人と再び対等に向き合える
ようになり、立ち直るきっかけになる」(藤井教授)
という。
●
来年度以降は調査対象者を増やし、
病死遺族への効果とも比較する。
最終的には、イタコの話す内容や口調、
場の雰囲気などの中から、カウンセリングや遺族同士のケアに
生かせる部分を提案する。
藤井教授は
「自死遺族の支援は不十分で、後追い自殺をする遺族もいる。
非科学的とされる民間信仰を科学的に検証し、
遺族支援に役立てたい」
と話している。
◇イタコ=東北地方に古くから存在する巫女(みこ)で、
死者の霊魂を呼び寄せて自分に乗り移らせ、
その言葉を語るとされる。青森県むつ市の恐山が有名。
「津軽のイタコの習俗」は国の無形民俗文化財。
読売新聞 2010年08月14日(土)14時38分