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自殺ほう助に規制 等(IB Times) [2009年10月30日(Fri)]
2009(平成21)年10月29日(木)
IB Times
ホーム>政治・社会>スイス社会

自殺ほう助に規制
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/091029/43380.html
http://www.swissinfo.ch/jpn/front.html?siteSect=105&sid=11420511&rss=true&ty=st


外国からも多くの自殺願望者がスイスを訪れる。
政府は自殺ほう助の規制に乗り出した

自殺ほう助 政府と民意の格差

エヴェリン・ヴィトマー・シュルンプフ司法相は10月28日、
組織的な自殺ほう助を規定する2つの法案を発表した。

1つは自殺ほう助の完全禁止。
もう1つは自殺ほう助団体に法的制限を加えるもの。

スイス政府が優先しているのは2つ目の案だ。
審議に2つの法案が送られたということは、
倫理的に議論の余地が残るこの問題に関して、
政府の意見が分かれているということだ。

一致しているのは、もはや自殺ほう助の悪用と増加する
自殺ツーリズムを阻止しないわけにはいかないという見方だ。

慢性疾患患者と精神疾患患者は除外

記者会見に臨んだヴィトマー・シュルンプフ司法相は

「最も尊重されなければならないのは
 個人が自分で決める自決という行為。

 それと同時に、自殺ほう助が商品化されることを
 防ぐことも大切だ」

と述べた。

連邦政府が優先する自殺ほう助規制案には、自殺ほう助団体の
注意義務を刑法において明白にすることも盛り込まれている。

例えば、自殺を望む人は自分の意思を自由に述べることが
できなければならず、決心をするまでに十分な考慮の時間を
持たなければならない。

その際、ほう助者は待機療法などの
ほかの方法も明示しなければならない。

これらの規定によって、ほう助側が情に流されて
行為に及ぶことを阻止しようというわけだ。

このときには医師も重要な役割を果たす。
具体的には、自殺ほう助には独立した立場の2人の医師の鑑定が
必要となる。

これは、自殺希望者に判断力があること、
そして当人が間もなく死に至る不治の病に侵されていることを
証明するためのものだ。

よって、慢性疾患患者や精神疾患患者は除外されることになる。

投与される薬物は医師が処方し、さらに死に至るまでの処置は
漏らさず書面に記録されなければならない。

もう1つの禁止案は、

「自殺ほう助団体に携わる人は、もともと純粋に利他主義的な
 理由からほう助を行っているわけではなく、
 また自殺を望む人と十分深い関係を結ぶこともできない」

という考え方が元になっている。

ヴィトマー・シュルンプフ司法相は
「禁止した場合には、自殺ほう助行為を完全に取り除くことが
 できず、非合法の領域に押しやってしまう」

とみている。

スイスにおける組織的な自殺ほう助は年間およそ400件、
うち132人が外国人だ。

コリン・ブフサー、swissinfo.ch
(独語からの翻訳 小山千早)

IB Times 2009年10月29日(木)10時13分

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

2009(平成21)年06月30日
IB Times
ホーム>政治・社会>スイス社会

自殺ほう助 政府と民意の格差
http://www.swissinfo.ch/jpn/front.html?siteSect=105&sid=10890625&cKey=1246455550000&ty=st&rs=yes

自殺する人を助けることは道徳的か?

連邦議会で取り上げられている自殺ほう助問題。
政府は全面禁止を推し進める意向だが、
自殺ほう助組織エクジット (Exit) の前広報担当者
アンドレアス・ブルム氏は、政府は民意を無視しているとの意見だ。

ブルム氏にスイスインフォが聞いた。

swissinfo.ch:
自殺をほう助することに多くの人が疑問を持っています。
道徳的に見て、責任ある行為でしょうか?

ブルム:
自分の死を決める権利は人権です。
自分で決断するという権利の1つであり、人間の尊厳です。

人間は、この世に生れてきたいかどうかは問われはしません。
神、もしくはどこからから与えられた贈り物として
私たちは命を受け取らなければなりません。
贈り物である限り、それを返上することもあるわけです。

唯一、自分が、自分の人生の意味がもはやなくなったということ
を決める権利があるのだと私は固く確信しています。
それがその人にとっての最大の尊厳の表現だからです。

自分の存在について自分で決める。それが重要なのです。
よって、主観的に希望のない状態にある人を助けることは、
道徳的に受け入れられるばかりでなく、推奨すべきことなのです。

これは、キリスト教の隣人愛にも則することです。

swissinfo.ch:
スイス政府内でもこの問題については
大きく意見が分かれています。
なぜだと思いますか。

ブルム:
意見が対立していることは、あまり驚くことでは
ないのですが、論理的ではありません。

自殺ほう助については、私は「ほう助」という言葉を
あえて使いますが、スイスには過去60年間、
非常に寛容な規定がありました。

現在の状況で、非常に私の神経に触るのは、
政府が国民の命の根源にかかわる問題を避けて
政治を行っていることにあります。

国民の4分の3が自分の死を決める自由と自殺ほう助を
はっきり支持しています。

一方で、原理主義者が、とくにカトリック教会からの動きですが、
全体の動きにブレーキを掛け、人間に害を与えています。
マスコミが騒ぐことで国民は非常に惑わされるのです。
こうした態度をとる政府は無責任です。

swissinfo.ch:
内閣の議会に提出する法案は2つあり、
1つは「エクジット」や「ディグニタス(Dignitas )」
という自殺ほう助機関を全面的に禁止する法案ですが。

ブルム:
この法案は馬鹿げた法案です。
多くの国民に尊厳を持って安らかに死ぬことを根本的に可能に
したこれまでの自由な政策から、大きく後退することになります。

現行法の内容が根源から問われる理由が理解できません。
とはいえ、議会が自殺ほう助機関の禁止を決定することはない
と確信しています。



自殺ほう助の法律の枠組みが必要と訴える
アンドレアス・ブルム氏 (ZVC)

swissinfo.ch:
もう1つの提案は、こうした機関を
法の枠組み内に置くというものですが。

ブルム:
わたしは法の枠組み内に置くという意見を
最初に提唱した1人です。

そうすることで悪用が避けられます。
利益を追求するような自殺ほう助機関は禁止すべきです。

そのほかにも意味のある規制はあります。

自殺ほう助機関は道徳的にも法的にも
微妙なグレーゾーンにあります。

より多くの自由が許されれば、負う責任も重くなります。
自殺ほう助が人間の死を商売にした途端に、
その信用は全く失われてしまいます。

swissinfo.ch:
自殺ほう助機関のディグニタスは、
国外からスイスに自殺を望む人を呼び込む
「自殺ほう助旅行」
で話題になりました。これについて、どう思いますか?

ブルム:
非常に微妙で複雑な問題です。
抽象的なレベルでは、自殺ほう助を支持する人にとって
それがスイス人なのか、スイス人ではないのかといったことは
問題ではありません。

ほかの言葉で言えば、自殺ほう助に賛成なら、
国籍で区別はしないということです。

しかし、これは問題の表面的な部分であり、
その裏には、多くの細かい問題があります。

問題は実際にどうするかということです。
具体的には、わたしたちエクジットもディグニタスと同様、
外国人に尊厳ある死の選択の可能性を提供するのか。

そして、数多くの問い合わせの洪水にあうのか。
そして、その仕事の多さに圧倒されるのかということです。

わたしが特に心配する別の問題もあります。
自殺ほう助を受けるためにスイスに来る人とは、
どういった人なのかということです。

答えは明らかに、金銭的に余裕のある人でしょう。
持つ者と持たざる者という2つの階級が生まれることは
道徳的観点から避けなければなりません。

小国スイスが世界的な問題を解決することはできません。
解決のためには、スイスのような自由思想に基づく制度と法律を
他国が見習うことです。法の根本を現実に合わせることです。

クリスティアン・ララーブ、swissinfo.ch 
( ドイツ語からの翻訳 佐藤夕美 )

IB Times 2009年06月30日 15時25分
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