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ケータイ小説しか読まない子どもに読書させる ― 斎藤美奈子(プレジデントロイター) [2009年04月29日(Wed)]
2009(平成21)年04月29日(水・祝)
プレジデントロイター
プレジデントロイター>達人のテクニック

達人のテクニック 2009年04月 29日

ケータイ小説しか読まない子どもに読書させる ― 斎藤美奈子
http://president.jp.reuters.com/article/2009/04/29/515BE7B4-2D81-11DE-9DD1-591A3F99CD51.php?rpc=187
http://president.jp.reuters.com/article/2009/04/29/515BE7B4-2D81-11DE-9DD1-591A3F99CD51-1.php

「より幸せを掴む」ための全課題17【11】
プレジデント 2009年01.12号

ケータイ小説を読んでいるからといって、
特別なことでもなんでもない。

長山清子=構成 相澤 正=撮影

「いつの時代にもある」ジュニア小説が正体

そのへんに「タレント本」でも転がしておけ!



文芸評論家 斎藤美奈子



1956年、新潟県生まれ。成城大学経済学部卒。
子育て雑誌の編集者などを経て、94年、初の評論『妊娠小説』
を上梓。近著に『本の本』『文芸誤報』など。

「子どもがケータイ小説ばかり読んでいる」
という問題と、
「本好きな子にしたい」
という問題は、とりあえずわけて考えてみよう。

まずケータイ小説だが、プレジデント読者はケータイ小説に
ついてどこまでご存じだろうか。

毎日新聞の学校読書調査によれば、ケータイ小説を読んだことが
あると答えた中高生は、中学生女子が75%(男子23%)、
高校生女子に至っては、実に86%(男子46%)に上る。
もう、女子はほとんど全員読んでいるといっていい。

ということはケータイ小説を読んでいるからといって、
特別なことでもなんでもない。

そして、私が思うに
「こういうジャンルの読み物は昔からあった」
ということだ。私が中高生だった頃なら、「平凡」や「明星」
などの雑誌には、
「男の子と海で知り合ってドキドキしちゃう」
というような「一夏の経験」と称する手記がつきものだったし、
富島健夫先生の『制服の胸のここには』などに代表される、
ジュニア小説というジャンルもあった。
ケータイ小説とは、これに匹敵するものなのではないか。

ところが最近のティーンエイジャー向けの雑誌にはファッション
情報ばかりでエッチな話がなく、このジャンルが空白だった。
しかし10代の女の子なんて妄想の塊だから、常にそういうもの
を必要としている。

つまり今のケータイ小説は、一種の女の子向けのポルノグラフィー
なのである。女の子はダイレクトな性描写より関係性に欲情する
ものだから、そこに至るまでの恋愛ストーリーが不可欠なのだ。

それではケータイ小説はすべてエッチな内容なのかというと、
それはさまざまである。しかし特徴として間違いなくいえるのは
「不幸のてんこもり」
であるということ。

主人公は十代の女の子で、自殺、いじめ、リストカット、
難病などの不幸がこれでもかと出てくる。



そう考えると、この手の通俗読み物はたぶん明治時代からあった。
その時代ごとに消費されるから、後世に伝わらないだけである。

しかし昭和20年代の少女小説などを読むと、主人公は両親を
空襲で失った不幸な花売り娘だったりする。
つまりメディアこそケータイだが、コンテンツとしては
いつの時代にも必ずあるものなのだ。

そういうわけで、ケータイ小説を読んでいるからといって、
心配する必要はない。こういうマイブームは一過性のもので、
いずれ卒業していくのだし。

だからといって、放っておいてもいずれ本を読む子になるかと
いうと、それも幻想。

本を読む子にしたければ、親が読書をする姿をみせるしかない。
親が読まないのに子どもに押しつけても無理である。

とはいえ、お父さんたちは忙しいし、最近の小説など読んでいる
暇がない。
それなら自分が中高生の頃に読んだ本の話をすればいいのだ。

統計をみれば明らかだが、日本人は若いときほど本を読む。
ということは、お父さんも15歳のときは絶対に何か読んでいた
はず。
今の子が読むようなものではないかもしれないが、それでいい。

子どもは意外と素直なので、チョロッと感想を言うだけで興味を
持ったりする。
ただしそこで、ドストエフスキーがどう、とか見栄を張っては
いけない。建前でなく本音で面白かった本の話をすること。

本の話をするときは
「どうだった?」
ではなく、
「何が書いてあった?」。

感想ではなく内容を聞けば会話もはずむはず。

それから本嫌いの子には、タレント本が格好の入り口になる。
タレント本にも、たまに名著がある。

今の子どもたちにとって、芸能人は自己実現を果たした身近な
お手本だ。タレントの自伝エッセイは偉人伝のようなものである。

『ホームレス中学生』などを、そのへんに転がしておくのも
いいかも知れない。

REUTER PRESIDENT 2009年04月29日
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