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【枝雀と私】早坂暁さん 透明感あればこそ抽象世界表現(朝日新聞) [2009年03月25日(Wed)]
2009(平成21)年03月25日(水)
朝日新聞
asahi.com>関西>短期連載

【枝雀と私】早坂暁さん 透明感あればこそ抽象世界表現
http://www.asahi.com/kansai/mini-rensai/OSK200903250027.html



笑顔の枝雀=1985年ごろ



桂枝雀について語る早坂暁氏=中里友紀撮影

芝居にドラマにと、枝雀さんは僕にとって女優の桃井かおりさん
と並んで、最もたくさん組んだ俳優でした。
舞台「好色一代男」では、若いグラマーな女の子に背負われる
場面があったなあ。僕は
「女の子の懐に手をつっこんで」
と指示した。

「えっ、いいんですか。役得ですねえ」。
どうなるかと見ていたら、特に手が動くこともなくてね。
遊び人を演じるんだからもうちょっと触っていいのにと、
僕は思っていたけど。でも、枝雀さんはそういう人だったんだ。

一緒に作っていった落語芝居のシリーズは枝雀さんのキャラクター
があったから、思いついたんだ。90年代に取り組んだ
芝居「変身」では、カフカのような「虫になる」のではなく、
「女になる」という筋書きにした。彼の演じる太鼓職人が急に
おっぱいが大きくなり、おちんちんがなくなってしまうんだ。
普通はそんな役だとどこかグロテスクになり、いやらしさが
出てくるものだ。でも、枝雀さんは「おかしさ」しか残らない。
そこが魅力だったんだね。

落語も同じだった。ある意味、あんな行儀の悪い落語はなかった
からね。着物がはだけ下着が見えそうになるぐらいやるんだから。
でも、なぜか嫌な感じはしない。

思い出すのは、84年に東京・歌舞伎座で演じていた
「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」。
僕も学生時代に歌舞伎のアルバイトであの大舞台に出たことが
あるが、大きさに見とれてきっかけを外してしまった。

枝雀さん負けなきゃいいけどなあと思っていたら、鬼気迫る
おもしろさでとてつもなくウケさせた。
たった1人で観客を圧倒していく姿にはびっくりさせられた。

亡くなる2年ほど前、ドラマ「新花へんろ」の語り手をお願い
した。渥美清さんの後任で、喜んで引き受けてくれたんだけれど、
ロケ地の愛媛に行ってから病院に入った。

診断は「鬱(うつ)病。自殺の恐れあり」。信じられなかった。
そういえば、高座で目をむいたりしなくても十分おもしろいから
やめた方がいいと言ったことがある。でも、やめなかった。

病気で気持ちが落ちてしまう経験をしたから、おもしろいだろう、
おもしろいだろうと常に自分を励まし続けていたんだと思う。

枝雀さんは透明感のある人だった。それで、落語でも芝居でも
抽象的な世界を表現することができたんだろう。
稀有(けう)な存在で、まるで別の惑星からやって来た宇宙人の
ようでもあった。

一緒にやりたいことはまだまだあったんだけど、枝雀さんがいなく
なってしまい、がっかりした僕は小説を書く方に気持ちが向いて
いったんだ。あんな人はもう現れないかな。



はやさか・あきら 29年、愛媛県生まれ。日本大芸術学部卒、
脚本家、作家。代表作に「夢千代日記」「花へんろ」。
80年のドラマ「暁は寒かった」以降、舞台などに枝雀をたびたび
起用した。



(この連載は篠塚健一が担当しました)

朝日新聞 2009年03月25日
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