患者の経験をネットで共有 「患者力」を高められるサイトに(読売新聞)
[2008年10月30日(Thu)]
2008(平成20)年10月30日
読売新聞
ホーム>ネット&デジタル>インタビュー
インタビュー
患者の経験をネットで共有 「患者力」を高められるサイトに
http://www.yomiuri.co.jp/net/interview/20081030nt0a.htm
http://www.yomiuri.co.jp/net/interview/20081030nt0a-1.htm

杉山博幸 すぎやま・ひろゆき メディエイド社長
1968年、東京都生まれ。慶応大法卒、米南カリフォルニア大大学院
(コミュニケーション・経営学)修了。
コンサルティング会社や米マイクロソフトで情報技術(IT)コンサルタントを経験した
後、慶応大病院、ケアネットなどを経て2005年1月にメディエイドを設立。
インターネットを通じた情報交換は盛んになっているが、病気を持つ患者同士の交流の場
は、今まであまりなかった。
2008年3月に開設された「ライフパレット」は、闘病体験記などを中心に、
患者の経験を共有できるように作られたサイトだ。
運営するメディエイドの杉山博幸社長にサイト開設の理由などを聞いた。
ネット上に「闘病記」を作成
――ライフパレットの特徴は?
杉山 患者による患者のためのポータルサイトという位置づけです。患者同士がお互いに
知り合い、支え合える場をネット上に作りたいと思って始めました。
まずはがんに焦点を当てて、サイトを構築しています。
最大の特徴は、ウェブ上で病気の体験記が作成できるサービスです。闘病記の本を作る
ような感じを出すため、「表紙」にあたるページデザインを約100種類から選んだ
り、パソコン画面上でページをめくりながら読んだりできるような形式にしました。
ブログ機能で患者同士のコミュニケーションを可能にしたほか、「体験Q&A」の
コーナーでは、患者に対して別の患者や関係者が質問できる仕組みを取り入れました。
医師に質問するのではなく、患者という立場の人に対して、生活に密着した疑問やお金の
ことなどを聞くことができるコーナーになっています。
――開設したきっかけは?
杉山 慢性の病気が多くなる中で、病気を持ちながら質の高い生活を続けていくための
情報を提供している場が極度に少ないと感じたのが出発点です。
医療以外の分野では、商品価格の比較など口コミ情報を集めたサイトが多くあり、利用者
はそういうサイトを自ら判断を下す際に参考にしています。
しかし医療分野では、権威である医師が監修しているような医学的な情報や、病院検索の
サイトはありましたが、患者の声を集めたようなものはほとんどありませんでした。
そこで、患者の声を集め、国や医療従事者に対して患者が何を考えているのかを浮き彫り
にするようなサイトを作れないかと思ったのです。

「システムは完全に自社で構築しました。その経験とノウハウを活用しようと、システム
開発部門を切り出して子会社化しています」
――ライフパレットの目指すものは?
杉山 「患者力」を高めたいと思っています。患者力とは、意思決定できる力のことです。
今までは、患者になった場合には医者に言われる通りにするだけでした。
しかし、これからは、患者本人が意思決定を迫られるようになっていくでしょう。
どの治療を選択するか、家族との関係をどうするかなど、いろいろな意思決定があるし、
答えが1つでないことも多いと思います。よい意思決定をすると患者も満足しますし、
患者のQOL(生活の質)も上がります。
こうした意思決定の力、状況にきちんと対処できる力が「患者力」です。
――ブログなどコミュニケーション系のサービスでは、中傷や虚偽の情報が書き込まれる
などの問題点が指摘されています。
杉山 病気に関する情報なので、荒れた雰囲気にならないような仕組みを採用していま
す。書き込みできる会員の本人確認を郵送または携帯電話の個体識別番号で厳格に
行ったうえ、書き込みのチェックも、システムだけでなく実際に人が読んで作業して
います。
個人名が明らかにならないように注意するのはもちろん、根拠のない治療法の推奨などを
されても困るので、24時間365日体制で書き込みのチェックを実施しています。
――今後の展開は?
杉山 年内には、携帯電話への対応も始めます。また、自分が必要な情報をまとめて
健康管理に役立てられるような「マイページ」を作りたいと考えています。
患者の情報を蓄積したデータベースも必要です。40歳代男性でこういう疾病にかかった
ことのある人が気をつけなくてはならないのはどういうことか、など自分が知りたい情報
を集めるにはデータベースが必要になるためです。
プライバシーにもかかわる問題なので慎重に進めなくてはなりませんが、
来年上半期から徐々に充実させていく予定です。
患者と医師、薬剤師とが一体化できるような「枠組み」を作り上げ、
実際の診療にも役立てられるサイトにしていければと思っています。(敬称略)
(メディア戦略局 新井庸夫)
(2008年10月30日 読売新聞)
読売新聞
ホーム>ネット&デジタル>インタビュー
インタビュー
患者の経験をネットで共有 「患者力」を高められるサイトに
http://www.yomiuri.co.jp/net/interview/20081030nt0a.htm
http://www.yomiuri.co.jp/net/interview/20081030nt0a-1.htm

杉山博幸 すぎやま・ひろゆき メディエイド社長
1968年、東京都生まれ。慶応大法卒、米南カリフォルニア大大学院
(コミュニケーション・経営学)修了。
コンサルティング会社や米マイクロソフトで情報技術(IT)コンサルタントを経験した
後、慶応大病院、ケアネットなどを経て2005年1月にメディエイドを設立。
インターネットを通じた情報交換は盛んになっているが、病気を持つ患者同士の交流の場
は、今まであまりなかった。
2008年3月に開設された「ライフパレット」は、闘病体験記などを中心に、
患者の経験を共有できるように作られたサイトだ。
運営するメディエイドの杉山博幸社長にサイト開設の理由などを聞いた。
ネット上に「闘病記」を作成
――ライフパレットの特徴は?
杉山 患者による患者のためのポータルサイトという位置づけです。患者同士がお互いに
知り合い、支え合える場をネット上に作りたいと思って始めました。
まずはがんに焦点を当てて、サイトを構築しています。
最大の特徴は、ウェブ上で病気の体験記が作成できるサービスです。闘病記の本を作る
ような感じを出すため、「表紙」にあたるページデザインを約100種類から選んだ
り、パソコン画面上でページをめくりながら読んだりできるような形式にしました。
ブログ機能で患者同士のコミュニケーションを可能にしたほか、「体験Q&A」の
コーナーでは、患者に対して別の患者や関係者が質問できる仕組みを取り入れました。
医師に質問するのではなく、患者という立場の人に対して、生活に密着した疑問やお金の
ことなどを聞くことができるコーナーになっています。
――開設したきっかけは?
杉山 慢性の病気が多くなる中で、病気を持ちながら質の高い生活を続けていくための
情報を提供している場が極度に少ないと感じたのが出発点です。
医療以外の分野では、商品価格の比較など口コミ情報を集めたサイトが多くあり、利用者
はそういうサイトを自ら判断を下す際に参考にしています。
しかし医療分野では、権威である医師が監修しているような医学的な情報や、病院検索の
サイトはありましたが、患者の声を集めたようなものはほとんどありませんでした。
そこで、患者の声を集め、国や医療従事者に対して患者が何を考えているのかを浮き彫り
にするようなサイトを作れないかと思ったのです。

「システムは完全に自社で構築しました。その経験とノウハウを活用しようと、システム
開発部門を切り出して子会社化しています」
――ライフパレットの目指すものは?
杉山 「患者力」を高めたいと思っています。患者力とは、意思決定できる力のことです。
今までは、患者になった場合には医者に言われる通りにするだけでした。
しかし、これからは、患者本人が意思決定を迫られるようになっていくでしょう。
どの治療を選択するか、家族との関係をどうするかなど、いろいろな意思決定があるし、
答えが1つでないことも多いと思います。よい意思決定をすると患者も満足しますし、
患者のQOL(生活の質)も上がります。
こうした意思決定の力、状況にきちんと対処できる力が「患者力」です。
――ブログなどコミュニケーション系のサービスでは、中傷や虚偽の情報が書き込まれる
などの問題点が指摘されています。
杉山 病気に関する情報なので、荒れた雰囲気にならないような仕組みを採用していま
す。書き込みできる会員の本人確認を郵送または携帯電話の個体識別番号で厳格に
行ったうえ、書き込みのチェックも、システムだけでなく実際に人が読んで作業して
います。
個人名が明らかにならないように注意するのはもちろん、根拠のない治療法の推奨などを
されても困るので、24時間365日体制で書き込みのチェックを実施しています。
――今後の展開は?
杉山 年内には、携帯電話への対応も始めます。また、自分が必要な情報をまとめて
健康管理に役立てられるような「マイページ」を作りたいと考えています。
患者の情報を蓄積したデータベースも必要です。40歳代男性でこういう疾病にかかった
ことのある人が気をつけなくてはならないのはどういうことか、など自分が知りたい情報
を集めるにはデータベースが必要になるためです。
プライバシーにもかかわる問題なので慎重に進めなくてはなりませんが、
来年上半期から徐々に充実させていく予定です。
患者と医師、薬剤師とが一体化できるような「枠組み」を作り上げ、
実際の診療にも役立てられるサイトにしていければと思っています。(敬称略)
(メディア戦略局 新井庸夫)
(2008年10月30日 読売新聞)



