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今日の人86.中野高嗣さん [2013年02月12日(Tue)]
 今日の人は、有限会社中野工業専務取締役の中野高嗣さんです。
中野4.jpg
中野工業は富山の黒部市にある会社です。

下記の企業理念がとても素敵です。
「私達は、素適な仲間と
 企業活動を通して
 社会の進歩と発展に貢献し
 従業員と家族、そして全ての人の
 笑顔と幸せの実現を目指します」
そしてホームページのこのページがとびきり素敵なので、ぜひご覧くださいね。
http://www.sutekina-nakamatachi.com/shishin/

中野工業は中野さんのじいちゃんが創業者です。お父さんが仕事で県外に出ていることが多かったこともあって、小さい時はじいちゃんっ子だった中野さん。
夏休みにはじいちゃんに連れられて、仕事場に行き、じいちゃんが働く姿を見ていました。小学生のうちにじいちゃんの真摯に働く姿勢を脳裏に焼き付けたことは、のちのち中野さんに大きな影響をもたらしたにちがいありません。
 
中学生になってから、お父さんも県外から帰り、じいちゃんと一緒に仕事をするようになりました。その頃から徐々に会社の規模も大きくなっていきました。

高校2年生の時からお祭りにも参加するようになりました。有名な魚津のたてもん祭りです。今もたてもん祭りには毎年参加しているという中野さん。中野さんの勇姿を見たい人はぜひたてもん祭りを見に行ってくださいね!(実は私もまだ見に行ったことがありません。今年は行かなくちゃ)

大学卒業後は東京の製造業のコンサル会社で経験を積み、その後黒部に戻った中野さん。それからは従業員の幸せのために、お客さんの幸せのために、そしてもちろん家族の幸せのために走り続ける日々です。
 
中野さんには6歳、4歳、0歳の可愛いお嬢さんが3人います。子どもたちといると本当に幸せを感じると中野さん。今、“縁”をとても大切にしています。そして、出来湧くひとつひとつのことが感謝なのだと。そう思う時、いつも亡くなったじいちゃんを思い出すのです。じいちゃんの法名には報恩の文字がありました。じいちゃんは、それがいかに大切かということを自分たちに残してくれたのだ、そう感じるのです。
 
またじいちゃんは生前、「人と話す時には『本日は』って言うなよ。『今日は』って言えよ」と言っていました。もちろんそのことだけを言っていたわけではありません。常に相手の立場に立って話しなさい、行動しなさい、ということを教えてくれていたのです。

今、中野さんのお嬢さんは誰が教えたわけでもないのに、手紙を書く時にいつも「ありがとう」と書くそうです。じいちゃんの感謝の心がそのまま娘に受け継がれている。それがすごく嬉しいのです。そして、中野さんのおばあちゃんは、今もお元気なのですが、そのばあちゃんの部屋に中野さんのお嬢さん、つまりおばあちゃんから見ればひ孫からの手紙が飾ってあるそうです。そこには「ずっとずっと大好きだよ」と書いてありました。中野さんはそれを見て、涙が溢れて仕方がありませんでした。この家族があっての自分なのだ。そう思うと本当にありがたくて幸せなのです。

中野さんの部屋には絵本がたくさんおいてあります。草場一壽さんの「いのちのまつり」シリーズや「幸せを売る男」が大好き。私はいのちのまつりを読み聞かせしていると、泣いてしまうことがあるのですが、本当に、絵本って大人が心が洗われるものが多いですよね。ぜひみなさんも読んでみてください。お薦めです。
 
映画でいちばん好きなのはドラえもんです。号泣してしまうそうです。「私もドラえもんで泣いちゃうのがたくさんあるの。台風のフー子とか」って言ったら、中野さんすぐに分かってくれたので、やっぱり相当ドラえもん通です。ちなみに中野さんのお薦めは「がんばれ!ジャイアン!!」だそうです。

「本宮ひろ志」著の斎藤道三のことを描いた漫画「猛き黄金の国道三」も好きです。特に道三が信長に説く、「一切は完」は中野さんにとっても大事な心構えとなっています。

「一切は完」

食って 糞して 寝て起きて
さて其の後は 死ぬばかり

宇宙一切は完なり
故に 自分の信ずる対極にあることも 真実
己にとって 真実とは すべて半分という事だ

自分の想いを 通そうとすれば 必ず他者を傷つける
ならば人とは 生きているだけで 人を傷つけるものだ
その想いを 己の心に 忍ばせておけ

さすれば 「一切は完」ということが わかるだろう

この「一切は完」によって、自分の思っていることと真逆のことを考えている人もまた正しいのだ、ということを考えさせられたと中野さん。    
中野さんが決して相手を否定せず、いつも笑顔で接してくれるのは、いつもそういう心がけがあるからにちがいありません。でも、33歳でそれが出来てしまうところが本当にすばらしい!

ミスチルの歌の「彩り」にある歌詞も大好きです。

「僕のした単純作業が この世界をまわりまわって
まだ出会ったこともない人の 笑い声を作ってゆく」

中野工業のラインの仕事も単純作業の仕事かもしれない。でも、その単純作業が誰かの幸せを作っているんだ。仕事に対しての誇りや姿勢を感じさせてくれるこの歌詞が大好きなのです。

そして、もちろん中野工業で働いている従業員のみんなが大好きです。
中野さんは従業員のみんなを家族と考えています。

会社で作った「29の素適な物語」という冊子には、そんな従業員のみなさんの素適な物語が綴られています。その中の1編をご紹介します。
「私ねー、このラインで仕事しとって、最高に幸せやと思うが
 一人は家建てるやろ
 一人は子どもが生まれるやろ
 一人は結婚するやろ
 こんなに幸せな仲間と働けて、私、本当に幸せなが」
 
これを読むだけで、本当にみーんな家族のようにあったかい会社なんだなっていうのが伝わってきて、こちらの心も温かくなります。

中野さんは地元黒部の商工会議所の青年部で、そして今年からは青年会議所でも活動されています。ご両親もずっと地元で貢献されてきました。自分も黒部をよくしていきたい!そう思っています。
中野工業には蔵という昔ながらの土蔵を改築した素適なスペースもあります。そこで、ライブがあったり、個展があったり、黒部の素適なスポットになっています。
そして中野さんは、富山全体にも貢献なさっています。昨年はドリームプラン・プレゼンテーション富山の実行委員長としても大活躍なさいました。

家族を、会社の仲間を、そして黒部を、富山を、心から愛する中野さん。そして縁をとても大切にする中野さん。
中野さんの全ての人を尊ぶ精神はまさにダイバーシティとやまの目指すところです。
これからも、そんな素適な中野さんをずっと応援しています。