今日の人49.柳澤千恵子さん. [2012年07月27日(Fri)]
今日の人は、ダイバーシティ研究所研究員の柳澤千恵子さんです。
柳澤さんは長野県須坂市生まれ。高校まで、自然豊かな須坂で過ごしました。小さい頃から優等生で、特技は勉強だけだったなぁとおっしゃいます。 中学はバスケ部。あまり気乗りはしなかったのですが、親に運動部の方がいいよと言われ、なんとなくバスケ部にしました。高校では吹奏楽部でバスクラリネットを吹いていました。吹奏楽部は県代表に選ばれ、朝練や夜練が厳しかったですが、音楽は好きだったのでさほど気になりませんでした。 高校は進学校。先生から国立の大学を薦められましたが、親は、男の子だったら行かせてあげられたんだけど…と、大学には行かせてもらえず、東京の短大に進学します。このことが人生において、大きなコンプレックスになりました。私は勉強しか取り柄がなかったのに、どうして大学進学を許されなかったんだろう…。やりきれなさを感じると同時に、「男の子だったら行かせてあげられた」という言葉に、初めてジェンダーを意識することになりました。 でも、もし国立大学にそのまま行っていたら、柳澤さんがダイバーシティに関わることもなかったのかもしれないと思うと、運命ってホントに不思議ですね。 話しを短大卒業の時に戻します。 短大を卒業した柳澤さんは、地元の企業に就職しました。 その後リクルート長野支社で営業の仕事を始めます。リクルートはバリバリの体育会のノリの会社でした。始業時間前のアポ取りタイムから始まって、ひたすら営業営業の日々。5年間その仕事をした後に職を退き、派遣で英会話教室で働いたりしました。 その後、結婚を来に再び上京します。そして再びリクルートで働くことに。今度はリクルートスタッフィングで4年間の営業生活でした。その後、NPO法人CARE-WAVEで法人立ち上げに関わり、事務局長を務めるようになりました。CARE-WAVEは、ノンフィクションミュージカル『CARE-WAVE AID』を通じて飢餓・貧困・紛争といった世界の惨状を伝え、ミュージカルの収益金をNPO等の援助団体に寄付することで、ミュージカルの出演者・観客と援助活動をつなぎ、思いやりの心の波を広げる活動をしているNPO法人です。 会社を辞めてNPOの世界に行ったのは、もう売り上げだの利益だのを追求するのは いいかな、と思ったからです。でも、NPOに行った時に、企業との大きなギャップを感じました。NPOが声高に言っていることを、企業の人間は誰も知らない。このギャップは大きかった。そんな時に、CSRでダイバーシティ研究所とつながったのでした。 CSRというのは、企業が利益を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響に責任をもち、あらゆるステークホルダー(利害関係者:消費者、投資家等、及び社会全体)からの要求に対して適切な意思決定をすることを指します。 柳澤さんの強みは、営利目的の株式会社の立場もわかるし、NPOの立場もわかること。ですから、CSRにはすごく興味がわきました。 こうして柳澤さんはダイバーシティ研究所の研究員になったのです。 1年目は何もわからずにCSR調査をしていました。2年目は1年目に調査したことはこういうことだったのかと腑に落ちました。そして、5年間調査をやってきて、CSR調査は社会にとってだけでなく、企業にとっても必要不可欠なんだということを知ってもらいたいと思っています。 でも、未だにCSRのことを知っている人は少数派です。立派なCSR室があっても、社内の人に浸透していないことがすごく多い。柳澤さんは、そんな状況を変えたいと思っています。そのためにCSR室と連携して、組織横断的である正しいCSRが末端の社員にまで届くようにしていきたい。CSRは決してCSR室の社員だけで取り組むものではなく、企業全体で取り組むものなんだということをわかってもらいたいと、静かに情熱を燃やしている柳澤さん。 そんな柳澤さんが楽しいことは、舞台を見ること。月に2,3本見ることもあります。レ・ミゼラブルやミス・サイゴンなど、好きな演目は何度も見てしまいます。 前任のCARE-WAVEで多くの役者と関わったこともあり、役者と一緒に飲むのもとても楽しい時間です。役者と自分たちとでは、全く世界観がちがいます。自分にとっては締め切りはとても大事なもの。でも役者にとって大事なのは、締め切りよりもクオリティ。そういうふうに世界観の全くちがう人と仕事をするのは、大変なことも多々ありましたが、いい経験になりました。 スポーツ観戦も大好き。サッカーも好きだし、野球も好きです。ずっと巨人ファンだったけど、最近は西武ファンなんだとか。(うちはずっと阪神です)高校野球を見るのも好きだし、ロンドンオリンピックも見たい!となると、今年の夏は睡眠不足は必至ですね。 ボイス・トレーニングにも通っている柳澤さん。今まで出なかった声が出るようになったときの壁を超えた快感がたまらない、とホントにワクワク顔で話されるのでした。 飲みに行きたい時に、一人で行けるお店もちゃんとあります。経営に奮闘しているビルマ(ミャンマー)料理のお店。なんとか盛り立てたいと、柳澤さんが奮闘中。ウェブ対策やちらし作りなどアドバイスしています。ミャンマー人は、迫害された少数民族が多く、難民申請中の人もいっぱいいます。そういうことを知らずに、外国人とひとくくりにしてしまう人が多いのはとても悲しいことですよね。私たちは、そういう人たちの声を伝えていくことも大事な役割なのかもしれません。 もう一つ、応援しているものがあります。それはミンナDEカオウヤのあぶら麩。ミンナDEカオウヤプロジェクトは、ダイバーシティとやまのホームページやfacebookページをご覧のみなさんにはお分かりかと思いますが、被災エリアの授産品を全国・都市部で販売して、被災した障害者福祉施設の経営・障害者の収入を支える「参加型」プロジェクト(=経済活動支援)です。柳澤さんは、みんなにレシピを配ってあぶら麩をバンバン販売しています。 余談ながら、ミンナDEカオウヤプロジェクトの商品はダイバーシティとやまも販売しています。次の日曜(7月29日)には東北AID2というイベントで販売しますので、ぜひ買いにいらしてくださいね! こんな風に、とっても活動的な柳澤さんですが、引きこもってぼうっとしている時間も好きなんだとか。ご主人が名古屋に単身赴任中なので、週末夫婦を楽しんでいます。 ダイバーシティにとって大切なのはフラットな意識。常にフラットな目線でいたい、とおっしゃる柳澤さん。 これからも、日本に置いてのCSRの認知度をもっと上げるべく、突き進んでいかれることでしょう。 ダイバーシティ研究所の女性パワーはホントにすごい!と改めて感じた、今回のインタビューでした。 |