今日の人60.岩田弘志さん [2012年10月04日(Thu)]
今日の人は、シンガポール和僑会代表理事、シンガポール経済新聞編集長の岩田弘志さんです。
シンガポール和僑会は世界中から注目を集める国際都市シンガポールの和僑会組織として、会員間の相互扶助、各会員のも目標達成の支援、及び地域・社会への貢献を目的として活動を続けています。そしてシンガポール経済新聞はシンガポールの街角で日々起こっているビジネス&カルチャーニュースをお届けするインターネットの情報配信サービスです。シンガポールのホットな話題がたくさんですから、ぜひご覧になってくださいね。 岩田さんは富山県の入善生まれ。おとなしい子で小さい時から読書家でした。特にSFが好きでした。手塚治虫も大好きでほとんどの作品を持っていて、なかでもいちばん好きなのは火の鳥でした。実は、岩田さんが9歳の時に、3歳だった弟が用水で溺死してしまうという痛ましい事故が起きました。そこから、岩田さんは物事について深く考えるようになりました。人の生死、輪廻転生といったものを深く描いている火の鳥が好きになっていった少年の心の痛みはいかばかりだったでしょうか。 中学校に入ると、異次元的な世界に興味を持ち、当時流行っていたムーという雑誌を愛読しているムー少年でした。音楽グループのカシオペアにもハマり、公会堂のコンサートでは並んでチケットをゲットしていました。そういうわけで、高校ではバンドを組んだりもしました。 そして大学では軽音楽部やテニスサークルを掛け持ちする、バブル世代にはよくありがちな学生生活だったようです。けれど、子どもたちをキャンプに連れて行ったり、スキースクールで教えるというバイトもしていました。40日間志賀高原に篭りっぱなしだったことも。 岩田さんは商学部なのですが、卒業の1年位前から、パイロットになりたいと思うようになりました。以前はパイロットと言えば理系の職業だったのですが、当時、文系にも道が開かれるようになっていました。しかし、試験を受けましたが、願いは叶わず…。 とりあえず就職して5年間流通の仕事をしましたが、つまらないと感じ、アタッカーズ・ビジネススクールに入ります。 その後、マレーシア、タイ、シンガポールをめぐる旅をしている時に、たまたまシンガポールで海外引越を専門とする「CROWN LINE」のCEO森 幹夫さんと会う機会に恵まれました。ただ、森さんに会いたくて会社訪問をしたので、旅行者そのままのジーンズにバックパックという格好で行ったのに、いつの間にか面接になっていて、森さんから、うちの会社に来ないかと言われたのです。 兼業農家の長男、ということもあって、シンガポールに渡ることを3ヶ月悩みました。しかし、1998年9月にシンガポールに渡ることを決断。 とにかく最初はがむしゃらに働きました。そのうち、シンガポールでフリーペーパーを始めるようになり、日本語ラジオ放送でパーソナリティも務めるようにもなりました。 「海外ビジネス最前線」というブログでシンガポールからの記事を発信するようになりました。そんな時、関連会社で「シンガポール経済新聞」のプロジェクトが立ち上がることになり、岩田さんはそちらに移籍して、最初の編集者として最初の10ヶ月、体制づくりに尽力しました。訳あって会社を辞することになったものの、「◯◯経済新聞」の意義はずっと強く感じていました。 その後は、他にも今では当たり前になったインターネットで日本のテレビ番組を配信する事業を先駆けてやったり、海外フリーペーパーのウェブサイトを作ったりと、さまざまなことを手がけました。 そして、シンガポール経済新聞と別れてから3年後、本当にタイミングよくシンガポール経済新聞を引き取らないか、という話が降ってきて、岩田さんは編集長として、今も日々ホットなニュースを配信されています。 シンガポールの魅力は自分の当たり前が壊れることだと岩田さんは言います。多様性を認めている国ですし、気候的に体調管理もラク、移動もラク、安心安全、そして文化的にとても軽く、おもしろいことはとりあえずやってみればいいじゃん、というノリ。そんなシンガポールが岩田さんは大好きです。 ずっと現地にいる人だけでなく、現地に飛び込んで来た人が隅っこに追いやられずに活躍できるようにしたい、そのためにもフリーランスや独立してやっている人と連携していきたい、と岩田さんは考えています。 この11月には世界各国から500人が集まる和僑会の大会を開催します。 「和僑アジア大会2012inシンガポール」です! 詳しくはこちらをチェック ⇒http://www.greatwakyo.com 今、地方の観光のウェブサイトは固定化されてしまっているものがとても多い。でも、お金を落とす層は観光地ではなく、街に集まると岩田さんは考えています。だから、みんなの経済新聞ネットワークでいろんなホットな街ネタを多言語で配信する。そうすれば世界中からその街に人が集まるのではないか? 例えば、富山の街に、アキバのように流れの外国人がたくさん遊びに来るようになれば、本当におもしろい。でも、それは情報の発信の仕方次第で可能だと、岩田さんは考えているのです。 海外からどんどん新しい風を入れてくれる岩田さん、そんな岩田さんが富山の若者に言いたいことは、とにかく、外に飛び出して行って見てこいよ!ということです。 飛び出さないと、おもしろいことは起こらない。それは富山にずっといたって同じこと。 そんな富山の若者に世界で活躍する富山県人を紹介して、少しでも自分が飛び出す力にしてもらいたい、そう思って、岩田さんは「世界のとやま人」を富山で紹介する活動もなさっています。 これからも、岩田さんはたくさんの新鮮な情報をシンガポールから発信なさってくださることでしょう。シンガポール経済新聞、ぜひみなさんもチェックをお忘れなく! そして、富山経済新聞もまもなく配信されるであろうことも告知しておきます。富山経済新聞が多言語で即座に配信されれば、富山の海外での魅力はう~んとUPするでしょう。その日を心から楽しみにしています。 |