CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
«今日の人52.土井佳彦さん パート.2 | Main | 今日の人54.マット・ダグラス(Matt Douglas)さん»
<< 2020年02月 >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
プロフィール

宮田妙子さんの画像
カテゴリアーカイブ
リンク集
最新記事
https://blog.canpan.info/diversityt/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/diversityt/index2_0.xml
月別アーカイブ
このブログをSNSで紹介
最新コメント
おかうえ
今日の人152.吉谷奈艶子さん (08/21) りんりん
今日の人114.村木真紀さん (05/19) ゆかり
今日の人114.村木真紀さん (05/09) 宮田妙子
今日の人149.河除静香さん (09/24) 橋本桂
今日の人149.河除静香さん (09/08) 高木敏夫
今日の人123.高橋太郎さん (04/14) 大太
今日の人4+.森本耕司さん (07/17)
最新トラックバック
今日の人53.東 真盛さん [2012年08月22日(Wed)]
 今日の人は社会福祉法人めひの野園障害者支援施設うさか寮施設長の東 真盛さんです。
写真 12-08-17 14 59 53.jpg
東さんには4月2日に行った世界自閉症啓発デー五箇山菅沼合掌造り集落ブルーライトアップの時にワークショップもしていただきました。
 
 東さんが生まれたのはその五箇山。小学校の同級生は7人しかいませんでしたが、自然豊かな環境で、釣りをしたり、秘密基地作りをしたり、雪の日には“しみしみばんばん”(朝、雪が凍って固くなった状態)の上を歩いたり、とても元気な子ども時代を過ごしました。
 中学に入ると、今度は一学年18人。部活を選ぼうにも男子はバレー部しかありませんでした。しかも熱血先生だったので、けっこうしごかれました。高校は軟式野球部で、割りとほのぼのとした部活だったなぁと東さん。
 
 小さい頃から機械をいじるのが好きだったので、パソコンも初期の頃から触っていました。では理系かと思いきや、さにあらず。文系に進んで大学では心理学を専攻します。ものが溢れている時代だから、これからは心理学だ!と思ったのでした。ゼミでは行動療法について学び、サークルはボランティアサークルに入り、子どもたちとふれあっていました。指人形が大好きな子どもと指人形を介して人間関係を作っていき、最終的には指人形がなくても話せるようになるなど、とても感動した体験も多かったのですが、言葉のない話さない子に無理に言葉を教えようとして失敗したこともありました。

 就職は大学時代の経験を活かして自閉症の施設も考えたのですが、富山には福祉施設が身近になく、民間企業に入社しました。時はバブル。営業経験を経た後、新人類と呼ばれた学生たちの採用にあたる人事の仕事を担当しました。
 しかし、人事の仕事の時に、バセドウ病を患い、手術で声が出なくなってしまいます。リクルーターとして、声が出ないのは致命的でした。自分の思いが伝わらないつらさ。訓練してなんとか声は出せるようになりましたが、長時間しゃべると、酸欠状態になります。
仕事にやりがいもあったのですが、とても続けられる状態ではありませんでした。

 そんな時、富山にも自閉症の施設があると知ったのです。
しかし、施設の自閉症の人たちを見てショックを受けました。不適応行動が非常に多いのです。子どもたちと接していた時とのギャップの大きさにとまどい、彼らの行動にいかに対処していくかに心を砕きました。そうしていくうちに自閉症の人たちに“はまり”ました。彼らは本当に純粋で、心にとても正直です。嘘はつけないのです。自閉症の人たちのことは接しないと絶対にわかりません。一見理解できないと思う行動の裏には必ず原因があります。自閉症の人に、人を欺こうとして行動している人は誰一人いない、東さんには強い確信があります。それだけ彼らはピュアな心の人たちなのです。そんな彼らに自分の思いが伝わった時の喜びは、なにものにも代えがたい。
そしてまた彼らは大きな痛みも抱えています。彼らの痛みを痛切に感じる経験が、東さんを突き動かすエネルギーになっているのです。その人を見て、いかに発想していくか、それは必ずしも福祉の世界に特化しているわけではありません。そして、発達障がいの人が住みやすい社会は、すなわち誰にとっても住みやすい社会と言えます。そういう社会にしていきたい!東さんはそう考えています。

 でも、それは決して奇想天外な取り組みとしてではなく、身の丈にあった自分の仕事のテリトリーでできる範囲の取り組みをしてきたし、これからもそうしていきたい。よりリアルなプランで、よりリアルな成果を上げていきたい。
 その一歩一歩の積み重ねが、きっと発達障がいの人にとって住みやすい社会の実現につながると言えるでしょう。そして、それはまさに、ダイバーシティの考える社会の在り方なのです。よりスタンダードの広がった社会、障がい者も、外国人も、高齢者も、それぞれに強みを活かせる社会を私たちも目指しています。

 でも、そのためには、当事者だけでなく、周りの人々の意識改革が何より大切です。社会的な少数者がいくら力を発揮しようとしても、地域の側がダイバーシティの視点を持っていないと、また排除されてしまう。お互いに影響を及ぼしながら、調和のとれている地域社会を目指していかなければ!そして東さんは、富山で先頭を切って、その改革をされている頼れる先輩なのです。

 年をとったら、故郷五箇山で障がい者相手の観光業をやりたいなぁとおっしゃる東さん。
庭でいちごを栽培して、みんなでいちご狩り。いちごだけのメニューの喫茶店で、そこでは普段気の休まる暇のない障がい者の親も、とってもリフレッシュできる。みんなが気軽に集まれて、そしてお互いをフォローしあえる場、そんなストロベリーハウスを開きたいなぁ…。
 自閉症の人たちには、子どもの騒ぎ声や大きな音がとても苦手な人が多い。一般の観光地ではそういう人達が心からくつろぐことはできません。彼らが心からくつろいで楽しめるサービスを提供する施設が作れたら…。そのサービスは決して彼らだけのためのものではなく、健常者にとってもスペシャルなサービスになるにちがいない。そういうことをいろいろ考える時間がとても楽しい時間だと、素敵な笑顔でおっしゃいました。

 東さんはこれからも地域を変えるアプローチで、自閉症の人たち、発達障がいの人々が、もっと住みよい富山になるように動いていかれることでしょう。長期的な視野を持ちながら、スモールステップで積み上げていくことの重要性を教えてくださる東さん。
私も東さんの歩みに歩を重ねられるようがんばっていこうと思った、あったかいインタビューでした
コメントする
コメント