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今日の人34.石川真一さん [2012年03月14日(Wed)]
今日の人は一昨年11月にNPO法人ロシナンテを起ち上げ、昨年1月中旬に氷見市内の民家を借りて、障害者の自立訓練の支援事業を始めた石川真一さんです。
IMG_1435.JPG 
石川さんは小学生の頃から野球漬けの野球少年でした。勉強そっちのけで野球に明け暮れる日々。家庭科でエプロンを作るという課題が出た時は、型紙に沿って切った生地をセロテープでくっつけて出す、という悪ガキぶりを発揮していました。しかし、その時の先生は、怒りもせずに石川さんたちがセロテープでくっつけた生地をそっと縫っておいてくれたのです。
「先生は何も言わずに自分たちのためにエプロンを縫ってくれた。」それに感激した石川さんは将来は学校の先生になろう!と考えました。しかし、勉強せずに野球に明け暮れる日々は相変わらずでした。

中学、高校もその調子で、授業中は寝てばかりいたので、先生もあきれて石川さんを当てずに飛ばしてしまうこともしょっちゅう。その頃になると、子どもの頃に先生になろうと考えていたことなど忘れて、高校を卒業すれば働けばいいやくらいに思っていました。青春時代真っ盛り、人間がきらいで尾崎豊やブルーハーツばかり聞いていました。そんな石川さんを見かねて野球部の監督は「お前のようにゆがんだ奴は福祉の世界に行って人間について学んでみたらどうだ?」と言ってくれました。
…素直にそう思ったわけではありません。ただ、高校を卒業してすぐに働くより、4年間遊んでからの方がいいかな、と思ったので大学に入りました。でも、なんだかんだ言いつつ、福祉大学に入ったのですから、監督の想いはしっかり石川さんの心に届いていたのでしょう。
 大学に入ってからも、それまで同様野球部に入ろうかと思いましたが、大学野球は強い選手がたくさんいることもあって、その道はあっさりあきらめました。代わりに入ったのはボランティアサークルです。高齢者、障がい者、養護施設の子ども、それぞれへのボランティアをしましたが、石川さんがいちばん心に残ったのは、養護施設の子ども達へのボランティアでした。
養護施設の子どもが親になると、またその子が養護施設に入る、そんなチェーンをどうやったらとめられるのだろう、そんなことも考え始めるようになりました。大学の勉強自体はあまりせず、バイトに明け暮れ、それ以外はパチンコやスロットばかりして過ごしていましたが、その子ども達へのボランティアだけは4年間続けました。
 
そうして、4年間を過ごし、就職するにあたって富山に帰ってくることにしました。たまたまその時、知的障がい者の入所通所施設いみず苑が開設される時で、採用試験を受けたら受かってしまったのでした。
 
働き始めて思ったことは、「障がい者はなんで俺の言うことをちゃんと聞いてくれないんだ!」ということでした。実は大学のボランティアサークルで障がい者施設へ継続してボランティアに行かなかったのも、そういう思いが強かったからなのです。   
でも、大学のときの石川さんから変化したのは、それで嫌だと思うのではなく、むしろその想いを原動力にしたということでした。あれだけ勉強が嫌いだったのに、休日を月の真ん中に集めて、強度行動障害の勉強会にも積極的に参加し始めました。そして、自分でも驚くほど、真剣に勉強するようになっていました。
 
ある時、施設の利用者のお父さんから言われます。「石川さん、うちの子にいったいどんな方法を使ったんですか?」その子はずっと指をかむ癖があって、指に噛みだこがついていました。石川さんが、その指の噛みだこを消してしまったので、びっくりしたお父さんがそういったのです。
石川さんは、その人が問題行動を起こしそうなときに一緒に何かすることで、問題行動が減るということを発見します。無理やりやめさせようとするのではなく、指を噛みそうなときに一緒に楽しいことをやる。そうすることによって、いつの間にか 噛みだこが消えていたのでした。

こうして一歩ずつ前に進むことに喜びを感じるようになっていった石川さん。そんな中、全国の取り組みにばかり目を向けていたけれど、実は富山にも全国と同じような、いや全国に先駆けた取り組みをしている人もいるということを知りました。こんな身近にこんな素晴らしい人たちがいるのを知らなかったなんて、自分たちは横のつながりが乏しいのではないか。そして、なにより障害者の特性に応じた選択肢が少ない富山の現状をなんとかしたい。それに、福祉に志を持った次の世代が育ってほしい。そういう想いを抱いた仲間が集まって作ったのが、「元気出そうぜ!富山福祉ネットワーク」でした。
愛知県半田市のNPOふわりの戸枝陽基理事長、名古屋市のNPO起業支援ネットの鈴木直也副代表理事を講師として、2010年5月からキャリアアップ研修会も毎月開催しています。今はこのネットワークの仲間は石川さんにとってなくてはならない存在です。そして、富山の福祉に新しい風を入れるべく、この福祉ネットワークの中から起業していく若者も現れ始めました。石川さん自身も起業した一人です。

施設の利用者は今までは地域の中というよりは、地域の外の施設の中に隔離されて過ごしていることが多かった。でも、このままではいけない。99人が地域で過ごせなくても、誰か1人が地域で過ごせるようになれば起業する意味がある!そう思ったからです。

石川さんの起ち上げたロシナンテは障がいを持っている人が常に支えられる立場にいるのではなく、障がい者も地域の人を支える立場にもなる、そんなWin Winの関係を目指しています。
ロシナンテのある氷見は高齢者の多い地域です。買い物や通院をしたくても、車がなくてできないお年寄りも多い。いちいちタクシーを使っていたのでは、交通費がバカになりません。一方ロシナンテの利用者さんの中にはドライブが大好き、人と話すのが大好きという人がいます。両者をマッチングさせれば、お年寄りは足ができる、ロシナンテの利用者さんは、自分の得意なことで役に立てる。
他にも地区社協の一員として、安心生活創造事業にも携わっています。氷見のまちなかサロンは金曜はボランティアが少ない。そこで、その日に、ロシナンテの利用者とスタッフが一緒にお店番をするのです。その利用者さんはおしゃべりが大好きで、お客さんが帰るときに「おばちゃん、また来てね!」とニコニコしながら声をかけています。そうすると、地域の人たちの見方が変わってきます。障がい者施設の利用者という見方ではなく、ロシナンテの○○ちゃん、ときちんと名前で呼ばれるようになる。そう、地域の人に名前で呼ばれる関係になること、これも石川さんが目指していることです。
また利用者さんの中にとてもうるさい子がいました。すると地域の人から、「防犯の服を着て歩けばいいんじゃない?」と言われます。その子が防犯の服を着て町中を歩けば、防犯の啓発効果が抜群!
こうして、障がい者が地域の中に自然に溶け込んでいって、その地域の文化になじんでいけば、Win Winの関係になることは決して夢物語ではない!石川さんはそう信じています。

こんな熱い想いを持った石川さん、3〜4年後にはお店を出したいという夢も持っています。コンセプトは「はじめてのおつかい」
障がい者はそれぞれの得意分野が活かせることで活躍できて、お店にはいっつも近所のおじいちゃんやおばあちゃんが集まっている。そして、子どもたちもおつかいをしにお店にやってくる。お店で買いものするじゃなくて、子どもたち、お年寄り、障がい者が一緒に笑顔になれる、そんな街の憩いのお店。
石川さんならきっとできる!そして、障がい者が地域の外ではなく、地域の中に溶け込んで活躍できる、そんなダイバーシティな世の中を、もちろん私たちダイバーシティとやまも一緒に作っていきたいと思っています。
早くロシナンテのお店に行って買いものがしたいですね(^_-)-☆氷見だけじゃなくて、富山にも高岡にも射水にも県内各地にそんなお店ができる日もきっとそう遠くない日に来るでしょう。特別じゃない、当たり前に障がい者も、外国人も地域の中で暮らしている街。障がい者も、外国人もお年寄りも、ちゃんと力を出せる街。それが、今の日本が元気になれる街づくりの形だと、私も信じています。


次項有お知らせ!!
3月17日(土)石川さんが代表を務める「元気出そうぜ!富山福祉ネットワーク」主催の福祉フォーラムin TOYAMAが開催されます!むそうの戸枝さんを始め、福祉の分野で全国で活躍していらっしゃる方が富山に集結!めったにない機会をぜひお見逃しなく!

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