今日の人221.古木康大さん [2022年07月18日(Mon)]
今日の人は、株式会社理想経営の組織開発コンサルタントで、キャリアカウンセラー/MBTI認定ユーザー、“職業という切り口から多様な観点で世界を知り、自分の働き方について考えを深めるためのポッドキャスト職業ダイアログを発信している古木康大さんです。
古木さんは1989年平成元年に富山市で生まれました。小さい時の記憶はあまりないのですが、お父さんがキャンプとアウトドアが好きだったこともあって、夏は海や山、冬はスキーに行くのが家族の恒例行事でした。両親は2人とも小学校の先生でした。両親が帰ってくるまで、友だちの家に遊びに行ってゲームで遊んだり、公園で遊ぶのも好きでした。 でも、いちばん好きだったのは読書でした。3歳年上の兄の部屋にあった小説を読んだのがきっかけでした。ライトノベルから入って小説を読みふけり、休日は開店時間に本屋に行って、午前中ずっと立ち読みしていたそうです。特にSFやファンタジーなど、非日常なテーマが大好きでした。今でも、映像より小説の方が好きな古木さん。今、好きな作家は恩田陸です。 小学生の時になりたかった職業は、警察官でした。おじいちゃんとウルトラマンごっこをして遊ぶ過程で、正義のヒーローに憧れていたのかもしれません。今、古木さんの4歳と1歳半の息子さんたちもウルトラマンを見始めて、時代は巡るなぁと感じています。 古木さんのおじいちゃんも、お父さんもお兄さんも、中学校の頃はみんな柔道部でした。自分もそうだろうと中学校ではあまり疑いもせずに柔道部に入りました。中学校ではお兄さんも古木さんも生徒会長でした。ただ、古木さん自身は、シャツを出して廊下を歩いているような生徒会長でした。周囲の期待に応えたいと思いつつも、どこかはみ出していたかったのかもしれません。自由であることを大事にしていました。友達に「古木って変わってるよね」と言われるのは、まんざらでもありませんでした。 両親が小学校の先生で、中学校までは兄と同じ進路を辿っていたので、「古木家の次男」と周りから意識されることが多いように感じました。結果、高校は兄とちがう学校にしようと、富山東高校に進学しました。 高校では、ラグビー部に入部します。同級生である1年生は10人いるが、先輩は2人しかおらず、アットホームで上下関係があまりない部でした。古木さんにとって、思い切り体をぶつけ合うラグビーはとても楽しかった。でも、ラグビー以外では初めて人間関係に悩んだ時期でもありました。小中学校はほぼエスカレート式で知り合いが多かったのに比べて、高校は全然知らない人がほとんどで、最初どうやって友達を作ればいいかわからず悩みました。友達ができてきて居場所ができたと感じてから、その悩みはそのうちなくなりましたが、環境変化した時に友達を作ること、居場所を作ることに対する不安要素は残りました。 2年生の時には文化祭で劇をやりました。脚本も主役も古木さんでした。ラグビーも、遊びもそれなりに充実していました。進路を決める時には、女子が多いからという理由で文系を選択しました。それだけ自分の進路を選ぶ理由が自分の中に乏しい状態でした。 高校3年の春にはラグビー部を引退し、その後は大学受験に向けてし勉強し始めました。やるだけ成績が伸びて模試の評価も上がっていき、勉強自体は楽しかったようです。 こうして、金沢大学の地域創造学類に現役合格しました。金沢大学が学部から学類に変わった最初の年でした。 大学ではワンダーフォーゲル部に入りました。自然を満喫したいと思ったからです。ここ大学でも最初は人見知りでしたが、2か月経つと自分の居場所もできました。同じうどん屋で4年間ずっとバイトもしました。NHKのADのアルバイトもしました。地域創造学類では文系だけど農業もやるような学際的なところでした。校内に炭焼き小屋を建てたり、珠洲に合宿に行ったりしてとても楽しかった。ゼミに部活にバイトに、とても充実した学生生活を送ったのでした。 卒業後は、リサイクル業界(産業廃棄物中間処理業)に就職しました。事業として社会に貢献できていると自分が実感できて、未知の領域が見えそうだと思ったからです。ただ、いざ就職すると、入社1週間で悩み始めることになりました。大学生の頃は、働いている人はみんな、誇りを持って働いているのだと思い込んでいました。でも、現実は違いました。現場の工場見学をしていて、現場の社員の方に、「何でここに入ったの?もったいない」と言われました。言った人にとっては気軽な言葉だったと思いますが、古木さんにとってはショックでした。まず、言った人がそもそも仕事を好きではないのだと感じショックを受けましたし、新入社員である自分にそんなことを言ってこの人に何の得があるのだろうと理解に苦しんだからです。また、会社では周囲からの期待がとても大きく感じており、「できる自分」を取り繕わないと、価値が無いと思われる、見捨てられると、いつも焦っていました。できない自分を自分で認められない、そんな気持ちを抱えながら働く中で、自損事故も何度か起こしました。それだけ追い込まれていたのでしょう。「お前、いい大学に行ってたのに、頭がいいのに、全然仕事できないな」そう言われるのが苦痛でした。どんな自分を見せればいいんだ。誰か助けて。 思えば、小さい時から困難と呼べるほどの困難にぶつかって乗り越えてきたことがなかった挫折の少ない人生でした。ぶつかった大きな壁をどのように乗り越えればよいのかわからず暗中模索の日々でした。 何かしなければ、そう思って、入社から半年後に月1の異業種交流会をやり始めました。4年間取り組む中で、今、富山で活躍している多くの仲間に出会いました。迷わない自分になるにはどうしたらいいんだろう?出会いをくりかえる中で、「理想経営」の研修に行きつきました。その中で「You are the CEO of your Life」という概念にガツンとやられました。そして、働くことを考えることを仕事にしたい、自分はこの会社で働きたいと熱烈に思いました。こうして、リサイクルの会社を4年で辞め、株式会社理想経営に入社したのです。 もちろん、今も悩みはあるけれど、悩んでいた時期にあった進む先が全く見えないような絶望は感じていません。自分の働きかけで環境は変えられると知ったからです。理想経営では企業研修や大学のキャリア教育等を行っています。学生たちや受講者の皆さんにどう伝わるか、どのように学んでいただくかを考えながら、講義のパワポを作る時間は脳みそフル回転しています。 また組織開発コンサルタントとして、1人1人が望ましいキャリア実現し続けることを支援しています。自らが感銘を受けた「You are the CEO of your Life」という考え方はとてもクリエイティブでおもしろい。前職で働くって何だろうと考え続けていたので、考えながらお金をもらえる今の環境は一石二鳥だと感じています。自分の関心事を仕事を通して体現していけて、自分の状況を好転的にとらえることができる、だから今は精神的にとても解放されていると感じています。 職業という切り口から多様な観点で世界を知り、自分の働き方について考えを深めるためのポッドキャスト職業ダイアログも始めました。 〜世界は人の想いで溢れている〜“職業”とは、“他者に貢献できるプロセスが言語化したもの”だと古木さんは考えています。 「どんな職業があるのだろう。どれだけの貢献のプロセスがあるのだろう。 世界は誰かの仕事でできていて、職業を知ることは、世界を知ることです。 誰かの職業を知ることで、世界の構造を知り、 どんな自分でありたいか、思考を深める機会といたします。」と職業ダイアログのページにあります。この職業ダイアログ、なんと私のこのブログも始めるきっかけの一つになっているのだとか。なんて嬉しいんでしょうか! 古木さんのポッドキャスト、皆さんもぜひ訪れてみてくださいね。 職業ダイアログ→https://open.spotify.com/show/4wGfqqmPyxcvo16FT5scIr 古木さんは思います。可能性を感じる機会があると、ポジティブに生きていける、と。 先日もピンチヒッターで、急遽講座に登壇するという経験をしました。予想外の機会に慌てるのではなく、その機会を自分でポジティブに作れたらとても楽しい。経理のマネジメントは想像がつくけれど、想像がつかないカオスなことを興味の赴くままにやっていけたら、そしてそれが仕事と結びついていたら、こんな楽しいことはありません。 そっか〜、古木さん、なかなかの変態ですね!(もちろんいい意味です) そんな古木さんにホッとできる時間を尋ねると、「講師業はみんな常にスキルアップしています。だから、自分はホッとしていいのか?と思ってしまうのです」との答えが返ってきました。パソコンやスマホがあると、仕事やらなきゃ、と思ってしまうところがあるので、何も持たずに山に登ると、何者でもない自分になれます。そういう意味では、誰とも連絡できない時がホッとする時間かな、と笑いました。何でも先読みしちゃうタイプだから、いろいろいつも考えているけれど、でも、悩みに向き合うことも仕事の糧になると思っています。こんな風に仕事にとても真摯な古木さんだからこそ、何も持たずに山に入る時間がとても大切な時間になっているんだろうな、と感じました。 でも、古木さん、今は4歳と1歳半のお子さんもいるので、子育てにも忙しいのです。奥さんも仕事をしているので、お互いの仕事への気持ちを大事にしながら子育てしていきたいと考えています。 子育ての現役世代としてもいろんなアイディアが出てきます。今、思っているのは内川でキッザニア。内川は狭い範囲にいろいろ集まっているから、きっと楽しい!そうこの「楽しそうだな」という思いが古木さんのモチベーションになっています。その想いがあれば、きっと人生絶望せずに歩いていける、そう思っています。 そんな古木さんの好きな食べものは、たこ焼き。子どもたちと一緒に自分で作るのが好きです。お父さんが焼いてくれるたこ焼き、きっと子どもたちにはどんなたこ焼きよりも美味しいことでしょう。いつか、留学生も一緒に、たこ焼きパーティできたら楽しそうですね。 その時はぜひ私も、ご相伴にあずからせてください。 |