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国連専門家パネル、金やダイヤモンドが中央アフリカ共和国の紛争助長と報告 [2015年06月07日(Sun)]
国連専門家パネル、金やダイヤモンドが中央アフリカ共和国の紛争助長と報告

【2014年11月5日ダカール(セネガル共和国)=ダニエル・フリン(ロイター通信)】
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燃え盛るバリケードの前に立ち、仏軍に対して抗議している男性の様子
(2014年5月22日 バンバリにて)REUTERS/GORAN TOMASEVIC

金やダイヤモンドの売上が、中央アフリカ共和国で紛争の財源に使われています。そのため国連平和維持軍は採掘現場を監視し、違法な取引を取り締まるべきだと、国連専門家パネルは述べています。

曰く、「国連中央アフリカ共和国ミッション(MINUSCA)は中央アフリカ北部の僻地に軍隊を配置し、無人飛行機(ドローン)による監視と、暴力行為の防止に努めるべき」。9月に始動したMINUSCAは、当初予定していた総勢1万2,000人の規模のわずか3分の2のみで活動しています。

中央アフリカが混乱に陥ったのは、2013年3月。北部を拠点としていたイスラム教徒主体の反乱軍セレカが、キリスト教徒主流の政権を打倒。これがキリスト教徒主体の反乱軍「アンチ・バラカ」による激しい反発を引き起こすことになりました。国連安保理事会が武器禁輸措置を課した2013年12月から2014年8月までに、約3,000人が殺害されたと報告されていますが、民間人の死者数は減少しているといいます。

反乱軍セレカの指導者ミシェル・ジョトディア氏は、民間人の殺害、略奪、強姦が何か月も続いた後、国際社会から圧力を受けて1月に大統領職を退き、セレカ戦闘員は中央アフリカ南部から撤退しました。以前から拠点を置く北部で、金鉱からコーヒー、家畜、ダイヤモンドまで幅広い商品に課税して、組織運営の資金源にしていると報告されています。
また彼らは中央アフリカ中部ナシマ鉱山にいる金鉱労働者に対して採掘許可を出していました。

3月以降、反政府勢力の武装解除については全く進展がなく、和平実現への望みが元セレカ勢力とアンチ・バラカ勢力の内部分裂によって複雑化しています。またカトリーヌ・サンバ=パンザ暫定大統領が武装勢力メンバーを閣僚に任命すると決定したことが争いを扇動した可能性があるといわれています。

「閣僚の座をめぐる武装勢力の争いと、資源の支配権をめぐる軍司令官の争いが、元セレカ構成員と、対立するアンチ・バラカ勢力との間にある最近の内部抗争の原因である」。これは今週になってようやく公表された報告です。

武装勢力とマハマト・アルカティム准将率いる元セレカ部隊による民間人への攻撃が続き、村を焼き尽くしたり、強制退去を求めたりしたため、アフリカ中北部の国であるチャドと中央アフリカ北部の間に緩衝地帯が設置されたことが明らかになりました。

一方専門家パネルは、国連が12月に課した武器禁輸措置への重大な違反はないとしています。

主要ダイヤモンド産出国を含む81か国が合意するキンバリープロセス制度。「血のダイヤモンド」が紛争の資金源にならないよう取り組み、2013年に中央アフリカ産のダイヤモンド原石に対して禁輸措置を課しました。
しかし、禁輸措置以降も、さらに14万カラットのダイヤモンド、金額で2,400万米ドル相当(約28億円)のダイヤモンドが中央アフリカから密輸出されたと言われています。


※本記事は「ロイター通信」ホームページに掲載されたものをDFPにて翻訳したものです。
原文:「Gold, diamonds fuelling conflict in Central African Republic: U.N. panel」
http://www.reuters.com/article/2014/11/05/us-centralafrica-un-panel-idUSKBN0IO21420141105

インドのダイヤモンド産業における児童就労、憲法で廃止後も継続 [2015年05月22日(Fri)]
インドのダイヤモンド産業における児童就労、憲法で廃止後も継続

【2015年2月8日Rumani Saikia Phukan(マップス・オブ・インディア)】
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インドでは憲法や法律によって禁止されているにも関わらず、未だに児童労働が広く蔓延しています。児童労働がこの国のGDPを支えているのは紛れもない事実です。驚きましたか?その事実に私も衝撃を受けました。私は、児童就労が盛んに行われていることは知っていましたが、GDPに貢献するほどだという事実には気づいていませんでした。インドの主要産業はカーペット製造、絹産業、爆竹製造、飲食店、ダイヤモンド産業ですが、これらの産業で児童労働が盛んであることが理由です。その現状は、ダイヤモンド産業において、顕著です。

なぜ、ダイヤモンド産業における労働力として児童が好まれるか

ダイヤモンドをカットし研磨する作業には、完璧な正確さが求められます。そして、この技術はたいてい労働者の家族によって代々受け継がれていくか、現場での実地訓練により親方から徒弟へと引き継がれていきます。

ダイヤモンドの品質の判断基準となる4Cのうち、3C(色・透明度・重量)は自然界によって決められます。一方、残りのCであるカットについては、加工技術によって左右されます。
ダイヤモンドの美しさと価格を測る判断材料として、主にこのカットというプロセスが重視されると考えられています。良品とそうでないものを見分ける際のポイントとなる、ダイヤモンドの最終的な形状を決めるカット・研磨というプロセスは、労働者の鋭敏な視力と巧みな技術にかかっているのです。

この点が、大人より子供が適しているとされる所以です。

子供は鋭敏な視力を持ち、手さばきが安定しています。彼らは、大人よりも早く正確にダイヤモンドをカットすることが出来るのです。ダイヤモンド産業が他産業と比較し児童労働に大きく依存している理由の一つは、そこにあります。今日、ダイヤモンドのカットについてはインドがほぼ独占しており、世界の90パーセントのダイヤモンドが同国において加工されています。

この産業が儲かる理由は、低賃金で容易に調達できる労働力にあります。

貧しい家族が田舎から都市へ出て行くのに、この仕事は魅力的でした。この産業が成長してきた背景には、貧困家庭がそのような目的を果たすために、この労働市場に組み込まれていったことが挙げられるでしょう。

ダイヤモンド産業における労働環境

インドは世界最大の宝石カットセンターです。そのうちダイヤモンドも一つの重要な輸出品目であり、宝石・宝飾品の輸出のうち約80パーセントを占めます。

この産業が急成長した主な理由としては、容易に調達できる安価な労働力が挙げられます。ダイヤモンド産業は長時間の継続的な労働を伴うカット・研磨によって成り立つ産業であり、労働集約型産業です。

そして、その工場内は健康を害するような劣悪な環境と言われています。狭い室内に多数の労働者が詰め込まれ、換気は悪く、十分な明かりがついていません。混み入った室内にはダイヤモンド加工の過程で生じるちりやほこりが舞い、それが労働者の健康を損ねます。カット・研磨の作業の中で、就労する児童は身体の痛みに悩まされ指先に傷を負います。児童を含む多くの労働者が被る健康被害は、頭痛、眼精疲労、足や肩の痛み、虫歯、赤痢などです。

就労する子供の多くは10〜14歳の少年で、労働時間は1日あたり7〜9時間とされています。

ダイヤモンド産業の中心地

ダイヤモンドのカット・研磨の中心地は、インドのスーラト、ジャイプール、そして、ムンバイです。
そのうち、グジャラート州にあるスーラトは、この分野において世界の中心地とされています。ある報告書によれば、この地域のダイヤモンド工場で働く主に12〜14歳の少年らは劣悪な環境の中で長時間の研磨作業を強いられています。

ジャイプールにおいては、この分野の労働に携わる子供は2つのカテゴリーに分けられます。

一つ目のカテゴリーに分類されるのは、肉体労働に従事する貧困家庭の6〜10歳の児童で、朝の8時から夜の6時まで働きます。彼らは読み書きができません。 もう一つのカテゴリーに分類されるのは、10〜14歳の少年で、ある程度の安定した収入のある家庭に属しています。彼らは学校に通学しており、放課後に5時間程度働きます。

この仕事は、より良い仕事を求めて都市に出て来る貧困家庭出身の労働者で占められています。

ダイヤモンド工場を営む経営者は、ダイヤモンドの原石を流通業者から受け取り業務を歩合制で受託しますが、一方、そこで働く労働者に支払われるのは、低賃金の固定給です。大規模な工場で加工されることもありますが、ほんの一部とされています。

法的枠組みとNGOによる活動

インド憲法24条では、14歳以下の子供による工場・鉱山・その他における危険を伴う労働が禁じられています。また、21条では全ての州に対し6〜14歳の子供への義務教育を定めています。

1986年に児童労働法が制定されたことにより14歳以下の子供による危険を伴う就労が禁じられ、翌年1987年には児童労働への高い依存に対処する措置として児童労働に係る国の政策が発表されました。

そして1991年、国際労働機関(ILO)は世界中の児童労働撤廃に向け児童労働撤廃国際計画(IPEC)を立ち上げましたが、インドは世界で最初にこの覚書に署名をした国です。

また、インドには1948年に制定された工場法、1952年に制定された鉱山法、2000年の子供のケアと保護を目的に制定された少年法、2009年の無償義務教育法に関する子どもの権利法があります。これらは全て、子供たちの権利を守るために定められた法律です。

さらに、インドにおいて多くのNGOが児童労働撤廃に向けて努力してきました。

インド人のノーベル賞受賞者カイラシュ・サティーアーティは1980年、全ての子供を搾取から救い出し無償で質の高い教育を受けられるようにすることを目的に、バチパンバチャオアンドーラン(子ども時代を救う運動:BBA)を立ち上げました。このNGOは82,000人以上の子供を救済し労働者同士を繋ぎました。

その他にもインドには、CRYインディア、セーブ・ザ・チャイルドフッド財団、セーブ・ザ・チルドレンなど、子供の教育を受ける権利や児童労働の削減についての啓蒙活動をしているNGOが多数存在します。


要約すると、依然としてインドは、法や規制が制定されているにも関わらず、ダイヤモンド産業において大規模な児童労働の温床となっています。その多くの労働者がインド工場法によって守られておらず、児童労働法についてもほとんど機能していないのが現状です。

ダイヤモンド産業では6歳程の児童までもがカットなどの危険な労働に従事しているとされており、インド政府により危険な労働を伴う産業としてリストアップされています。

このような労働に携わる多くの児童らは、借金返済に追われていることが分かっていますが、児童労働はいかなる形態・いかなる産業であっても犯罪行為に当たり、完全撤廃されるべきです。とはいえ、それは一夜のうちに実現できるようなものではありません。

児童労働の主要な一つの要因として挙げられるのが、貧困です。多くの親たちは、児童労働の廃止を支持しません。家計を助けるために、家族自身が自分の子供を就労させるからです。

そのような現状を鑑み、貧困削減のために充てられる多額の資金がそれを本当に必要としている人々へ渡るよう、今こそ、政府がより厳しい措置をとることが求められています。ダイヤモンド産業において児童就労を余儀なくされている家族らは貧困削減プログラムによる手当を当然受け取るべきであり、そのための効果的な措置がとられるべきなのです。


※本記事はインドメディア「Maps of India」ホームページに掲載されたものをDFPにて翻訳したものです。
原文:「Child Labour in Diamond Industry Continues in India Despite Abolition」 
http://www.mapsofindia.com/my-india/government/child-labour-in-diamond-industry-in-india-it-will-continue-why (2015年5月2日閲覧)

Liberia NOW!第4回「ブッカー・ワシントン職業訓練校とエボラ」 [2015年05月19日(Tue)]
第4回 「ブッカー・ワシントン職業訓練校とエボラ」

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卒業証書を授与される卒業生
<サミュエル・G・コリンズ撮影>

 エボラウイルス感染拡大を防ぐため、リベリア政府は昨年度、国内全ての学校を休校とする措置を取りました。首都モンロビアから北に約70kmに位置する都市カカタにある農業と工業の職業訓練校ブッカー・ワシントン校もそのひとつでしたが、2015年3月28日には、延期されていた昨年度の卒業式を行うことができました。
 当初、学生や教員その家族らは、政府の決定に不満を抱いていました。しかし、日々エボラによる死亡者数が増加。ウイルスはリベリアの都市カカタとマギビ州において猛威を振るい、特に、モンセラード州ペインスヴィルにあるELWAエボラ治療施設では、12名以上の看護師が亡くなりました。この事態を受けて次第に人々は政府の先見性に理解を示しはじめました。同校の学生の中にも死亡者が出ており、6名の卒業生が命を落としたと伝えられています。(ただし、エボラ治療施設以外の場所で死亡した犠牲者が多いため死因がエボラだと断定できないケースが少なくありません。)
 いずれにせよ、多くの人々がようやく卒業式を迎えられたことを喜んでおり、とりわけ、学生とその家族、教員らが嬉しさのあまり抱き合っている姿が印象的でした。皆、エボラが国内で未だ収束していないことを忘れているかのようでした。エボラ発生前と変わらない様子で民族舞踊が披露され、人々はその華麗なパフォーマンスを見逃すまいとしていました。一方、亡くなった犠牲者の死を悼み泣いている人も見かけました。
 330名の学生が、農業・ビジネス教育・設計・建築・自動車修理・家政学等様々な分野で学位を取得し卒業していきました。同校は4年制で、2年の中等教育と2年の職業訓練を受けたのち西アフリカ試験協議会が実施する試験に合格すると卒業となり、今回の卒業生はその課程を無事修了したことになります。
 最後に、同校設立の歴史をご説明しましょう。
 歴史を紐解けば、1924年キング元リベリア大統領が米国に公式訪問した際、ある記者が元大統領にリベリアに持ち帰りたいものを尋ねたと言います。回答は「もし叶うのならば、タスキーギー職業訓練校です」。つまり、リベリアにそれと同等の学校を設立したいとおっしゃったのです。同年、米国の慈善家オリビア・フェルプス・ストークス女史が融資を申し出ました。そして1929年に、ブッカー・T・ワシントン*の教育理念を受け継いだ精神・熱意・技術を有する人材を養成するための学校が産声をあげたのです。
 同校は80年以上存続し、リベリアの人間開発に大いに貢献してきました。しかしながら、長年に亘る内戦はそれを荒廃させ、以前のインフラや人的資源を回復するには多大な資金や人手が必要とされています。1997年の学校再開以来、財団による限られた資金を頼りに市民から寄せられる多くの要望に何とか応えている日々です。

 今後リベリア復興のために、大切なのは人材育成です。教育の重要性を理解されている皆様、今、ブッカー・ワシントン校は、助けを求めています。

*:ブッカー・T・ワシントンはアメリカ合衆国の教育者、作家。アラバマ州タスキーギに設立された黒人のための職業訓練校の校長を務めた。

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ブッカー・ワシントンの銅像の前で記念撮影をする卒業生
<サミュエル・G・コリンズ撮影>

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卒業式に参列する家族
<サミュエル・G・コリンズ撮影>

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喜びをダンスで表現する人々
<サミュエル・G・コリンズ撮影>

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<サミュエル・G・コリンズ撮影>


Liberia NOW!第5回「リベリアは完全にエボラから解放された国家になることができるか」 [2015年05月19日(Tue)]
第5回 「リベリアは完全にエボラから解放された国家になることができるか」

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中国政府支援のエボラ治療施設外観

 多くの命を奪ったエボラウイルス病が次第にリベリアから去っていく中、住民は複雑な心境にあります。ある人はエボラウイルスが、かつて感染をもたらした国に繰り返しやって来た長い歴史があることについて懸念しています。コンゴ民主共和国がその例であるといいます。コンゴで最初にウイルスが見つかったのが1976年で、それから4回にわたり感染が報告されています。一方で、ほとんどのリベリア人、特に敬虔さを自負する人々は、このウイルスの発生は神が国民に罪の報いであるということを教えるための罰であると考えています。彼らは、リベリアでは年々、悪事が増えていると感じています。富や財産を得るための殺戮、同性愛や蔓延する政治的腐敗などが神の怒りに触れて、神は死のウイルスをリベリアに送ったのだといいます。2015年1月、サーリーフ大統領の全国民への演説において、政治的腐敗を吸血鬼であると発言したことが思い出されます。したがって、彼らは国民が神の意思に反する愚行を悔い改めればエボラが再びリベリアで勃発することはないと考えているのです。                                
 保健医療当局と災害対策の専門家は小まめに手洗いをすること、握手や野生動物の肉を食べるのを避けることなどウイルスの拡散を防ぐための安全管理方法を守るように継続的に注意を喚起しています。彼らは国民のエボラに対する見方について、肯定も否定もしていませんが、リベリア国民がこれらの簡単な衛生管理方法を守れば、再びエボラが勃発することはないであろうと考えています。
 世界保健機関(WHO)の出した最新のリベリアにおけるエボラの統計によれば、リベリア国内では4573人の人が死亡しています。その内3151人が検査でウイルス陽性であったことが確認されています。ともあれ、この記事の焦点は、エボラの発生件数の減少とリベリアが、2015年5月にエボラからが終息したと宣言されてもなお、この継続的な減少傾向を維持することができるのかということです。この問題の背景には、シエラレオネ、ギニア、リベリアの3つの国に共通した文化と伝統的慣習があります。これらの国の国境は、検査なしで誰でも簡単に越えて移動出来るようになっています。例えば、リベリアにはギニアとの国境をまたいで農業をする人がいます。また、シエラレオネの国境沿いの住民のほとんどが、しばしば診療サービスを求めてリベリアを訪れていることが報告されています。リベリアでは、新たなエボラの発生は報告されていませんが、ギニアやシエラレオネではいまだ感染の報告が続いています。このことは現在、リベリアのエボラ治療施設にエボラの患者がいないからといって、リベリアがエボラウイルスから完全に安全になったとはまだ言えないということを示しています。私が訪ねたETU(エボラ治療施設)の一つで、サミュエル・K・ドゥースポーツセンター構内にある中国のETUの看護師も施設内にエボラの患者はいないが、その他の疾患でも2名の患者しか受け入れていないことを明らかにしました。
 リベリアが、エボラウイルスから完全に解放されるかどうかは、リベリア国民のシエラレオネとギニアの友人との日常的な関わりにかかっているのです。通常の生活が徐々に戻るにつれて、ほとんどの人がウイルスによって引き起こされた惨事をすぐに忘れてしまうようです。一部の学校や施設、会社に加えて、家庭内では95%もの家庭が、すでに手洗いのためのエボラ対策のバケツをおいていません。ほとんどの人々が徐々に握手やハグをするようになっていき、文化的・伝統的な儀式も再開するようになってきています。さらに、前述の3つの国の人々は、再び国境をまたいだ取引を行うようになっています。今回の感染拡大のように、ギニアからたった一人の感染した女性がリベリアの*ロファ州へ入った結果、多くの命が奪われたという事実を忘れてしまっているのです。政府は国民に対して、安全のためには、予防策をすぐには緩めるべきではないと呼びかけています。

*ロファ州:リベリア北西部のギニアとシエラレオネと国境を接した場所に位置する。

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中国政府支援のエボラ治療施設外観
<サミュエル・G・コリンズ 撮影>

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エボラ治療施設で働く看護師
<サミュエル・G・コリンズ 撮影>
中央アフリカ共和国におけるダイヤモンド禁輸措置解除の可能性 [2015年05月15日(Fri)]
中央アフリカ共和国におけるダイヤモンド禁輸措置解除の可能性

【2015年3月26日(木)中央アフリカ共和国=イリヤ・グリッドネフ(ブルームバーグビジネス)】

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 紛争地域から産出されるダイヤモンド原石の取引停止に努める国際的な枠組みキンバリープロセスが来月、中央アフリカ共和国の宝石業に対する禁輸措置を見直す予定であることが、欧州連合(EU)の関係者によって明らかになりました。
 業界関係者、市民団体、キンバリープロセス参加国の代表者から成る「評価使節団」が、4月28日から5月5日まで現地訪問すると欧州委員会外交政策措置実施担当部のヨリス・ヘーレン副部長が25日、記者の問いに対して回答しました。
 ヘーレン副部長は「現在実施している禁輸措置を解除する決定は、キンバリープロセス全参加国の合意をもって行わなければならない」と述べました。
 中央アフリカでは、2013年3月にフランソワ・ボジゼ前大統領がイスラム教徒主体の反政府軍セレカによって追放されて以降、暴動が勃発していました。キンバリープロセスは2か月後、紛争ダイヤモンドが輸出商品から完全に無くなったかどうか断定できないとして、中央アフリカ産のダイヤモンドの取引を禁止しました。
 国連によると、中央アフリカの内戦で、少なくとも3,000人が死亡、250万人以上が緊急人道支援を必要とし、約100万人が近隣諸国や難民収容施設に避難したといいます。

「並行のシステム」

 キンバリープロセス中央アフリカ事務次官のドミニク・ユーアン氏は1月、首都バンギでの会見で、禁輸措置によって、中央アフリカ政府は打撃を受けた経済を立て直すのに必要な収入源を奪われていると述べました。国際通貨基金(IMF)の推計では、中央アフリカの経済成長率は2013年に36%マイナス、昨年はわずか1%だったといいます。
 ダイヤモンドの禁輸措置は、認可を受けているダイヤモンドの会社が宝石を備蓄している一方で、不法にそれらを密輸している者がいるという『並行のシステム』を生み出しているとユーアン事務次官は言い、「もし禁輸措置が解除されなければ、その不法なシステムをさらに確立することになり、今後、解決することが一層困難になる」と語りました。
 米国地質調査所によると、中央アフリカは2012年、金額ベースで世界第10位のダイヤモンド産出国だったといいます。また、ダイヤモンドの採掘量が2011年では6,100万米ドル(約73億円)、2012年には6,200万米ドル相当(約74億円)であったと、キンバリープロセスは見積もっています。ベルギー北部アントワープを拠点とする調査団体、国際平和情報サービスは、中央アフリカの約30%のダイヤモンドと約95%の金が密輸出されていると伝えています。

密輸されるダイヤモンド

 中央アフリカを担当する国連専門家パネルの責任者であるオーレリアン・ロルカ氏は記者に対して、禁輸措置の導入以降、少なくとも14万カラット、金額で2,400万米ドル相当(約28億円)のダイヤモンド原石が密輸出されていると話しました。
 チャールズ・マリーナ駐中央アフリカ仏大使はバンギでの会見で、フランスは中央アフリカ西部における禁輸措置を一部解除することに同意するとした上で、「これは良い考えだが、我々全員が十分に注意を払う必要がある」と述べました。

 キンバリープロセスとは、ダイヤモンド原石の購入が武装勢力による暴力行為の資金源にならないようにするために2000年に結成された国際的枠組みで、米国、EU、ロシア、中国、南アフリカを含む81か国で構成されています。
 ノーベル平和賞候補になった非営利団体、パートナーシップ・アフリカ・カナダのバーナード・テイラー代表理事は、キンバリープロセスが政府の管轄している地域における禁輸措置の解除を検討する可能性を指摘し、それは枠組みの指針に従って検討されるだろうと話しました。また、テイラー代表理事はカナダの首都オタワからメールで「もしそうならば、その地域から産出されたダイヤモンドの禁輸措置は理論上、解除されることになるだろう」と述べた上で、「これは未だ判断が下されていない」と答えました。

ダイヤモンド採掘場所の保護

 国連の専門家パネルは昨年10月、中央アフリカにおいて「武装勢力や犯罪組織が天然資源を不正利用することを防ぐ」目的で、国連安保理事会に国連平和維持軍の派遣を認めることを薦める報告書を提出しました。国連中央アフリカ共和国ミッション(Minusca)のミリアム・ディサブラ広報官は、問い合わせに対してメールで、採掘場所の保護は政府の責任だと答えました。併せて「安全保障理事会はMinuscaに対して、採掘現場や採掘活動の保護や視察を行う指示を出さなかった」と述べました。
 ニューヨークを拠点とする業界団体、世界ダイヤモンド協議会のエドワード・アッシャー代表はメールで、我々はキンバリープロセスを支持しており、その見直しが実施されたらコメントを出すと答えました。

※本記事は米国の情報誌「Bloomberg Business」に掲載されたものをDFPにて翻訳したものです。
原文:「 Embargo May Be Lifted on Gem Trade in Central African Republic」
http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-03-25/gem-trade-in-central-african-republic-may-have-suspension-lifted (2015年4月17日閲覧)


密輸業者、中央アフリカ共和国における紛争ダイヤモンド禁輸措置に従わず [2015年05月15日(Fri)]
密輸業者、中央アフリカ共和国における紛争ダイヤモンド禁輸措置に従わず

【2015年3月23日(月 )中央アフリカ共和国=イリヤ・グリッドネフ(ブルームバーグビジネス)】
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国内で2番目に規模の大きいダイヤモンド買取業者
「中央アフリカダイヤモンド購買局(Badica)」

 ダイヤモンドの密輸人、アカニ・ナターシャ・グラウディスは手のひらにある小さなダイヤモンドを傾け、その黄色い原石から輝きが広がると笑顔を見せる。
 「見える?」と彼女は中央アフリカ共和国の首都バンギにあるルレ・デ・シャッセホテルの一室で、とても嬉しそうに尋ね、「少し不透明だから完璧ではないけれど、それでもまだ良いわね」と言う。もっと透明であれば、そのダイヤモンドは、欧州の顧客に輸出する地元の貿易業者に2,000 米ドル相当(約23万円)で売れるだろうと彼女は説明した。そのダイヤモンドの透明度では、たった700米ドル程度 (約8万円)でしか売れない。
 グラウディス(34)は、紛争地域で産出されたダイヤモンド原石の流通停止のために結成された国際的な枠組み、キンバリープロセスが中央アフリカに課したダイヤモンド禁輸措置に悪びれることなく取引を行う密輸組織の一員である。それは、22のダイヤモンド産出国の中で、禁輸措置が適用されている唯一の国、中央アフリカ国内の完全な混乱を表している。
 イスラム教徒主体の反政府軍セレカがキリスト教徒のフランソワ・ボジゼ大統領を打倒した2か月後の2013年5月に禁輸措置が課せられた。「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」によると、その政権の奪取には、多くの市民の殺害と犯罪が伴ったという。国連は250万人以上が緊急人道支援を必要としていると報告している。
 キンバリープロセスは、紛争ダイヤモンドが輸出商品から完全になくなったかどうかを断定できないという理由で、中央アフリカ産のダイヤモンドの取引を禁止した。

闇市場

 禁輸措置が実施される以前にも、何百万米ドル相当ものダイヤモンドが闇市場を通して、中央アフリカから密輸出されていた。ベルギー北部アントワープを拠点とする調査団体「国際平和情報サービス(IPIS)」によると、ダイヤモンドの課税率が隣国のコンゴ民主共和国の3.25%に対し、中央アフリカでは12%と高いことにより、産出高の約30%がカメルーンやスーダン西部のダルフール州に密輸されるようになったという。
 中央アフリカ担当の国連専門家パネルは、不法なダイヤモンド取引が蔓延し続けていると報告している。その国連専門家パネルの責任者であるオーレリアン・ロルカ氏は、禁輸措置が導入されて以降、少なくとも14万カラット、金額で2,400万米ドル相当(約28億円)のダイヤモンドが密輸されていると述べた。
 ワシントンに本拠を置く紛争解決団体「イナフ・プロジェクト」所属の中央アフリカ専門家であるカスパー・アッガー氏はメールで、違法なダイヤモンドによる収益は武器の購入、兵士への報酬、セレカやキリスト教徒主体の部隊など主要な反政府勢力の指導者の肥やしに使われていると答えた。
 2012年に金額ベースで世界第10位のダイヤモンド産出国であった中央アフリカのダイヤモンドは、その国が1960年にフランスから独立して以降、代々、軍事政権の財源となっている。IPISによると、指導者はダイヤモンド産業を「ドル箱」とみなし、輸出品に高い税金を課して、政治的支援を保てるようにと産出高から分け前を要求してきたという。

重要な資産


 1966年1月に政権を握った10年後、(自らをダイヤモンドで飾られた王冠を持つ皇帝だと宣言した)ジャン=ベデル・ボカサ政権下では、ダイヤモンドの産出高が半分以上落ち込み、約29万カラットになったと、IPISは報告している。
 中央アフリカにおけるダイヤモンドと金の産業は、10万人もの非正規あるいは小規模採掘労働者に頼っている。ベルギーの首都ブリュッセルを拠点とするアドボカシー団体「国際危機グループ(ICG)」によると、国内人口の約13%である、少なくとも60万人が所得を求めてダイヤモンド産業に何らかの形で従事しているという。
 中央アフリカのダイヤモンド取引は伝統的にイスラム教徒によって行われており、彼らは幅広いイスラム教徒によるネットワークやアラビア語を使って、スーダンやチャドなどの近隣諸国に流通網を作っていると、ICGの中央アフリカ事業総括責任者ティエリ・ヴァクロン氏はケニヤの首都ナイロビで述べた。

ボジゼ大統領の失脚

 ボジゼ元大統領が2008年10月、ダイヤモンド産業の一掃を行い、その際にダイヤモンドや現金、備品を押収したことがきっかけとなり、不満を持ったイスラム教徒の商人や採掘業者たちが反政府軍に参加するようになったと、ヴァクロン氏は話した。それから5年後、ボジゼ政権は結果的に崩壊し、セレカの武装勢力がバンギを掌握した。
 ブリュッセルに本拠を置く「戦闘兵器調査」の12月の報告によると、内戦開始以降、「かなりの数」の安価な中国製の手榴弾や中国製、スーダン製、ヨーロッパ製の武器や銃弾が中央アフリカに流入しているという。
 キンバリープロセスは6月、ダイヤモンドの取引国に対して、「警戒を強めること」と「中央アフリカのダイヤモンドを没収し、合法な取引の中で流通を禁止すること」を促す声明を出した。
 キンバリープロセスによる要請があったのは、5月にベルギーの連邦当局が170万米ドル相当(約2億円)のダイヤモンドの原石を押収した後だと、国連専門家パネルは10月の報告書で強調した。また、原石はおそらく中央アフリカ産であり、コンゴ民主共和国を経由した後、ドバイを通って密輸されたという。

押収されたダイヤモンド


 国連は10月の報告書の中で、押収されたダイヤモンドは、バンギに本拠を置く「中央アフリカダイヤモンド購買局(Badica)」のアントワープ支局である「カルディアム」に輸送されていたと述べた。また国連は、Badicaが2013年のクーデターの実行犯である反政府勢力、セレカに資金を提供したと断言した。「ドバイダイヤモンド交易」は7月、それらのダイヤモンドには有効な証明書があり、コンゴ民主共和国産だと述べた。
 キンバリープロセスのベルナルド・カンポス会長にコメントを求めるメールを2回送ったが返信はなく、団体のウェブサイト経由でもメールを送ったが回答は得られなかった。
 Badicaのアッバース・アブドゥルカリーム理事長は、ダイヤモンドの密輸とセレカへの支援を否定し、告発の対象になっていない競合他社を非難した。
 「国連の専門家たちは我々に話さなかった」とアブドゥムカリーム理事長は、カナダで育った時に学んだ英語で話し、「ここのダイヤモンドの産地はかなり荒れている。大手4社が競合しているので、我々がセレカに資金を提供して、密輸していると他社が密告すれば、彼らにとって都合が良いのだ」と語った。

販売できない

 アブドゥルカリーム理事長は、何百個もの黄色や緑色の小さなダイヤモンド一杯の白い封筒を開けながら、禁輸措置開始以降収益が90%も落ち込んでいると述べた。
 また彼は「これは1か月で集めたものだ。おそらく約5万米ドル相当(約600万円)ある。しかし、ダイヤモンドをただ集め続けることはできない。いつか売る必要がある」と話した。

 グラウディスは、幸運に恵まれた採掘業者は最も近い町もしくは交易の中心地でダイヤモンドを仲介業者に売っており、その代わりに仲介業者はバンギの顧客に宝石を売っていると述べた。そして密輸業者は、世界中の宝石製造業者に供給している、ナイジェリア、フランス、カメルーンなどの販売業者の国際流通網を利用する。
 グラウディスは「採掘業者は私のような密輸人を非常に好むの。彼らは原石を持ってきて、私はお金を払っているわ」と話した。


※本記事は米国の情報誌「Bloomberg Business」に掲載されたものをDFPにて翻訳したものです。
原文:「Smugglers Defy Conflict-Diamonds Ban in Central African Republic」
http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-03-22/smugglers-defy-conflict-diamonds-ban-in-central-african-republic (2015年5月2日閲覧)

ダイヤモンドを探すため学校をやめた子どもたち [2015年05月13日(Wed)]
ダイヤモンドを探すため学校をやめた子どもたち


【2013年2 月11日ダカール=ジェニファー・ラズタ(ヴォイス・オブ・アメリカ)】

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ダイヤモンド採掘場で働く13歳の少年(写真左)
シエラレオネ、コノ県 (写真はイメージです。)


リベリアでは、ダイヤモンドを採掘するため学校を去る子どもたちが増加しており、政府は子どもたちの違法雇用を取り締まろうとしています。

15歳のマイク=コールマンは5ヶ月前に学校を退学し、ダイヤモンドを求めてリベリア西部へと移りました。“僕の両親はいろいろと大変だからね。お金が欲しくてここへ来たんだ。二人は僕が学校をやめるとき、とても申し訳なさそうにしていたよ。でも僕には他に選ぶ道がなかった。僕はここへよりよい未来を探しにやってきたんだ。早くダイヤモンドが見つかるといいな。”

このような子どもはコールマンだけではありません。リベリアの国土鉱業エネルギー省は少なくとも1500人の子どもたちがダイヤモンド鉱山で雇われていると推定しています。

リベリア西部にあるモプ中学校の校長ノラ=クアエはダイヤモンドの採掘現場で働くために200人以上の生徒が今年学校をやめてしまったと言います。

――――私たちの生徒の半数が学校を退学しました。彼らはもう教室には来ないのです……。これは異常な状況です。リベリアの未来は子どもたちに懸かっています。子どもたちは学校に行く理由を理解し、彼ら自身の未来のために備えなければならないのです。

ダイヤモンド鉱山で働くことは危険かつ困難です。儲かる仕事でもありますが。

リベリアの失業率は85%近く、世界銀行の推定では、人口の95%が一日2米ドル以下の生活を送っています。ダイヤモンド一つで50米ドルの稼ぎが見込める現状では、人々がダイヤモンド採掘を断る理由はないのです。

ダイヤモンド鉱山では18歳以下の労働は禁止されていますが、多くの鉱山主は喜んで子どもたちを雇います。なぜなら彼らの小さな体は鉱山内部の狭い空間や窮屈なトンネルに適しているからです。

リベリア西部で採掘会社を経営しているトーマス=ウレは言います。“労働者は労働者。年齢は関係ない”

――――私たちは彼らを無理やり働かせているわけではない。彼らは自ら私の会社を訪れて契約書にサインをする。私はダイヤモンドを探せる者なら誰でも雇う。政府は生徒が学校に留まるよう法律を作るべきだろう。私たち企業は利益を上げるためにここにいる。

リベリアの内戦が激化する中で、国連安全保障理事会は2001年、リベリアの「血塗られたダイヤモンド」の採掘と輸出を禁止する条例を採択。これにより採掘現場で働く子どもの数は減少しました。

しかし、エレン=ジョンソン=サーリーフ大統領就任後の2007年、国連はこの条例を解禁し、ダイヤモンド鉱山は再び繁栄の時を迎え、それとともに若い労働者の需要が増えました。

リベリアの国会議員ゲートルード=ラミンは、リベリアの若者たちは、自らの意志でダイヤモンド鉱山から出て、国の無料教育システムを利用するべきだと言います。

――――ダイヤモンド採掘には未来はない。いったい採掘から何を得るだろう?その日暮らしの金を稼いだとしても、子どもたちの未来は明日ではない。リベリアの学生諸君、君たちに必要なのは家に帰って学校に行くことだ。君たちは鉱山を出なければならない。君たちの生きる明日は、君たちを前進させない無意味なものなのだ。

リベリア国土鉱業エネルギー省西部地域調整官のステファン=バナは、リベリア政府は、鉱山で子どもたちが違法に働いている現実を知るべきだと言っています。“政府は子どもに違法労働させている採掘会社に対し、採掘権の剥奪、鉱山の閉鎖などの法的措置を取ると脅しましたが、実際に罰せられた鉱山は一つもありません。”

※本記事は米国メディア「Voice of America」ホームページに掲載されたものをDFPにて翻訳したものです。
原文:「Liberian Children Quitting school to Mine Diamonds」 
http://www.voanews.com/content/Liberian-children-quitting-school-to-mine-diamond/1601253.html(2015年5月2日閲覧)

アンゴラのダイヤモンド採掘における人権侵害Vol.2 [2015年04月19日(Sun)]
アンゴラのダイヤモンド採掘における人権侵害Vol.2


【2015年3月25日(水)アンゴラ=ラファエル・マルケス・デ・モライス(ガーディアン新聞:英国)】
「『血のダイヤモンド』の主張を巡り、アンゴラ人ジャーナリストに対して追加告訴」

〜アンゴラの検察がラファエル・マルケス・デ・モライス氏(アンゴラ人ジャーナリスト)を新たに15件の罪で告発、裁判所前で擁護者と警察が揉み合いに〜

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裁判所前で揉み合いとなる警察官とラファエル氏の擁護者
:Estelle Maussion/AFP/Getty Images


アンゴラのダイヤモンド鉱山で残虐行為や人権侵害に関与したとして軍や企業幹部を訴えた有名なジャーナリストが名誉棄損罪に問われている件について、アンゴラの検察側が彼に対して追加の罪での起訴を発表したため、公判が延期されることになりました。

ラファエル・マルケス・デ・モライス氏(43)は名誉棄損罪で9件の刑事告訴を受け、24日午前、アンゴラの首都ルアンダの法廷に出頭しました。しかし、開廷の大幅な遅れの後、マルケス氏の2012年の著書「血のダイヤモンド:アンゴラの腐敗と拷問(Blood Diamonds: Corruption and Torture in Angola)」を巡って、マルケス氏が新たに15件の名誉棄損罪に問われることが弁護人に伝えられました。著書には、治安部隊やアンゴラの軍部がアンゴラ・クワンゴ地域にあるダイヤモンド鉱山の周辺住民や末端の採掘労働者に対して行ってきた100件以上の殺害と何百件もの拷問の詳細が書かれていました。

新たな罪が発表されたことを受け、マルケス氏は自身のツイッター上で「今日、9件の名誉棄損罪のために出廷した。新たに15件もの名誉棄損罪を突き付けられた。言語道断だ!」とつぶやきました。

フランス通信社によると、今回の騒動は、裁判官が、扉を閉鎖しマスコミや一般市民を締め出して、非公開で訴訟を行うと決定したことを皮切りに、マルケス氏の擁護者と警察が裁判所前で揉み合いになりました。抗議していた数人が逮捕されましたが、その中には「ラファエルを解放しろ」、「軍人を拘置しろ」といったプラカードを掲げ、声を上げて訴える人もいました。

訴訟の日の後、裁判官は弁護人に新たな起訴内容に対する弁論の準備期間を与えるため、4月23日まで裁判を延期することを決めました。マルケス氏が有罪の場合、9年の服役と名誉棄損の賠償金80万英ポンド(日本円にして約1億4千万円)が科せられます。
マルケス氏は「軍や企業幹部は血のダイヤモンドで利益を得ているため、共謀して暴行を行い、虐殺を止めるために何もしなかった」と主張しています。

彼がこの件で軍の「倫理的責任」を問おうと刑事告発を決めたことをきっかけに、軍や関係者らがアンゴラの前植民地支配国ポルトガルでマルケス氏を名誉棄損罪で告訴しました。
しかし、リスボン公訴局は2年前、証拠不十分としてこの主張を退けています。現在、軍や告訴人らはアンゴラの裁判所を通してマルケス氏を訴えています。

マルケス氏は自宅の小さな台所で立ち上げた事実調査ウェブサイト「マカ・アンゴラ(Maka Angola)」を7年間管理していますが、以前、アンゴラのジョゼ・エドゥアルド・ドス・サントス大統領を独裁者と表現したため拘置されました。マルケス氏は1999年に罪状なく43日間監禁され、独房で何日間も食料や水を口にせず過ごしました。

彼はこの訴訟の状況を「不条理な状況だ」と言います。先週、検閲時評(Index on Censorship)主催の表現の自由賞・ジャーナリズム部門の共同受賞者挨拶では「この訴訟は私をより強くしてくれるだろう」と述べました。
その後、彼はイギリスの新聞「オブザーバー」の取材に対して「アンゴラ国民が政府当局の責任を問うたからといって、恐れたり難題だと感じたりする必要は全くないことが、今回の訴訟で明らかになるだろう」と話しました。

※ 本記事は英国の新聞「The Guardian」に掲載されてものを、DFPにて翻訳したものです。
原文「Angolan journalist faces further charges over blood diamonds claims」http://www.theguardian.com/world/2015/mar/25/angolan-journalist-libel-charges-blood-diamonds-claims

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【2015年3月23日(月)アンゴラ=ラファエル・マルケス・デ・モライス(ガーディアン)】
「人権侵害の本を書いたために、私は今週にも収監されるかもしれない」

〜アンゴラでジャーナリストとして仕事をするのは困難だ。私は政治的腐敗と戦う。なぜなら腐敗は政府が社会を抑圧するための最も洗練された武器だからである。ラファエル・マルケス・デ・モライス〜


アンゴラ
アンゴラのダイヤモンド採掘場:Olivier Polet/Corbis

私の名前はラファエル・マルケス・デ・モライス、アフリカ南西部に位置するアンゴラのジャーナリストです。私は今週にも収監されるかもしれません。それは私がアンゴラのルンダスというダイヤモンドが豊富に産出される地域における人権侵害を暴露する本を2011年に書いたからです。

9つの名誉毀損の容疑で私を審理する裁判の最初の公判で、国務大臣であり大統領府情報局長のコペリパ将軍を含む7人の強力な将軍たちが、明日証言台に立ちます。
彼らは警備会社を共同所有しており、その会社の職員が多くの殺人や拷問を実行したことを私は著書に記しました。彼らはまたダイヤモンドの利権を持つ、国も出資する合弁事業の大株主であり、そこではあらゆる悪事が行われました。

私は恐れてはいないし、自分の仕事を誇りに思っています。私が最初に裁判所の被告席に座ったのは1999年、大統領を独裁者であり腐敗した男だと名指しした時でした。彼は先ず私を投獄しました。そして私を釈放した日に私を告発しました。収監されていた43日間、私は牢獄の中で行われる様々な虐待を目撃し、それらを内外に向けて発信し続けました。その行為は私に人権の擁護者としての評判を与えました。牢獄での体験は、私に人権とは何かということを教えてくれたのです。

昨年、13歳の息子がどうして私が仕事に就くことができないのか尋ねました。私がキッチンでパソコンと多くの時間を費やしていることを彼は心配したのでしょう。一方で、彼は私の作る料理を褒めてくれますが。政府は、私のジャーナリストとしての能力を破壊するために、何年にも亘って私を自宅キッチンに閉じ込めたのです。家の外で忘れることなく永遠に私を監視し、情報源から切り離し、私を社会的に孤立させようと通信手段を監視しているので、最近はキッチンが私の仕事場になっています。玉ねぎを切ったりニンニクを潰したりしている間に、私はアンゴラの高官の腐敗や人権侵害を調査します。これが私の仕事ですが、私が正直であること、貧困であったり社会的排除を受けていることについて、私が恥じるよう望む者もいます。私の息子もそのような圧力を感じていたのでしょう。

腐敗と人権侵害の二つの問題がどうして非常に重要なのか説明しなければなりません。人間の命がアンゴラではおとしめられています。もっともアンゴラの支配エリートの命ならば話は別ですが。この国は2014年まで過去7年間世界で最も経済が急成長している10か国のうちの一つですが、一方で、今アンゴラは世界で幼児死亡率が最も高い国になりました。豊富な石油やダイヤモンドによって得た潤沢な資金は、主に賄賂や政府の広報活動のために使われており、「高い経済成長率と高い幼児死亡率」という逆説は、国内でも海外でも問題視されていないようです。

政治的なリーダーや国民が人命を大切にしない国では、社会共通の利益/公共の利益といったことはほぼ実現することはできません。それは支配者と国民、現実の間の断絶を継続させ、支配者は権力を濫用し国の資源を分捕り、人びとを虐げる権利があるように感じてしまうのです。

私は政治的腐敗と戦います。なぜなら腐敗は政府が社会を抑圧し市民を堕落させる最も洗練された武器だからです。

アンゴラでジャーナリストであることはいずれにせよ問題をはらんでいます。ジャーナリストの大多数は国営メディアで働いており、彼らの仕事は政府の宣伝活動です。政府は、それらのジャーナリストに寛大な報酬を与えます。しかしそのようなジャーナリストは一般の人びとから嫌われています。
他方、民間の小規模なメディアで働くジャーナリストもいますが、ほとんどはメディアの所有者と政府高官とのコネクションによって、間接的に政府の支配下に置かれています。そのようなジャーナリストは自己検閲をして政府の宣伝を報道し、裕福な生活を送ることができます。これらのジャーナリストは、政府側に取り込まれる可能性が高いと批判されることが多く、また政府の動きに対しても無関心です。
そして、残るジャーナリストのカテゴリーは社会的な不適応者です。これらの人びとは公然と一貫して政府に立ち向かっている対極的な人物です。

アンゴラおいては、メディアに報道される真実と虚構を見分ける努力を日常的にしなければなりません。ジャーナリストは信用されていないのです。しかしジャーナリズムのプロとしての基準を確立し、独立ジャーナリストの活動の場を創るために、私は調査をしながら報道する仕事に従事しています。

名誉毀損の罪に関わる9つの容疑に対応するに際して、私が巻き込まれている不条理な状況と取り組まなければなりません。私が起訴されているのは、公式には自分の著書の内容が理由なのではなく、幾つかの出来事に関して将軍たちの道徳的な責任について私が苦情を呈したからであり、それはすなわち国家と私の対立なのです。将軍たちは最初ポルトガルで私を告訴しましたが、その訴訟は2013年に棄却されました。彼らはアンゴラで同じ内容で告訴しましたが、アンゴラの憲法の下では同じ事実について、私を二度告訴することはできません。たとえ最初の告訴がポルトガルであったとしても同様です。

息子は私が仕事を持っていることを今は理解しており、「どのようにしてこの状況を変えることができるの」と尋ねます。彼はまた私が作る食事の見栄えを良くするよう望み、「グルメの食べ物のように」と彼は言います。

私は新しいレシピを持っています。それはキッチンでの料理とジャーナリスト活動の二つの仕事の技術を磨くことです。

ツイッター名@rafaelmdemoraisによってラファエル・マルケス・デ・モライスをフォローすることができます。

※本記事は英国の新聞「The Guardian」に掲載されたものをDFPにて翻訳したものです。
原文:「This week I may be jailed for writing a book on human rights abuses 」http://www.theguardian.com/commentisfree/2015/mar/23/this-week-i-may-be-jailed-for-writing-a-book-on-human-rights-abuses

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アンゴラのダイヤモンド採掘における人権侵害 Vol.2
Liberia NOW!第3回「バイク事故という社会問題と、薄れつつあるエボラウィルス予防の意識」 [2015年04月15日(Wed)]
第3回 「バイク事故という社会問題と、薄れつつあるエボラウイルス予防の意識」


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モンロビアの町を行き交うバイクタクシー 
<サミュエル・G・コリンズ撮影>

 エボラウイルスによる脅威から解放されつつあるリベリアですが、ウイルス出現以前から続く、ある社会問題が人々を苦しめています。それは、「バイク事故」です。経済活動において大きな助けになるバイクですが、事故による手足の切断や、時には命を奪うほどの大事故を引き起こしています。リベリアではあまりに危険なためにバイクに乗る人を「自爆者」と呼ぶほどですが、生計のためにバイクタクシーとして運転している人の多くは、14〜34歳の若い世代です。

 リベリア政府はこの問題の深刻さを受けて、首都モンロビアにおけるバイクタクシーの通行を禁止するという方策を取りましたが、これには賛否両論があります。反対派の市民の主張は「人口の多いモンロビアでは、通常のタクシーだけでは足りない」「バイクタクシーの通行禁止は、若者の雇用機会を減らし、犯罪を助長させる」というものでした。バイクタクシーの運転手は、低所得者の職業であり、雇用が失われることによる治安の悪化を懸念しているのです(リベリアでは多くの住民が強盗やギャングに命や財産を奪われてきました)。

 一方で、政府の方策に賛成しているのは、主に通常のタクシー運転手たちです。リベリアでは、バイクタクシーはタクシーの倍の料金です。それでも興味深いことに人々はバイクタクシーを選びます。何故なら、ひどい渋滞のためタクシーは遅れる事が多く、より速く移動できるのはバイクタクシーの方だからです。こういった状況の中で、両運転手の間には緊張関係が生じています。バイクタクシー運転手を殺そうと計画したタクシー運転手が、逆に車両を燃やされたという話もあります。一般市民の中にも、政府の方策は必要とする声もあります。日々多くの若者が命を落としたり、障害が残るような事故に巻き込まれている現状があるからです。

 この問題は、エボラウイルス問題にも繋がります。痛ましいバイク事故などの現場ではリベリアの人々は感情的になり、「人との接触を避ける」「大人数で集まる事を避ける」という感染予防意識が薄れてしまうのです。例えば写真のような衝突事故現場では大きな人だかりが出来ました。涙を流している女性もいる中で、警官は人だかりをコントロールできなくなるといった状況が、リベリアではよく起きる事なのです。

 数ヶ月前、リベリアでは人々は互いに接触することを恐れていました。接触が原因となってエボラウイルスに感染し、人が蟻のように死ぬのを見たからです。しかし今、ウイルスの脅威が去りつつある中で、人々は以前のような生き方に戻ろうとしています。多くの人々は握手をし、抱き合い、挨拶のキスをします。どれも感染のリスクが高まる行動であるにもかかわらず…。エボラウイルスが以前、多くの国で突発しそして再発した歴史を忘れてしまったかのようです。

 これは深刻な問題です。政府も国際的な支援団体も、エボラウイルス根絶までは、感染予防の啓蒙活動を続けなければなりません。さもなければこれまでのエボラウイルスとの戦いに費やしてきた努力は水の泡となることでしょう。エボラウイルスとは、たった1人の感染者の行動如何によって、リベリアや隣国をも恐ろしい状況に陥れる、極めて危険なウイルスだからです。

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事故現場を見つめる住民たち

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