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【ご案内】2014年 第1回 障害平等研修ファシリテーター養成講座  [2014年06月05日(Thu)]

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はじめに:日本国内で初めての開催となる障害平等研修(DET)ファシリテーターの養成講座です。これから進める日本の障害平等研修の実施を担っていただくファシリテーターを養成します。インクルーシブな社会を作っていく障害教育を担う人材の養成です。

障害平等研修とは:障害平等研修(Disability Equality Training: DET)とは、障害者自身がファシリテーター(進行役)となって進める障害学習です。企業や自治体などの組織を対象に、発見型学習という対話に基づく方法を用い、障害者を排除しないインクルーシブな組織づくりを参加者と一緒に考えていく研修です。

問題は「何」だろう?.png


ファシリテーターは、障害をめぐる対話の進行役を務めます。障害とは障害者の社会参加を阻む障壁であるという「障害の社会モデル」の考え方を基礎に、発見型学習という方法論を用いて対話を進めていきます。

障害平等研修の詳細については別添2を参照ください。

曽田さん講師.png

1. 研修名:
第1回 障害平等研修ファシリテーター養成講座

2. 日程 
教室型と自習型により計60時間の研修となります。
教室型の実施日程は以下になります:
9月6日(土)、7日(日):9.00-17.00
9月27日(土)、28日(日):9.00-17.00
11月29日(土):9.00-17.00
*詳細な日程は別添1を参照ください。時間については多少の変更の可能性がある点をご承知おきください。

3. 研修会場
最初の4回(9月6日、7日、27日、28日)は
東京大学駒場キャンパス(東京都目黒区駒場3-8-1)
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map02_02_j.html
最終回(11月29日)は東京大学本郷キャンパス(東京都文京区本郷7−3−1)
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
*詳細については選考後、参加者に連絡いたします。

4. 応募条件
以下の3つの条件を満たす方:
・障害当事者の方で障害平等研修ファシリテーターとなり、研修を実施したい方。
・障害平等研修を通してインクルーシブな社会の形成に貢献したい方。
・障害平等研修フォーラムのファシリテーター規約に同意いただける方。(規約は後日提示します)

5. 研修講師(予定)
久野研二:障害平等研修フォーラム代表、国際協力機構・国際協力専門員(社会保障)
マレーシア、コスタリカ、フィリピン、ヨルダン、キルギス、ウズベキスタン、ルワンダなどで障害平等研修ファシリテーター養成講座を実施し、130名以上のファシリテーターを養成してきた。

黒嵜隆:弁護士、フロンティア法律事務所
弁護士として障害者差別解消法の推進に貢献している。

6. 定員
16名

会場の写真.png

7. 申し込み締切
2014年6月26日

8. 申し込み方法
別添3の申込用紙を障害平等研修フォーラム事務局にメールもしくは郵送にて提出下さい。
〒 146-0094
東京都 大田区 東矢口3-31-8 HASUNUMA-BASE内
障害平等研修フォーラム(担当:内海)
電話:070-5363-6443  メール:info@detforum.com

9. 助成・共催・後援
日本財団助成事業
東京大学 社会的障害の経済理論:実証研究(REASE)

10. 合理的配慮
情報保障など合理的配慮が必要なかたは申込用紙にご記入ください。

11. 講座費用
15,000円(教材費込)
他に、障害平等研修フォーラム会員登録料が5,000円(年額)となります。
選考確定後、指定の口座に事前振り込みとなります。口座情報や支払期日などは選考後ご連絡いたします。

12. 修了証など
本研修を規定に基づいて終了した方に、本養成講座の修了証を授与いたします。この修了証は障害平等研修フォーラムが定めるものです。

参加条件について:事前学習レポートの提出が養成講座参加の条件となります。事前学習レポートの提出がない場合、参加をお断りする場合がございます。事前学習の教材は選考後送付いたします。

修了証について:全日程参加していること、既定の到達度に達していることなどが終了証授与の条件となります。講座終了後、障害平等研修の実施回数やレポートの提出など一定の条件を満たした段階で障害平等研修フォーラムとしてのファシリテーター認定証を授与いたします。

13. その他

14. 問い合わせ先:
障害平等研修フォーラム
〒 146-0094 東京都 大田区 東矢口3-31-8
HASUNUMA-BASE内(担当:内海)
電話:070-5363-6443
メール:info@detforum.com

別添
1. 講座プログラム
2. 障害平等研修の概要
3.別添3研修申込用紙(推薦用紙を含む.doc

【案内】第一回DETファシリテーター養成研修.pdf

会場の写真2.png
別添1 研修プログラム [2014年06月05日(Thu)]

別添1 研修プログラム
障害平等研修フォーラム 第1回 障害平等研修ファシリテーター養成講座 
プログラム (暫定)

単元 時間 テーマ
事前学習
事前14時間 事前学習資料自習

1日目 (9月6日:土)
09.00-9.50 研修導入
10.00-10.50 障害平等研修(体験:1)
11.00-12.00 障害平等研修(体験:2)
12.00-13.00 昼食
13.00-13.50 実習(1):プレゼンテーション
14.00-14.50 障害平等研修とは何か
15.00-15.50 障害平等研修の方法論
16.00-17.00 質疑と1日の復習

2日目 (9月7日:日)
09.00-9.50 「障害の社会モデル」(1)
10.00-10.50 「障害の社会モデル」(2)
11.00-12.00 「障害の社会モデル」(3)
12.00-13.00 昼食
13.00-13.50 実習(2):ファシリテーション
14.00-14.50 障害平等研修のツール(1):DET Forum教材
15.00-15.50 障害平等研修のツール(2):Talk分析(2)とその他の教材
16.00-17.00 質疑と1日の復習、自習課題の説明

<自習>
自習1 4時間 単元まとめシート(1,2日目分)
自習2 1時間 社会モデル:文章つくり
自習3 1時間 社会モデル:図つくり
自習4 3時間 社会モデル:演習作成・実施準備

3日目 (9月27日:土)
09.00-9.50  前週の振り返り・質疑
10.00-10.50 行動計画(1)
11.00-12.00 行動計画(2)
12.00-13.00 昼食
13.00-13.50 実習(3):演習(1)
14.00-14.50 実習(4):演習(2)
15.00-15.50 障害平等研修の方法(3):スライド
16.00-17.00 質疑と1日の復習

4日目 (9月28日:日)
09.00-9.50  障害平等研修のデザイン
10.00-10.50 障害者差別解消法と権利条約
11.00-12.00 障害平等研修のフォロー・アップ
12.00-13.00 昼食
13.00-13.50 実習(5):行動計画(1)
14.00-14.50 実習(6):行動計画(2)
15.00-15.50 自習の研修実施概要説明・(テスト)
16.00-17.00 質疑と研修全体の振り返り

<自習>
自習5 3時間 単元まとめシート(3,4日目分)
自習6 4時間 研修計画
自習7 3時間 研修実施
自習8 2時間 研修分析レポート(評価対象)

5日目 (11月29日:土)
09.00-9.50  研修全体の振り返り・質疑
10.00-10.50 研修分析ワークショップ(1)
11.00-12.00 研修分析ワークショップ(2)
12.00-13.00 昼食
13.00-13.50 障害平等研修計画ワークショップ(1)
14.00-14.50 障害平等研修計画ワークショップ(2)
15.00-15.50 質疑と1日の復習
16.00-17.00 終了式
別添2 障害平等研修の概要 [2014年06月05日(Thu)]

別添2 障害平等研修の概要
障害平等研修 概要:Disability Equality Training (DET)

1. 障害者差別解消法において求められる研修像
・ 障害者への差別を学ぶ研修(個人の機能ではなく)→「障害の社会モデル」を基礎
・ 対組織の研修(対個人ではなく)→組織改革(差別解消)と合理的配慮を学ぶ
・ 民間企業の合理的配慮を促す研修→指導ではなく「やる気」を引き出す研修方法
・ 障害当事者が行う研修(非障害者の専門家ではなく)→障害当事者がトレーナー

2. 障害平等研修(DET)とは
・ 英国で障害差別禁止法(1995)推進のための研修として発展
・ 障害を「機能的な不便」としてではなく、「差別・不平等」の課題とする障害教育
・ 組織を対象とした障害に関する組織改革の動機づけ研修(個人を対象とした障害理解・助け方を学ぶ研修ではない)
・ 知識ではない。参加者が「組織変革の行動主体」となるための行動指向型研修

3. 内容
・ 障壁を発見する「目」の獲得:「障害の社会モデル」
・ 参加者が自分の属する組織(自治体や企業など)をより障害インクルーシブに変える行動の主体となる:「行動計画」

4. 実施方法
・ 対話による発見型学習(Discovery Learning):「課題提示資料(課題状況を示す絵やビデオ)」と「分析質問(分析を促す質問)」からなる発見型ワークショップ(半日から2日程度)(別添参照)

5. 障害平等研修と従来の障害理解研修との違い
・ 障害理解研修:個人の「機能的側面(不便)」の理解と「助ける方法」の獲得
・ 障害平等研修:「社会的側面(差別・排除)」の理解と「差別の解消方法」の獲得

6. 障害平等研修ファシリテーターの育成
・ 障害当事者のみがファシリテーターとなる(要60時間の研修受講)

7. 実績と導入機関・企業
・ 英国では公的機関や民間企業が導入している。
・ 途上国では国際協力機構(JICA)のプロジェクトとして世界27か国で180名以上のファシリテーターが育成され研修を実施している(www.detforum.com)。
・ エアアジア本社は2008年より現在まで全世界の新人教育コースの一つとしてほぼ毎週実施。
・ 日本では今年から体験セミナーの実施や、大学や自治体などでの障害平等研修が始まっている。

発見型学習の例
以下、「発見型学習」の「課題提示資料(課題状況を示す絵やビデオ)」と「分析質問(分析を促す質問)」の例です。一つ一つを10-30分ずつ議論し、目的に沿った「発見」を参加者が獲得します。

例1:「障害の社会モデル」の視点の発見
「課題提示資料」
車イスと階段.png

「分析質問」
(1) (まず左の絵だけ見せ)「障害とはなんですか?」
(2) (次に右の絵も見せ)「同じ質問です。障害とはなんですか?」
(3) 「では、障害はどこにありますか?一か所だけ指定しそこにしるしをつけてください」
発見する答え:障害の本質的な意味、障害の所在(取り組むべき課題の所在場所:個人か社会か)

例2:行動計画:「統合(少数者の社会適合)」と「インクルージョン(多様性保障)」の違いの発見
「課題提示資料」
星と箱.png

「分析質問」
(1) (まず上の絵だけ見せ)「星を箱に入れてください。少なくとも2つの方法を考えてください」
(2) (議論で意見が出たところで)「この2つが解決法としてでました。どちらも問題を解決します。しかし、何かが違うようです。なんでしょう?」
(3) その違いはなぜ生じたのでしょう?
(4) (これは障害者と社会の関係を示していますね)「では、あなたはどちらの方法を取りますか?」

発見する答え:介入(解決法)が異なれば、導かれる解も異なる。目指す「社会」はどちらか(統合か包摂か)。

例3:行動計画:機能障害に基づいた具体的な合理的配慮の発見(視覚障害の例)
「課題提示資料」動画
http://youtu.be/lBIfzALO7p0

「分析質問」
(1) 「何が起こりましたか?」
(2) 「なぜ、それは起こりましたか?」
(3) 「どう、解決しますか?」

発見する答え:合理的配慮による対応の必要性とその具体的な方法。この場合は点字や音声による資料の整備や、読み上げなどによる対応。

(例3の演習は動画教材を用います。機能障害別に11の場面設定があります。障害平等研修フォーラムが作成した動画です)

参考資料など:
・ 障害平等研修体験セミナーと日本での展開、ノーマライゼーション(2014年5月号, 54-56頁)
・ 「障害平等研修」って何?、週刊金曜日(2014年5月16日号、No.991,50-51頁)
・ さあ、やろう!!! 組織を変える研修「障害平等研修」デモンストレーション、アイユ、2013年12月15日号, 17頁
・ 差別に気付ける組織へ 障害平等研修を紹介、福祉新聞、2014年4月14日, X頁
・ 『障害者自身が指導する権利・平等と差別を学ぶ研修ガイド』、明石書店