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別添2 障害平等研修の概要 [2014年06月05日(Thu)]

別添2 障害平等研修の概要
障害平等研修 概要:Disability Equality Training (DET)

1. 障害者差別解消法において求められる研修像
・ 障害者への差別を学ぶ研修(個人の機能ではなく)→「障害の社会モデル」を基礎
・ 対組織の研修(対個人ではなく)→組織改革(差別解消)と合理的配慮を学ぶ
・ 民間企業の合理的配慮を促す研修→指導ではなく「やる気」を引き出す研修方法
・ 障害当事者が行う研修(非障害者の専門家ではなく)→障害当事者がトレーナー

2. 障害平等研修(DET)とは
・ 英国で障害差別禁止法(1995)推進のための研修として発展
・ 障害を「機能的な不便」としてではなく、「差別・不平等」の課題とする障害教育
・ 組織を対象とした障害に関する組織改革の動機づけ研修(個人を対象とした障害理解・助け方を学ぶ研修ではない)
・ 知識ではない。参加者が「組織変革の行動主体」となるための行動指向型研修

3. 内容
・ 障壁を発見する「目」の獲得:「障害の社会モデル」
・ 参加者が自分の属する組織(自治体や企業など)をより障害インクルーシブに変える行動の主体となる:「行動計画」

4. 実施方法
・ 対話による発見型学習(Discovery Learning):「課題提示資料(課題状況を示す絵やビデオ)」と「分析質問(分析を促す質問)」からなる発見型ワークショップ(半日から2日程度)(別添参照)

5. 障害平等研修と従来の障害理解研修との違い
・ 障害理解研修:個人の「機能的側面(不便)」の理解と「助ける方法」の獲得
・ 障害平等研修:「社会的側面(差別・排除)」の理解と「差別の解消方法」の獲得

6. 障害平等研修ファシリテーターの育成
・ 障害当事者のみがファシリテーターとなる(要60時間の研修受講)

7. 実績と導入機関・企業
・ 英国では公的機関や民間企業が導入している。
・ 途上国では国際協力機構(JICA)のプロジェクトとして世界27か国で180名以上のファシリテーターが育成され研修を実施している(www.detforum.com)。
・ エアアジア本社は2008年より現在まで全世界の新人教育コースの一つとしてほぼ毎週実施。
・ 日本では今年から体験セミナーの実施や、大学や自治体などでの障害平等研修が始まっている。

発見型学習の例
以下、「発見型学習」の「課題提示資料(課題状況を示す絵やビデオ)」と「分析質問(分析を促す質問)」の例です。一つ一つを10-30分ずつ議論し、目的に沿った「発見」を参加者が獲得します。

例1:「障害の社会モデル」の視点の発見
「課題提示資料」
車イスと階段.png

「分析質問」
(1) (まず左の絵だけ見せ)「障害とはなんですか?」
(2) (次に右の絵も見せ)「同じ質問です。障害とはなんですか?」
(3) 「では、障害はどこにありますか?一か所だけ指定しそこにしるしをつけてください」
発見する答え:障害の本質的な意味、障害の所在(取り組むべき課題の所在場所:個人か社会か)

例2:行動計画:「統合(少数者の社会適合)」と「インクルージョン(多様性保障)」の違いの発見
「課題提示資料」
星と箱.png

「分析質問」
(1) (まず上の絵だけ見せ)「星を箱に入れてください。少なくとも2つの方法を考えてください」
(2) (議論で意見が出たところで)「この2つが解決法としてでました。どちらも問題を解決します。しかし、何かが違うようです。なんでしょう?」
(3) その違いはなぜ生じたのでしょう?
(4) (これは障害者と社会の関係を示していますね)「では、あなたはどちらの方法を取りますか?」

発見する答え:介入(解決法)が異なれば、導かれる解も異なる。目指す「社会」はどちらか(統合か包摂か)。

例3:行動計画:機能障害に基づいた具体的な合理的配慮の発見(視覚障害の例)
「課題提示資料」動画
http://youtu.be/lBIfzALO7p0

「分析質問」
(1) 「何が起こりましたか?」
(2) 「なぜ、それは起こりましたか?」
(3) 「どう、解決しますか?」

発見する答え:合理的配慮による対応の必要性とその具体的な方法。この場合は点字や音声による資料の整備や、読み上げなどによる対応。

(例3の演習は動画教材を用います。機能障害別に11の場面設定があります。障害平等研修フォーラムが作成した動画です)

参考資料など:
・ 障害平等研修体験セミナーと日本での展開、ノーマライゼーション(2014年5月号, 54-56頁)
・ 「障害平等研修」って何?、週刊金曜日(2014年5月16日号、No.991,50-51頁)
・ さあ、やろう!!! 組織を変える研修「障害平等研修」デモンストレーション、アイユ、2013年12月15日号, 17頁
・ 差別に気付ける組織へ 障害平等研修を紹介、福祉新聞、2014年4月14日, X頁
・ 『障害者自身が指導する権利・平等と差別を学ぶ研修ガイド』、明石書店
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