先週の土曜日に公益社団法人非営利法人研究学会の関東部会がオンラインで開催されました。國學院大学の金子良太先生が「非営利組織会計の国際的枠組み」と題して、IFR4NPOの非営利会計基準の原案(CP)等について報告されました。
正統派の会計学者である金子先生であるので、公表されたばかりの原案について、概要や位置づけについてさすがに非常に的確に報告されていました。とりわけ、日本のこれまでの非営利会計の議論で「ユーザーの視点の軽視」を端的に指摘されていました。日本では「実務家の視点」とは、財務諸表を作成する側の要請が強く、財務諸表を利用する側の視点が弱いのではないかという重要な点を指摘されていました。
金子先生は、内閣府の「公益法人の会計に関する研究会」(会計研究会)における唯一の学者のメンバーです。議事録ではなく議事要旨しか公表していないので、詳細まではわかりませんが、最近、会計研究会の議論が良くなってきたのではないかと思っていますが、それは金子先生のご尽力によるところが大きいのではないかと思っています。上記の「ユーザーの視点の軽視」との指摘は非常に重要な問題提起だったと思います。