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民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


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最新記事
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NPO法人会計基準10周年おめでとうございます。 [2020年07月20日(Mon)]

本日 7月20日、NPO法人会計基準は策定10周年を迎えたそうです。

関係者の皆様方おめでとうございます。


NPO法人会計基準の議論の内容はもちろん、手法、公開性、その後のメインテナンスなど世界に誇れるものだと思います。


特に、一般からの質問を公開、責任をもってそれに回答していく姿勢を10年間も継続していることには頭が下がります。


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藤井聡太7段と加藤正夫(劔正):チェックポイントの使い方 [2020年07月16日(Thu)]

将棋の藤井聡太7段が史上最年少で初タイトルを取りました。

つらくて悲しいニュースが多い中でこの快挙に心躍らせた方も多いでしょう。

 将棋を語れるほどの実力はないのですが、幼いころ祖父の手ほどきを受け、気が付いていたら将棋を指していました。「気が付いていたら」というのは教わった記憶がないということです。子どもが少し興味を持っていれば、上手に教えることで駒の名前(漢字の読み方ではないと思います)や動かし方を3歳児くらいでも誰でも覚えることは可能なのでしょう。もちろんそれは駒の動かし方だけでとても「将棋」と呼べるものではなかったと思います。相手はいつも大人であり、大人は必ずわざと負けてくれていましたから、「将棋は強い」と勝手に思い込んでいた時期がありました。

 ちょうどそのころ、祖父の妹の子供、つまり祖父の甥の加藤正夫が東京へ出て木谷實門下で囲碁のプロを目指すということになりました。8歳年上の正夫も小生も当時は「マー坊」と呼ばれ、家も近く加藤さんの実家にもよく行ったので、小生も「将棋のプロに」という話が親戚の間で自然と持ち上がっていたようです。それを一笑に付してくれたのが、ほかならぬ祖父でした。おだてられてプロなど目指していたら、今頃大変な目にあっていたと思います。4歳になる前に父の関係で東京へ転居し祖父から離れましたので、以後、将棋は相手も見つからず、その時から上達がありません。将棋の才能がないのはもちろん、なにより勝率5割の世界に身を置く勝負師とは縁遠い性格で、プロを目指せという流れを止めてくれた祖父には感謝しています(囲碁はプロとなっていた加藤正夫に小学生の時に直接教えてもらいましたが、こちらもものになっていません)。

加藤正夫は最年少で本因坊戦に挑戦。その後いくつかのタイトルを取った後は、本因坊・十段・天元・王座・鶴聖の5冠や4冠に輝きました。その後も14年連続でいずれかのタイトル保持者でしたので、こちらは大成功でした。その後、55歳で本因坊に返り咲き、中年の星と注目されたことは囲碁に詳しい方ならご存知だと思います。

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発生主義、発生主義原理主義とNPO会計基準 [2020年07月12日(Sun)]

企業会計は現金に裏付けられる交換取引がほとんどですが、非営利の世界はボランティア、企業派遣、寄付、製品寄付、現物寄付、不用品寄付などの非交換取引が非常に重要な要素となってきます。


そこへ発生主義を持ち込むとどういうことになるのかといえば、

@いつ収益・費用を認識するのか?(=認識時点基準)

Aいくらで認識するのか?(=測定基準)

Bルールとして自動的に認識するのか、誰かが判断するのか(客観基準か主観基準か)


という問題が次々の襲いかかります。いずれも企業会計では前例がない問題です。

企業会計の発生主義は収益や費用の認識の時点の話がほとんどですが、非営利の場合には、それに加えて現金の裏付けがないので「評価=測定」が付きまといます。本質論に沿ってしっかりと議論しなければならない問題が横たわっております。


こうした問題については、例えば、藤井秀樹(2017)のような会計学者の優れた研究をはじめ国内でも相当に研究・検討が進んできましたが、最近のことです。また、NPO会計基準は多くの人の議論を経ていますので、随分現実的なところへ集約しつつあると思います。


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公益法人とNPO法人との間の文化の差 [2020年07月09日(Thu)]

本日の時点の報道によると、9県の60河川で70か所以上で氾濫しているそうです。雨はまだ続きそうですので、残念ながら今回の豪雨被害はさらに広がっていくものと思います。


新型コロナウイルスが東京圏を中心に蔓延している状況の中で、地域社会による地域の支援の重要性がさらに増してきていると思います。英知を結集して被災者に対応していく必要があるでしょう。言い換えれば、公益ニーズが大きくなってきていると思います。


公益法人の変更認定については、新型コロナ関係で柔軟な対応が内閣府から発表されていますが、豪雨災害についてもいずれ同様の措置がなされるものと期待しています。


かつて、ある県の公益財団法人は隣の県にも活動を広げる定款変更を行おうとしたところ、内閣府からは上京の上説明せよと言われ断念した経緯があるということを伺ったことがあります。今はそういうことはないとは思いますが、公益法人が機敏で柔軟な対応を取るには行政庁の協力も不可欠でしょう。


ところで、公益ニーズがどんどん増していく中で、何となく公益法人と特定非営利活動法人(以下NPO法人)との間の「文化」に差があるように感じているのは小生だけでしょうか?


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収支相償に対する切れ味鋭い説明 [2020年07月02日(Thu)]

○山野目座長 ただいま収支相償の問題と寄附にかかる贈与税の課税関係の発生に関して 特段の御意見を頂戴いたしました。いただいた2点に関するお話は、この有識者会議にお いて引き続き検討に際して留意してまいることにいたします。この際、何か特段の御発言 がおありでいらしたならば承ります。


 ○米澤室長 事務局から、2点コメントを申し上げます。収支相償についてはしゃくし定 規に運用しているようにいつも受け取られてしまって、私どもの説明が不十分なところも あって大変申し訳なく思っております。例えば、将来的にやりたい事業に備えて資金を確 保しておく「特定費用準備資金」という仕組みもありますので、そういった仕組みも御活 用いただければと思います。


           公益法人のガバナンスの更なる強化等に関する

有識者会議(第 5 回 )令和2年4月2日(木)議事録



収支相償についての誤解には間髪を入れずに説明する。特定費用準備資金だけをズバッと言う。いいですね。このブログの主張と一致します。

内閣府公益法人室長=内閣府公益認定等委員会事務局長です。久々に事務局長から切れ味の鋭い発言がありました。


収支相償は特定費用準備資金が「適正な費用」として必ず毎年クリアできるように設計されています。


「解消」などとガイドラインにない用語を使い出してから誤解が広がりました。


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