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民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


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立入検査する行政庁職員は皆、人格者です。 [2020年02月22日(Sat)]

 公益法人の立入検査をする行政庁職員から法令に基づかないことを言われてしまうと、よくご連絡を受けます。以前は何も言われなかった細部にまで修正を求められるという声も聞きます。


 政府でもない、企業でもない「民間公益セクター」だから、税制の優遇をという政府税制調査会の答申に基づいて税の優遇が実現したわけですが、近年、「税の優遇があるのだから」という「枕詞」が跋扈していますので、実際に行政庁職員が法令に基づかないことを言うことは頻繁しているようです。


 しかし、その時、行政庁職員に対して、「法令上のどこに根拠がありますか?」、あるいは「ご指摘はおかしいと思います」と言っていますか、と伺うと、「まあ、大したことではないし、修正すれば済む話ですから、行政庁職員を怒らせて根に持たれるのも大人げないので、黙って従っています」という公益法人さんがほとんどです。


 国・地方の公益認定等委員会委員を務めた/務めている立場からいうと、行政庁職員さんをもっと信頼していいと思います。小生の知る限り、彼ら/彼女らは、「監督が法令に基づいていない」との指摘を受ければ、委員会にフィードバックしています。皆、人格者ですから、ましてや根に持つような人は一人として出会うたことはありません。


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速報 内閣府が公益財団法人日本プロスポーツ協会に初の命令 [2020年02月16日(Sun)]

 内閣府は2月14日に公益認定法第28条第3項の規定に基づく「命令」を公益財団法人日本プロスポーツ協会に対して行いました。


 同法人が評議員会の定足数を満たすことができない中でガバナンスの問題が発生していたところ、内閣府は昨年11月22日に勧告を行っていました。それに対して、同法人は本年1月31日付けで報告書 を内閣府へ提出したものの、勧告の内容に応えていなかったことから、さらに内閣府が命令を行ったものです。


 従来、「勧告」や「認定の取消し」はあったものの、両者の間になされる「命令」は初のケースです。手続き的に「命令」を飛ばしていた形でしたが、今回、法が求める監督の手順をしっかりと踏み、果敢な判断を内閣府において行ったものと思われます。行政手続法との関係も明瞭であり、「命令」の内容も具体的で法人にも分かりやすいものと思われます。


 公益財団法人日本尊厳死協会の判決内容やガバナンス有識者会議の議論の影響が良い形で出ているものと思われます。期限については、時刻の指定まであります。法人としては公益法人としての矜持がしっかりあれば、対応できる内容となっているのではないでしょうか。


 なお、他法人にとっても極めて有用な内容ですので、本「命令」書をよく読み、これをを契機に各公益法人の理事会、評議員会、社員総会において、もう一度それぞれのガバナンスのあり方について検討してみてはいかがでしょうか。


出口はなぜ公益法人会計基準改正手続きに反対するのかーその3 [2020年02月14日(Fri)]

(前回)(前々回)からの続きです。 


 平成20年公益法人会計基準は従来の平成16年公益法人会計基準を公益認定法に合せて改正し新しく作られたものです。


公益法人が使用すべき会計基準については、平成16年公益法人会計基準等も認めることで「公益法人は、一般に公正妥当と認められる公益法人の会計基準その他の公益法人の会計の慣行によることが求められますが(公益法人認定法施行規則第 12 条)、これは特定の会計基準の適用を義務付けるものではありません」(FAQ旧問X−4−@)となっておりました。つまり、20年基準の任意適用の原則をはっきり位置づけていたのです。海外などの会計基準をグローバルトレンドとして日本に導入しようとするときに、実は任意適用か否かが非常に重要なのです。


 ところが、非公開の会計研究会ができると、移行が十分に完了していない中で公益法人にアンケートをとり、わずか有効回答数1498法人のうち94%が平成20度公益法人会計基準を使用していたことから、FAQを変更し(現行 問X−4−@)、「通常、平成20年度公益法人会計基準を優先」という微妙な表現で、「事実上」平成16年公益法人会計基準等を排除し、平成20年公益法人会計基準を強制していくようになりました(一部企業会計も認める)。これが認定規則の改正を伴わずに、非公開の会計研究会の議論(当時は議事要旨すらなし)とFAQの変更だけで断行されたことも驚きです。しかも、この時の会計研究会は中小法人向けに何らかの措置が取れないかということを検討することを主眼として設定されていたのですから。


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出口はなぜ公益法人会計基準改正手続きに反対するのかーその2 [2020年02月13日(Thu)]

前回の続きです。やや専門的です)

公益法人会計基準の総則の中にゴーイング・コンサーンの規定を入れ込もうとする今回の改正案の趣旨は以下の通り説明されています。


【現行の公益法人会計基準においては、「継続事業の前提に関する注記」

は規定されているが、そもそも公益法人会計基準が継続組織を前提とし

たものである旨の規定はされていない。

国際的には、公的な部門における会計基準について定めた国際公会計

基準(IPSAS)において、「ゴーイング・コンサーン」について規定され

ている。

また、平成 30 年7月、企業会計審議会が定める監査基準が改正された

ことを受け、翌年には、日本公認会計士協会の監査基準委員会報告書等

が改正され、「継続事業の前提」について監査報告書本文に記載するこ

ととされた。

こうした状況を踏まえ、公益法人の財務諸表の作成基準である公益法

人会計基準においても、従来から実務上の前提とされている「継続組織の

前提」について確認的に明記するものである。】(「改正案の趣旨」)


とあります。


企業会計の監査基準変更されたから、政府の会計の国際基準を参考にしたものである=非営利の本質については検討していないと説明されています。


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非営利組織とゴーイング・コンサーン:出口はなぜ公益法人会計基準改正手続きに反対するのか?その1 [2020年02月12日(Wed)]

<やや専門家向けです。お許しください>

今回の公益法人会計基準の改正はゴーイング・コンサーンの日本語訳を「継続事業」から公認会計士協会のモデル会計基準の用語である「継続組織」に変えようとするものです。

(他の非営利法人の会計基準も「継続事業」の用語が使用されています)


出口がなぜ大反対をしているのか、よくわからないという質問を受けますので、お応えいたします。


それは「非営利組織とゴーイング・コンサーン」の部分には、非営利会計の本質が凝縮されているからです。


会計には、「企業会計」と「公会計(政府、地方自治体、政府機関の会計)」と「非営利組織の会計」(日本では非営利の会計基準は多数あり、世界的に見て異例のことです)があります。


企業会計は、口別計算からゴーイング・コンサーンの前提を置くことで、期間損益計算、発生主義とセットで重要な進展を遂げました。利益を目的としている以上、ゴーイング・コンサーンの前提をおくことは当為として可能です。公会計でも同様と思います。


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ガバナンス有識者会議の公開性が見事 [2020年02月11日(Tue)]

 公益法人のガバナンス有識者会議のことはこれまでもお知らせしたところです。

 昨日2月10日に、第三回の会議あったようですが、すでにホームページにアップされています。

 素晴らしいとしか言いようのない公開のスピードです。


 内容についてはいろいろとあるところでしょうが、公益法人の皆様が現場からの声を反映させることが大事だと思います。


 他方で、内閣府の同じ部署が担当しているのに.........................…。今日のところはここまでにしましょう。何を言いたいかは、ブログを読んでいただいている方には容易に分かるはずですから。



新型コロナウイルス対策その1:信頼回復は「公益の増進」で [2020年02月08日(Sat)]

 新型コロナウイルスの猛威によって大変な事態が生じています。

その影響は感染者の拡大、感染者家族の苦難、医療関係者の過剰労働、風評被害、経済への悪影響、差別拡大など数えだしたらきりがないでしょう。このような不特定多数への悪影響 があります。このような時はどんな分野にどんな悪影響があるかわからないわけですから、不特定多数への悪影響はいろんな分野で拡大していきます言い換えれば、公益(不特定かつ多数者の利益)のニーズが高まっている状態だと言えるでしょう


 考えてみたら、ロックフェラーのフィランソロピー(公益活動)のうち最も重要なものの一つが感染症対策でした。ロックフェラーは公益法人としての医学研究所を設立し、世界各地の伝染病の対策を立てていきます。病原菌を確認しワクチンを素早く作るということでした。世界各地の伝染病で大きな成果を与えていました。公益活動の原点が感染症に対する対応だったといってもいいかもしれません。


 日本では偉人として有名な野口英世は米国でもお大変署名です。それはロックフェラーのフィランソロピーの実行者としてアフリカで発生した黄熱病を克服するためアフリカに派遣されて、その地で殉職したからです 。


 公衆衛生を重視するロックフェラーのフィランソロピーはWHO(世界保健機関)などに継承されていきます。


 公益法人とは公益のための組織、言い換えれば、不特定かつ多数者の利益のための組織です。「政府でも企業でもできないことができる」ということから公益法人制度の改革がなされ、税制上の優遇措置が与えられました。


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公益法人経営者向けに3時間の講演を行います。 [2020年02月07日(Fri)]

 公益法人,移行法人の経営者(役員等)向けに公益法人制度と公益法人の運営についてたっぷり3時間の講演全国公益法人協会から依頼されました(3月17日。大阪)。税制調査会、内閣府公益認定等委員会で制度改革の渦中にいて、「公益の増進」という立法趣旨に熱く盛り上がった制度改革当時の”熱狂”を思い起こしながら話をするつもりです。


 海外の状況、もちろん、米英だけではない海外の最近の民間公益セクターの熱狂もお伝えしたいと思います。社会貢献の仕事をができる喜びに包まれている海外の民間公益セクターの経営者と、財務三基準等で頭を悩ませる日本の公益法人の経営者の違いがどこから生じているのでしょうか?


 

 収支相償、遊休財産規制、公益目的事業比率の財務三基準が「公益の増進」という立法趣旨と見事につながっていることなど驚く話ばかりだと思います。平素、酢だのこんにゃくだとといわれていることから解放し「みずみずしい力」を発揮していただけるように話をいたしますので、公益法人、移行法人、これから公益法人を目指そうと考えられている団体の経営者の方々(行政庁の職員の方々、公認会計士や税理士の方々→主催者には確認しておりませんが)、是非お越しください。


「公益の増進」を図ることがいかに大切なことか、公益法人の仕事に就く喜びを感じていただける話をいたします。


 誤解を与えてしまった責任は、小生にもありますが、公益法人制度改革は多くの方々のお力で見事な制度としてスタートしたはずでした。話を聞いてびっくりすると思いますが、是非、お越しください。


なお、個別のご相談については立場上お受けしかねますので、あしからずご了承願います(ご質問はたくさんお受けいたします)。


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迷走する公益法人「会計研究会」の下でのガバナンス強化の危険性 [2020年02月04日(Tue)]

 迷走する「公益法人の会計に関する研究会」が第40回の議事資料と議事要旨を公開しました。「寄付に指定があっても指定正味財産ではない寄付」とわけのわからないことを議論しています。

 公益法人のガバナンス強化の有識者会議が発足したことは、すでにお伝えしているところです。公益法人の場合には、企業のように利潤の追及のような共通の目的はありません。公益を目的とすることは共通していますが、その公益の種類・中身はそれぞれの法人で別個です。また、それを利益計算のように数字で共通に表すことができません。したがって、公益法人のガバナンスはミッションに対して発揮(ポジティブ・チェック)されるよりも、コンプライアンスに対して発揮(ネガティブ・チェック)されることが多くなります。言い換えれば、ルール違反に対するガバナンスがその中心といってよいでしょう。


 ところが、残念なことに、守るべきルールが公益法人の場合には明確ではなく現場で大混乱が生じています。法人の規模に比べても膨大なルールを押し付けられ、細部(のみ)を指導されているためです。とりわけ、非公開の「公益法人の会計に関する研究会」(会計研究会)が会計及び財務三基準の法律に関わる解釈(ルール)を、毎年のように変えてしまった結果、これまでも何度も混乱を誘発してきています。公益法人の指導的立場にあった公益法人協会の財政基盤安定化基金まで違法なのかどうか内部で判別不能な状態になったことは記憶に新しいことと思います。


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休眠預金の資金分配団体と日本民間公益活動連携機構を応援しよう! [2020年02月02日(Sun)]

 実行団体の決定の時期に入り、休眠預金等活用が大詰めを迎えています。休眠預金については、無謀で勝ち目がないといわれながら、大阪から指定活用団体に申請したことについてはすでにブログにアップしています。申請事務量はは激烈を極めたうえ、よりによって申請書作成期間に大阪北部地震(今も被災者がいます)と台風21号(関空の橋が壊された台風です)に遭遇し、「仕事をしながら死ぬのではないか」という恐怖感と戦ったのも、恥ずかしながら初めてでした。


 指定活用団体には日本民間公益活動連携機構(JANPIA)が選ばれ、指定活用団体としての激務をこなしています。それがどれほど大変なことかは、指定活用団体に申請した者が一番よくわかっているつもりです。


 同様に、資金分配団体がどれほど大変かについてもよく理解できます。

 それだけに、この困難な業務を引き受けたJANPIA及び資金分配団体を市民社会全体となって応援していく必要があると思います。


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