公益法人に関連して、内閣府が「秋以降の活動の振り返りと年度内の活動予定について」を公表しました。
www.koeki-info.go.jp/corporations/documents/ztqzlrff1s.pdf
内閣府は、公益認定法や公益信託法の法改正に関して、本当によくやっていると言えます。上記の中で、昨年4月1日以降の改正認定法施行後の状況を公表してくれています。
これだけの社会的コストを支払っての改正ですから、新しい公益法人が増えていくことが望まれています。
この資料によれば、4月から12月までで新規認定50件というのは、微々としてという評価もあるでしょうが、申請数自体も多くはないところで、内閣府はずいぶん頑張ってくれているようには思います。
というのも他の行政庁を現時点までで調べてみたところ、内閣府の次に多いのは、京都の2件、あとは、北海道、神奈川、三重、福井、鳥取、愛媛、香川、福岡、鹿児島が各1件。その他はなんとゼロです。
全体で、不認定は1件しか出ていませんが、認定を1件出していない東京都から不認定が出ているのが本当に驚きです。
日本の旧公益法人の移行がほぼ終了した2015年と2024年の日本、米国、英国(イングランドとウエールズのみ)の公益法人を比べてみましょう。日本は公益法人がそれぞれ9,397と9,746、米国の内国歳入法501(3)C団体は1,184,547と1,548,798、英国は169,500と175,058です。増加数は、日本が349、米国が364,351、英国が5,558。法制度が全く同じではないので一概に比較できないものの、実数では米国は日本の150倍を超え、英国は16倍。増加数は米国は日本の1000倍を超えます。英国も16倍である。
税制調査会では
「新たな非営利法人制度」の制度化を契機として、税制面において、欧米諸国並みに寄附文化を育んでいくためのインフラ整備に積極的に寄与するとの視点が重要となる。かかる視点に立って、寄附金税制についての従来の考え方を抜本的に見直し、より一層その充実を図る方向を目指すべきである。こうした寄附金税制の拡充は、「民」が「公共」の領域により深く主体的に関与するチャネルを拓き、今日的視点から官民の役割分担のあり方を改めて見直すきっかけにもなりうるものである。(「新たな非営利法人に関する課税及び寄附金税制についての基本的考え方」)と答申されています。
欧米諸国並みを目指したものが、米国の0.1%程度の新設の増加の少なさをどう考えるのでしょうか?「税制があるから」ということで委員会が仁王立ちのように立ちふさがっているのではないでしょうか? それは税調が目指した官民の役割の大改革の意図とは全く異なる、完全な勘違いとしか言いようがありません。
上記の資料にもある通り、第7期委員会発足に当たっての談話として内閣府公益認定等委員会の清水新一郎委員長は以下の通り素晴らしいことを謳っています。
○ 委員会の発足に当たり、改めて公益認定等委員会のミッションを「公益法人による民間公益活動の活性化により、社会的課題の解決に向けた取組を促進すること」として見据え、今後の委員会活動を進めてまいる所存です。
○ 民間公益活動を一層活性化させていく上では、「公益活動の担い手の増加」、「公益法人の新たな事業展開・挑戦の増進」、「公益法人に対する信頼の確保」、「公益法人への認知や支援(寄附等)の増大」などが重要な課題です。
なんのために民間人が入っているのでしょうか?制度を変えるだけではなく、民間人が入っているにもかかわらず容易に認定を出さずに、ブラックボックスと化している内閣府公益認定等委員会、都道府県の合議制機関の委員の審査の状況を抜本的に変える議論も必要なのではないでしょうか?

