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民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


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チャリティ委員会(「公益認定等委員会」)の国際会議が開催 [2024年11月14日(Thu)]

 このほど、オーストラリア、カナダ、イングランド・ウェールズ、アイルランド、北アイルランド、スコットランド、シンガポールのチャリティ委員会の代表と事務局、および米国からはオブザーバーという形で関係者が3日間ロンドンで会合を開きました。このほどその概要がわかりました。

 日本風に言えば、公益認定等委員会関係者の国際会議といっていいと思います。また、対象の団体も各国の法律が異なりますが、以下、「公益法人」、委員会も「公益認定等委員会」という用語で解説してみます。


 実はこの会合、小生が大阪府の公益認定等委員会委員長を務めているときにも、アジアにも拡大したいということで参加依頼がありましたが、残念ながらコロナで中止されました。


 リアル開催は2019年以降初めてだったようです。小生は、同委員長退任後でもあるので、政府関係者限定の会合ということで、残念ながら、今回は参加していません。


 現在の世界情勢を考えると、世界の「公益法人」の活動がこれまで以上に重要になっていることを確認、「公益法人」は、社会の適応を可能にし、世界中の何百万人もの人々の生活を改善し、分裂があったところで団結を支援し実現してきた長い歴史を持っています。世界で最も困難な問題の解決策を見つけるためにセクター間で協力している「公益法人」は、健康、環境、動物福祉の問題を前進させる世界クラスの研究、科学的努力、政策変更の基礎となっています。


 また、「公益法人」は各国内の法律で規制されますが、公益の現場に国境は関係なく活動しています。こうしたことからも、もうずいぶん前から


 人類が世界の課題に直面している今、各国の「公益認定等委員会」が協力することがこれまで以上に重要であるという点で合意しました。これらの課題には、ボランティア活動のパターンの変化を伴う社会環境の変化、気候変動と自然災害の増加、生活費の圧力によるサービス需要の高まりと組織の運営コスト、そして大規模な紛争で人々を支援する必要性などが含まれます。これらの課題が拡大するにつれ、生活を改善しコミュニティを結びつける「公益法人」の重要な役割がさらに重要になっているという認識に立っています。「公益法人」とより広範な非営利セクターは、あらゆる社会問題の最前線に立っています。


 「公益認定等委員会」当局は、効果的で専門的な規制が「公益法人」の繁栄に重要な役割を果たし、公益法人の活動に対する国民の信頼と自信につながっている例を共有しています。「公益認定等委員会」当局は、この会議で知識とベストプラクティスの交換を通じて共通の目標に向かってそれぞれ改善を行おうするために、会議では、4 つの主要なテーマが取り上げられました。


1.「公益法人」の認定と「公益法人」としての地位

 公益認定は、新しい「公益法人」と理事にとっての新しい段階の始まりであり、「公益認定等委員会」の役割の核心は、真の申請者が公益目的を達成することができるように効率的で効果的な決定を下すことができるよう情報交換しています。


2.デジタル、テクノロジー、データ

 「公益認定等委員会」当局は、新しいデジタルテクノロジーを提供する挑戦のさまざまな段階にありますが、各国で特に重点が置かれているのは、オンラインサービスを使用して「公益法人」の理事との関係を強化し、「公益法人」に最高のガイダンスとツールを提供し、規制の効率性を高めることです。「公益認定等委員会」当局は、最近のイノベーションの提供の経験と、各国の「公益法人」がどのように対応したかについて話し合い、それぞれの将来の計画に役立てようとしています。


3.広報活動:コミュニケーション、教育、および公共の信頼

 「公益認定等委員会」当局は、ソーシャル メディア、イベント、ガイダンスを使用して「公益法人」、特に従来は連絡が取りにくかったり知識が少なかったりする「公益法人」との関わりを強化するためのアプローチに多くの共通点があることを確認しました。


4.コンプライアンス

 「公益認定等委員会」当局として、FATF=金融活動作業部会の基準(世界的なマネーロンダリングやテロ資金供与と戦うためのもの)への準拠を支援する役割を担っていることが確認されました。


 国境を越えて多額の民間公益資金が流れており、世界で最も弱い立場にある人々に重要なサービスを提供するこの分野の活動への資金が悪用されないことが議論されました。


 「公益認定等委員会」当局は、「公益法人」がコンプライアンス上問題を生じさせた事例に関する世界的な傾向と、規制権限の使用を通じてこれらにどう対処してきたかを検討しました。国際的に重要な最近の国内事例について議論することで、真のコンプライアンスを遵守する「公益法人」の大多数に損害を与える可能性のある共通の問題を特定できたようです。


 FATFの問題もあるのでしょうが、今後4半期ごとにオンラインの会合を持つようです。


 日本の公益認定等委員会にとっても参考になるものと思います。


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