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公益法人協会の50周年
第43回会計研究会議事要旨等を内閣府が迅速に復活
この数日、第43回会計研究会の議事要旨等が公益法人informationのフロントページから削除されていることについて、本ブログで指摘していましたが、本日確認したところ、フロントページにきちんと再掲されていました。 「一般に分かりやすい状態」になりました。 掲載日も令和2年12月21日となっておりましたので、何らかの不手際で落ちたものと思います。 素早く対応していただいた内閣府の関係者に感謝します。 ![]() (令和4年2月1日に復活した公益法人informationのフロントページ) この種の【ミス】は起こりうることですから、ミスをおかした方を責めるではいけません。ただ、本ブログでたびたび会計研究会や委員会に関連する議事要旨や議事録の不手際について記載していたわけですから、公益認定等委員会委員には猛省を促したいと思いますが、いかがでしょうか? それにしても反対をものともせず進もうとする人にとって都合の良い【ミス】でした。日本尊厳死協会の裁判中に議事録が消えたのも都合がよいミスでした。 また、会計研究会関係者も、無関心を露呈したと受け取られても仕方ない状況であることをしっかりと認識してください。
第43回会計研究会議事要旨等の探し方
第43回の会計研究会の議事要旨等については 【公益法人information】のフロントページにこの議事要旨等だけ無いことを指摘し、本ブログ(No.271)に添付しておりました。 https://blog.canpan.info/deguchi/archive/271 早速、本日、大阪府の公益法人の行政庁である、大阪府総務部法務課公益法人グループ より、フロントページではなく下記から探すと会計研究会の議事要旨等は楽に見つかるという連絡を頂戴いたしました。
https://www.koeki-info.go.jp/commission/katudo.html (このページの下の方に掲載されています。)
小生も長時間費やして探し当ててはみたものの、リンクが貼れないために皆様方にお伝えする良い方法が見つからなかったのですが、大変優秀な行政庁としての大阪府の職員が見つけてくれました。 なお、議事録は第46回研究会以降しかありません。 この件についてはこちらを。 https://blog.canpan.info/deguchi/archive/234 つまり、会計研究会の提案内容については「議事要旨」がフロントページから消えており、「議事録」そのものは存在していないわけです。
また、同ホームページであっても第31回会計研究会以下は見つかりませんが、これはそもそも議事要旨すら公表してこなかったからです。 念のために。
公益法人インフォメーションフロントページから第43回会計研究会の情報が抜けている件
ホームページからの議事要旨等削除と会計研究会の意図:公益法人会計基準大改正
今回、公益法人の会計に関する研究会(会計研究会)が何を提案しているのかがさっぱりわからないことを昨日書きました。 ヒアリングの項目が「分かりやすい会計の適用についてどう思いますか」というだけでは具体的内容が分からないので、当のヒアリング対象の公益法人などには提案内容が全く伝わっていません。 会計研究会の開催については下記の通り、内閣府の公式ホームページ公益法人informationのトップページに掲載があるのですが、ご丁寧に第43回研究会だけ飛ばしています。 ところが、2020年12月23日の小生のブログではフロントページを見て情報を得て、第43回研究会のことについて言及していますので、フロントページからは事後的に削除されたことが分かります。
基本財産の一部を流動資産表示にする提案について、会計研究会は正確な情報で質問せよ
内閣府の公益法人の会計に関する研究会が具体的に何を提案しているのかが、よくわからないままに制度改革が進展して極めて危険かつ異常事態が生じています。 モデル会計の提案については、議事録を公開していなかった頃の第38回研究会(令和元年 10月21日)で資料として添付されています。この情報は全く伝わっていないのではないでしょうか? 現在、非営利の会計では基本財産に相当する部分はどの非営利の会計基準でも固定資産です。 10億円を基本財産として活動しているときに、例えば国債の満期を迎えることで一時的に普通預金に入金されることがありますが、その時でも10億円は10億円の基本財産として固定資産に計上されています。また、年度末に基本財産として新規に1億円寄附したときも一旦は普通預金で受け入れます。これらは普通預金、定期預金に関係なく「基本財産」として固定資産の部に表示されます。 提案そのものが全く示されないままに、これほどの革命的な大提案について会計研究会のヒアリングでは、各公益法人に対して「分かりやすい会計にすることについてどう思うか」とだけ質問しています。 これではヒアリングになっていないでしょう。
会計研究会で日本財団が素晴らしい指摘(2−2)
昨日に引き続き、日本財団のヒアリングについてです。 2)バラバラな非営利の会計基準の要因をまず探れという指摘 現在の会計基準が法人形態別にバラバラで法人間での比較可能でない点を強調する研究会の提案に対して、「法人形態別となったのはそれぞれが規定される法律および行政庁の求めに応じている結果です。法人形態ごとの比較を重要視するのであれば、会計制度の様式を合わせる前に、行政目的である監督官庁あるいは法律上の要請・要件を統一するところからの見直しが必要ではないでしょうか。」という率直なご意見を出しています。 法人法も税法も全部バラバラの中で、会計だけ標準化を急ぐ必要性が十分に議論されていない点のご指摘だと思います。 この点をないがしろにすれば、「結果として公益法人を含む非営利法人の会計処理は現状以上に複雑なものとなっていくことが懸念」と問題の危険性を端的に指摘しています。 さらに、「提案されている活動計算書はモデル会計基準がベースとなっていると思われますが、公益法人以外の法人形態での導入の見通しが不明瞭であるとしたら、比較しやすいという目的も満たせる可能性が低いと言わざるを得ない」という主張も首肯できます。
会計研究会で日本財団が素晴らしい指摘(2−1)
これはひどい! 公益法人を馬鹿にしていませんか?
公益法人の会計に関する研究会(以下「研究会」)の議事録を読んでいて「賛成だが、〇〇…」という公益法人側の主張の展開になっていて、何となく違和感があったのですが、ようやくその正体が掴めました。 公益法人への共通の事前質問があるらしいのですが、研究会は事前質問を公開していません。第47回研究会の資料に「令和2年度会計研究会報告において記載された論点について、どのようにお考えか」「上記の他、公益法人の会計についてお考えの点はあるか」とだけ公表されています。研究会では公益法人側が用意してきた事前質問に対する回答を述べ、それに対して研究会側から質問を行なうスタイルとなっています。 事前質問の正式の公表はありませんが、ヒアリングの対象となった公益財団法人公益法人協会が事前質問を含めた回答書を公開しているのを見て、その質問内容に本当に驚きました。それによると、全文なのか要約なのかはわかりませんが、以下が最初の質問のようです。 (1)公益法人の会計基準についての基本的な考え方について 公益法人の損益計算書となる「活動計算書」について、分かりやすく作成も容易であるべきという考えについて、どのように考えますか。 特に、公益法人会計をはじめ非営利法人の会計制度はそれぞれ別のものになっていますが、公益法人と他の非営利組織との比較や、利用者にとっての有用性や分かりやすさという視点も必要という考えについて、どのように考えますか。 唖然とするような悪い質問の見本であることは誰でも分かるでしょう。「分かりやすく作成も容易であるべき」は普遍則です。最初に賛成の意見を誘導しています。 例えば、以下のような質問と同じと考えてよいでしょう。 世界は平和であるべきだという考えについて、どのように考えますか?
本日の折々のことば
朝日新聞一面の鷲田清一さんの「折々のことば」。 今朝は猪木武徳さんの次の言葉です。 「制度というものは、はっきりした欠陥が見つからない限り軽々に改革すべきではない。」 噛みしめて頂きたい方々がいます。 https://blog.canpan.info/deguchi/archive/253 https://blog.canpan.info/deguchi/archive/254 まして極度の「思い込み」だけで制度を変え、多くの人に迷惑をかけてはいけません。
会計研究会のヒアリングが始まりました。誰が分かりにくいのですか?
前回、公益財団法人公益法人協会の意見書を取りあげましたが、すでにヒアリングを終えその第48回公益法人の会計に関する研究会議事録.pdfされています。以下その議事録からです。 〇研究会委員「私は監査法人に所属しておりますけれども、公益法人会計に初めて携わる会計士も、このような処理は仕組みとしてどうなっているのだということで、なかなかすぐには理解できないような会計処理になっているという事実もございます。 こういった中で、作成者側としては確かに浸透しているというのは間違いないかと思うのですけれども、財務諸表の利用者側の観点から、この分かりやすさという点で、特に御懸念をお感じになるところはないでしょうかというところについてお伺いさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。」 (中略)〇公益法人協会「先ほども申し上げました受託者責任を全うするという意味では、この財産は寄附者ないしは出捐者から預かっているものだということを明確に示すことができて、その財源を使った都度一般に戻して使うということはむしろ分かりやすくて、受託者、出捐者、寄附者に対しての説明もむしろしやすくて、利用者から分かりにくいという話は、私は今まで十数年この協会におりますが、一切聞いたことはございません。」 同意見の繰り返しは実は平成16年会計基準改正時にも行われています。まさにデジャヴュです。
公益財団法人公益法人協会が会計研究会ヒアリングに対する意見書を公表
そもそも誰のための何のための改正なのか? 公益法人協会による全面否定 【内閣府公益認定等委員会公益法人の会計に関する研究会(以下「会計研究会」という)ヒアリング「活動計算書」への名称変更に伴い検討すべき事項】に関する意見を公益財団法人公益法人協会が公表しています。存在感を示しております。 非常に的確な意見だと思います。 日本の公益法人制度は法制、税制、会計もバラバラです。番場資金収支会計時代にはそれなりの共通性がありました。それが、近年、制度間での差が拡大し大きな混乱を招いています。例えば「非営利法人会計の混迷」(長谷川哲嘉 2012)という論文が発表されています。これとまったく同様のタイトルで”Nonprofit Accounting Mess”(Anthony.R.N 1995)が米国で出版されたのは1995年のことです。日本の非営利の会計が法人間で異なるのは、前世紀から同じなのに日米の「混迷論文」の時間差は気になるところです。法制、税制のバラバラな状態を温存したまま会計だけを無理に統一しようとすれば、どうなるのかを端的に示しているようにも思います。 さて、余談はここまでにして、早速、公益法人協会の意見を解説を加えながら見ていきましょう。 @会計の基本的考え方特に「比較可能性」について 会計研究会の提案では比較可能性が強調されています。これは企業会計の財務報告の考え方を踏襲したものです。市場のグローバル化が進む中で投資家や金融機関が企業の財務状況を把握するのに、比較可能であることが重視されるようになりました。そのことによって初めて投資の判断などの「意思決定有用性」が生まれるというものです。つまり、どの法人へ投資するのが有利か(M&Aを含めて)、どこの企業に貸し出すのが間違いないかを探る上では、確かに比較可能性は企業においては「意思決定有用性」において意味があるかもしれません。 これを企業会計の専門家は「一般目的」と呼んでいます。少しでもアカデミズムに身を置くものにとって、「一般性」を主張するというのは非常に勇気のいることです。「一般目的」という慣用用語だからといって、それが投資家もいなければ、従来規制のため金融機関借入がほとんどなかった非営利組織にも妥当するのかどうかについて全く検証がなされていないからです。この部分も非営利法人に適用可能とするのは「妄想」に近い部分といってよいでしょう。 公益法人協会は、比較可能性などの意思決定有用性を「優先度が低い」と否定しています。当然のことと思います。
会計研究会がついに議事録を公開。大進展。
先般、お伝えしていた通り、「公益法人の会計に関する研究会」が第46回目にして初めて議事録を公開しました。素晴らしいことです。 第46回公益法人の会計に関する研究会議事次第及び資料.pdf 事務局や委員にも従来以上の負担がかかることでもあり、何よりこれまで45回にわたってできなかったことを行うということは大変なことであり、大いに評価したいと思います。 議事録が公開されたことで、いろんなことがわかりました。
会計研究会の大きな前進。議事録公開へ
先般第 46 回 公益法人の会計に関する研究会が開催され、 先ごろ 第46回公益法人の会計に関する研究会議事次第及び資料.pdf が公開されました。 公益法人の会計に関する研究会運営要領(案)が審議され、原案通り決定したようです。 原案は 【議事概要及び議事録は、研究会終了後、メンバーの確認後公開する】 となっています。 これは会計研究会の大進展だと思います。 もともと会計研究会は、議事要旨すら公開しておらず、重要事項を審議していました。 本ブログでの度重なる指摘をしておりましたが、研究会発足5年後の2018年11月から議事要旨を公開するようになりました。 それから2年半、今回、議事録も公開されるように議論が進んだことは誠に喜ばしいことと思います。 関係者のご努力に衷心より感謝いたします。
会計研究会に改善の兆し
第43回公益法人の会計に関する研究会議事次第及び資料.pdfが公表されました。 今回は、委員である金子良太先生のパワーポイント資料が上記資料の4ページ以降に公開されています。 本ブログは、一貫して会計研究会に批判的な立場でした。委員の方々には知己も多いのですが、不愉快な思いもしていたと思います。 その中にあって、金子先生は無視するのではなく、時たま反論もしてくれた貴重な存在でした。 本ブログは議論が深まってほしいということに重きを置いていますので、当然、批判等も歓迎しております。 さて金子先生は、「会計基準改正につながる議論での留意点」として以下の三点をあげておられます。
特に、第三点目は非常に重要な指摘であるばかりではなく、議論の流れからすれば非常に有益でかつ勇気ある指摘だったと思います。
公認会計士の質に関する重大な不祥事
驚愕のニュースが流れています。 報道及び関係機関WEBによれば、あずさ監査法人で45人が法定の研修を不正受講していたことが、明らかになりました。今年3月に内部告発があって、昨日9月7日に発表に至ったといいます。 日本公認会計士協会リリース https://jicpa.or.jp/news/information/files/3-99-0-0-20200907.pdf あずさ監査法人リリース https://home.kpmg/jp/ja/home/media/press-releases/2020/09/elms.html 朝日新聞 https://news.yahoo.co.jp/articles/5b095a7fb56067fdb6d31446a4544b792ce82223 日経新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63537540X00C20A9DTA000/ 共同通信 https://news.yahoo.co.jp/articles/fa1b34ca6f5cc6bcc554e50d5f5cfa3741318a62 時事通信 https://news.yahoo.co.jp/articles/7f6e0acc0844bd475ffcd453e2ad08eb75dc6875
「正直で不正を起こさせないための会計」基準の議論を
非営利法人の会計の日本のおける乱立ぶりは甚だしいものがあります。 公益法人会計基準(平成20年、16年、昭和60年)、NPO法人会計基準、学校法人会計基準、社会福祉法人会計基準、医療法人会計基準、病院会計準則…。なんとかか統合した方が良いではないかという総論は誰も反対できないと思います。 ところが、そういったとたん別のロジックが出てきます。多様なステークホルダーのための「一般目的」の財務報告、比較可能性のある基準で効率的な運営ができるようにと。 これらは企業会計で使われるお題目です。つまるところ、投資家や金融機関向けの一般的な財務報告なのですが、翻って非営利の「一般目的」とは何なのでしょうか? コロナのことで医療関係者は大変な思いをしていますが、コロナに対応した病院は経営が悪くなるようです。受け入れ態勢を整え、一人の患者に多くのスタッフがかかわることになります。それでも、社会的に意義があるから、医療機関の使命として頑張ってくれています。他方で他の患者への感染を恐れてコロナ患者には来てくれるなという病院もあるでしょう。 それぞれの病院は確かに比較可能な会計基準によって何らかの財務情報は財務諸表に反映されてくるでしょう。しかし、それらを比較して外部のステークホルダーはどのように行動の意思決定をしたらよいのでしょうか?
NPO法人会計基準10周年おめでとうございます。
会計基準改正及び会計研究会報告の発表
昨日5月20日に「令和元年度公益法人の会計に関する諸課題の検討結果及び整理について」及び「公益法人会計基準及び同運用指針の一部改正」の公表について が内閣府のホームページに掲載されました。 前者がパブコメに付されたのが3月18日。後者がパブコメに付されたのは実に2月5日のことです。 時間がかかったことは新型コロナウイルスのことがあるので、大目に見るとしても、この間の議論、透明性は十分だったのでしょうか? 公益認定等委員会が提案している「公益法人会計基準及び同運用指針の一部改正」についての公開すべき議事録が公表されていません。そのことを指摘したパブリックコメントに対して、委員会運営規則第7条2項を根拠に「非公開とした」と開き直った回答してしまっています。 このことは委員会の委員長や事務局幹部は承知していらっしゃるのでしょうか? 驚くべきことです。
出口はなぜ公益法人会計基準改正手続きに反対するのかーその3
平成20年公益法人会計基準は従来の平成16年公益法人会計基準を公益認定法に合せて改正し新しく作られたものです。 公益法人が使用すべき会計基準については、平成16年公益法人会計基準等も認めることで「公益法人は、一般に公正妥当と認められる公益法人の会計基準その他の公益法人の会計の慣行によることが求められますが(公益法人認定法施行規則第 12 条)、これは特定の会計基準の適用を義務付けるものではありません」(FAQ旧問X−4−@)となっておりました。つまり、20年基準の任意適用の原則をはっきり位置づけていたのです。海外などの会計基準をグローバルトレンドとして日本に導入しようとするときに、実は任意適用か否かが非常に重要なのです。 ところが、非公開の会計研究会ができると、移行が十分に完了していない中で公益法人にアンケートをとり、わずか有効回答数1498法人のうち94%が平成20度公益法人会計基準を使用していたことから、FAQを変更し(現行 問X−4−@)、「通常、平成20年度公益法人会計基準を優先」という微妙な表現で、「事実上」平成16年公益法人会計基準等を排除し、平成20年公益法人会計基準を強制していくようになりました(一部企業会計も認める)。これが認定規則の改正を伴わずに、非公開の会計研究会の議論(当時は議事要旨すらなし)とFAQの変更だけで断行されたことも驚きです。しかも、この時の会計研究会は中小法人向けに何らかの措置が取れないかということを検討することを主眼として設定されていたのですから。
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