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民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


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最新記事
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NPO法人会計基準10周年おめでとうございます。 [2020年07月20日(Mon)]

本日 7月20日、NPO法人会計基準は策定10周年を迎えたそうです。

関係者の皆様方おめでとうございます。


NPO法人会計基準の議論の内容はもちろん、手法、公開性、その後のメインテナンスなど世界に誇れるものだと思います。


特に、一般からの質問を公開、責任をもってそれに回答していく姿勢を10年間も継続していることには頭が下がります。


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会計基準改正及び会計研究会報告の発表 [2020年05月21日(Thu)]

昨日5月20日に「令和元年度公益法人の会計に関する諸課題の検討結果及び整理について」及び「公益法人会計基準及び同運用指針の一部改正」の公表について が内閣府のホームページに掲載されました。



前者がパブコメに付されたのが3月18日。後者がパブコメに付されたのは実に2月5日のことです。



時間がかかったことは新型コロナウイルスのことがあるので、大目に見るとしても、この間の議論、透明性は十分だったのでしょうか?


公益認定等委員会が提案している「公益法人会計基準及び同運用指針の一部改正」についての公開すべき議事録が公表されていません。そのことを指摘したパブリックコメントに対して、委員会運営規則第7条2項を根拠に「非公開とした」と開き直った回答してしまっています。


このことは委員会の委員長や事務局幹部は承知していらっしゃるのでしょうか?

驚くべきことです。



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出口はなぜ公益法人会計基準改正手続きに反対するのかーその3 [2020年02月14日(Fri)]

(前回)(前々回)からの続きです。 


 平成20年公益法人会計基準は従来の平成16年公益法人会計基準を公益認定法に合せて改正し新しく作られたものです。


公益法人が使用すべき会計基準については、平成16年公益法人会計基準等も認めることで「公益法人は、一般に公正妥当と認められる公益法人の会計基準その他の公益法人の会計の慣行によることが求められますが(公益法人認定法施行規則第 12 条)、これは特定の会計基準の適用を義務付けるものではありません」(FAQ旧問X−4−@)となっておりました。つまり、20年基準の任意適用の原則をはっきり位置づけていたのです。海外などの会計基準をグローバルトレンドとして日本に導入しようとするときに、実は任意適用か否かが非常に重要なのです。


 ところが、非公開の会計研究会ができると、移行が十分に完了していない中で公益法人にアンケートをとり、わずか有効回答数1498法人のうち94%が平成20度公益法人会計基準を使用していたことから、FAQを変更し(現行 問X−4−@)、「通常、平成20年度公益法人会計基準を優先」という微妙な表現で、「事実上」平成16年公益法人会計基準等を排除し、平成20年公益法人会計基準を強制していくようになりました(一部企業会計も認める)。これが認定規則の改正を伴わずに、非公開の会計研究会の議論(当時は議事要旨すらなし)とFAQの変更だけで断行されたことも驚きです。しかも、この時の会計研究会は中小法人向けに何らかの措置が取れないかということを検討することを主眼として設定されていたのですから。


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出口はなぜ公益法人会計基準改正手続きに反対するのかーその2 [2020年02月13日(Thu)]

前回の続きです。やや専門的です)

公益法人会計基準の総則の中にゴーイング・コンサーンの規定を入れ込もうとする今回の改正案の趣旨は以下の通り説明されています。


【現行の公益法人会計基準においては、「継続事業の前提に関する注記」

は規定されているが、そもそも公益法人会計基準が継続組織を前提とし

たものである旨の規定はされていない。

国際的には、公的な部門における会計基準について定めた国際公会計

基準(IPSAS)において、「ゴーイング・コンサーン」について規定され

ている。

また、平成 30 年7月、企業会計審議会が定める監査基準が改正された

ことを受け、翌年には、日本公認会計士協会の監査基準委員会報告書等

が改正され、「継続事業の前提」について監査報告書本文に記載するこ

ととされた。

こうした状況を踏まえ、公益法人の財務諸表の作成基準である公益法

人会計基準においても、従来から実務上の前提とされている「継続組織の

前提」について確認的に明記するものである。】(「改正案の趣旨」)


とあります。


企業会計の監査基準変更されたから、政府の会計の国際基準を参考にしたものである=非営利の本質については検討していないと説明されています。


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非営利組織とゴーイング・コンサーン:出口はなぜ公益法人会計基準改正手続きに反対するのか?その1 [2020年02月12日(Wed)]

<やや専門家向けです。お許しください>

今回の公益法人会計基準の改正はゴーイング・コンサーンの日本語訳を「継続事業」から公認会計士協会のモデル会計基準の用語である「継続組織」に変えようとするものです。

(他の非営利法人の会計基準も「継続事業」の用語が使用されています)


出口がなぜ大反対をしているのか、よくわからないという質問を受けますので、お応えいたします。


それは「非営利組織とゴーイング・コンサーン」の部分には、非営利会計の本質が凝縮されているからです。


会計には、「企業会計」と「公会計(政府、地方自治体、政府機関の会計)」と「非営利組織の会計」(日本では非営利の会計基準は多数あり、世界的に見て異例のことです)があります。


企業会計は、口別計算からゴーイング・コンサーンの前提を置くことで、期間損益計算、発生主義とセットで重要な進展を遂げました。利益を目的としている以上、ゴーイング・コンサーンの前提をおくことは当為として可能です。公会計でも同様と思います。


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ガバナンス有識者会議の公開性が見事 [2020年02月11日(Tue)]

 公益法人のガバナンス有識者会議のことはこれまでもお知らせしたところです。

 昨日2月10日に、第三回の会議あったようですが、すでにホームページにアップされています。

 素晴らしいとしか言いようのない公開のスピードです。


 内容についてはいろいろとあるところでしょうが、公益法人の皆様が現場からの声を反映させることが大事だと思います。


 他方で、内閣府の同じ部署が担当しているのに.........................…。今日のところはここまでにしましょう。何を言いたいかは、ブログを読んでいただいている方には容易に分かるはずですから。



迷走する公益法人「会計研究会」の下でのガバナンス強化の危険性 [2020年02月04日(Tue)]

 迷走する「公益法人の会計に関する研究会」が第40回の議事資料と議事要旨を公開しました。「寄付に指定があっても指定正味財産ではない寄付」とわけのわからないことを議論しています。

 公益法人のガバナンス強化の有識者会議が発足したことは、すでにお伝えしているところです。公益法人の場合には、企業のように利潤の追及のような共通の目的はありません。公益を目的とすることは共通していますが、その公益の種類・中身はそれぞれの法人で別個です。また、それを利益計算のように数字で共通に表すことができません。したがって、公益法人のガバナンスはミッションに対して発揮(ポジティブ・チェック)されるよりも、コンプライアンスに対して発揮(ネガティブ・チェック)されることが多くなります。言い換えれば、ルール違反に対するガバナンスがその中心といってよいでしょう。


 ところが、残念なことに、守るべきルールが公益法人の場合には明確ではなく現場で大混乱が生じています。法人の規模に比べても膨大なルールを押し付けられ、細部(のみ)を指導されているためです。とりわけ、非公開の「公益法人の会計に関する研究会」(会計研究会)が会計及び財務三基準の法律に関わる解釈(ルール)を、毎年のように変えてしまった結果、これまでも何度も混乱を誘発してきています。公益法人の指導的立場にあった公益法人協会の財政基盤安定化基金まで違法なのかどうか内部で判別不能な状態になったことは記憶に新しいことと思います。


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会計研究会の大前進:議事要旨を公開へ [2018年11月28日(Wed)]
 本ブログで主張し続けた甲斐あってか、内閣府公益認定等委員会の会計研究会の議事要旨がようやく公開される運びとなりました(ごく一部のみ)。
5年間かかりましたが、まずは関係者の英断に拍手を送りたいと思います。
早速、議事要旨も公開されています。

 常勤委員もオブザーバーで参加するようになったのですね。
 役所がこのような軌道修正をすることは案外難しく、多くの抵抗に会うものです。
 一歩前進ですね。

 とはいえ、本来の姿は、議事要旨ではなく議事録の公開です。
引き続き本来の姿へ向けてご尽力願います。
公開で作り上げたガイドラインを、非公開議論で変更することなかれ [2018年05月19日(Sat)]

会計研究会2 前回からの続きです。


公益法人制度改革から今年で10年。非公開の内閣府会計研究会が始まって丸5年。毎年解釈変更していて未だに結論が出せない異常事態です。

制度を維持できるかどうかの危機的状況まで来ていると言えます。

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非公開の研究会からは混乱しか生まれない [2018年05月13日(Sun)]

内閣府の会計研究会が報告書案を発表し、パブリックコメントを募集中です。

会計研究会については、

@一切の議論及び資料を非公開・非公表で研究会を行っている。

Aガイドラインに相当する部分をガイドライン策定時の関係者を一人も交えずに議論している。

B法令解釈に相当する部分を会計関係者だけでしている。


以上のような特徴を持ち、改善の必要性を本ブログでたびたび指摘してきたところです。


さらに、

名目上は緩和策を目的としていながら、規制強化策を同時に組み込んでいるため、民間側は混乱に陥り、公益法人協会ですら対応がおかしなことになりました。

残念ながら今回もこれまでと同じ轍を踏んでいます。

今回は公益法人界あげて白紙撤回を要求するなど抜本的な対策を講じないと本制度が崩壊しかねないところまで来ていると思います。以下、今回の報告書を例にとり、解説していきます。

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法令ガイドライン上の大規模法人、中規模法人、小規模法人 [2017年09月09日(Sat)]
前回の投稿に関連したものです。

かなり専門的な記載になります。お許しください。


「ブログで法令・ガイドラインから公益法人は大規模法人、中規模法人、小規模法人にすべて分かれていると言っているが、よくわからない」という質問を受けました。分からないような記載になっていますから、致し方ないと思います。 これまでも取りあげてはいたのです。何度も。でももう一度お示ししましょう。


参考法令及びガイドライン:

認定法5条12号

十二  会計監査人を置いているものであること。ただし、毎事業年度における当該法人の収益の額、費用及び損失の額その他の政令で定める勘定の額がいずれも政令で定める基準に達しない場合は、この限りでない。



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公益法人協会の財政基盤安定化基金と混沌 [2017年09月02日(Sat)]
南海の帝王(儵(しゅく))と北海の帝王(忽(こつ))とが、中央の帝王「渾沌」に恩義を感じ、その恩義に報いようとする話があります。南北の帝王は「混沌」には、目、耳、鼻、口の七つの穴がなくてかわいそうだと思い、恩義のお礼に、二人して1日ひとつずつ「混沌」に穴を開けてあげます。その結果、7日目には「混沌」は死んでしまいました。言わずと知れた、荘子の混沌です。南北の帝王が「混沌のためにしてあげたこと」が仇になってしまったわけです。


多くの公益法人の運営面で心の支えとなっている公益財団法人公益法人協会が、今回、「財政基盤安定化基金」という名称の特定費用準備資金を積み立てたところ、内閣府からおとがめを受けていることがわかりました。この話を聞いて、荘子を思い出した人は小生以外にもいるのではないでしょうか?公益法人協会がこのようになったということは、制度が死にかけているということに他なりません。



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病膏肓第二弾 会計研究会報告 [2017年08月26日(Sat)]
 新公益法人制度が始まって大方10年ほどになります。法令やガイドラインに基づた指導も行われてきたものと推察します。


 ところが、今頃になって、「控除対象財産の趣旨や内容を明確化すること等により、法人により様々となっている各財産への繰入れ実態の是正を図ることができないか、所要の検討を行うこととした」(会計研究会報告平成29年6月)と、能天気なことを言っています。



1年間検討した結果もまた、

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公益認定等委員会よ、しっかりせよ。 [2016年08月01日(Mon)]
 内閣府公益認定等委員会が今年も会計研究会を開催することを公表しました。その文面を見て驚いた公益法人関係者が小生宛に一斉に問い合わせをしてきました。


 基礎の基礎、いろはのイに問題がある。このブログでそのことは何度も感じていましたが、武士の情けで、多少、舌鋒を緩めてきたのは間違いだったのかもしれません。


「現在、新制度への移行はほぼ完了し、税制優遇を受ける法人が、安定的な経営を行いつつ、寄附等から形成された財産を過大に内部留保せず、無償・格安でサービスを提供するという制度改正の趣旨に沿った運用が積み重ねられている」とありますが、公益法人には、「内部留保」という概念はすでになく、認定等委員会としては間違ってはいけない箇所です。


 この文面が委員会をすり抜けてしまったという点で、残念ながら専門委員会としての鼎を軽重を問わざるを得ません。
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賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準 適用問題 [2016年04月24日(Sun)]
賃貸等不動産の時価等の
開示に関する会計基準 適用の是非


先月「平成27年度公益法人の会計に関する諸課題の検討結果について」が、公益認定等委員会と会計研究会の連名で公表されました(以下「27年度会計報告」という)。

IFRSに追従する日本の企業会計基準を、公益法人に当てはめようという方向性が明確に出てきていると思います。

企業会計に関するテクニカルなことですので、今回は個人としてはパブコメ提出を見送っていました。しかし、報告内容は、移行時との一貫性も欠くことから、公益法人に混乱を招くことになりそうなので、敢えて指摘させていただきたいと思います。

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公益認定等委員会 会計研究会の最終報告書 [2015年03月30日(Mon)]
会計研究会の最終報告書が公開されました。

このブログは誰かを責めることが目的ではないので、最終報告書に対するコメントは控えたいと思います。最終報告書は基本的に素案を踏襲していますから、小生の意見は満期保有目的の債券に関すること以外は言い尽くしていたからです。公文書としてこれが残るわけですから、会計研究会のメンバーの方には深くご同情申し上げます。
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ブログ直属の監督目安箱 [2015年03月29日(Sun)]
ブログ直属の「監督目安箱」を設けます。


会計研究会のメンバーは大変気の毒な立場にありました。(会計専門家が必ずしも知っている必要のない)ガイドラインに対しての正確な情報提示がなされなかったものと推察されるからです。「ガイドラインに掲げられている」と記載されている内容がガイドラインに記載されていないわけですから。これを単純なミスとして処理することは適切でありません。収支相償の根幹にかかわる部分で、当然、監督上のスタンスにも影響してくる問題です。



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会計研究会最終報告コメント [2015年03月16日(Mon)]
会計研究会最終素案に対するコメント

 個人の立場で会計研究会最終素案に対してコメントを先週送付しました。


 委員会及び研究会関係者の皆様におかれましては、単なる批判と受け止めずに「将来へ向かって」(どこかにあったフレーズです)、さらに研究会の議論が深化していくことを祈念しての厳しいコメントと受け止めて頂ければ幸いです。「剰余金の定義」を間違えていること、「小規模法人」が制度上定義されているのに無視していることなどを、あまり軽く考えないように、よろしくお願いいたします。


主なものは以下の通りです。



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会計研究会の不思議  法人会計 本当に緩和? [2015年03月08日(Sun)]
「正味財産増減計算書内訳表における法人会計義務付けの緩和」というのが出ており、今回の目玉の一つだと思います。法人の皆様は喜んでいるかもしれませんが、注意が必要です。


 議論の前提が、「法人会計は認定法第 15 条を踏まえ、公益法人の運営に必要な経常的経 費 (管理費) の額を事業費と区分する役割を担っている」(素案11ページ)という安易な立脚点にたっています。


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会計研究会 収支相償 緩和になんか絶対ならない [2015年03月07日(Sat)]
これまでのことをまとめると、次のようになると考えます。

研究会は制度について明確な検討を行って変更するのではなく、なし崩し的に(例・他会計振替)定義を変えて、そこから議論を出発しているようです。研究会のメンバーの方は一生懸命議論されたことと思いますし、ついていないとしか言いようがないですね。

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