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民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


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速報 内閣府が公益財団法人日本プロスポーツ協会に初の命令 [2020年02月16日(Sun)]

 内閣府は2月14日に公益認定法第28条第3項の規定に基づく「命令」を公益財団法人日本プロスポーツ協会に対して行いました。


 同法人が評議員会の定足数を満たすことができない中でガバナンスの問題が発生していたところ、内閣府は昨年11月22日に勧告を行っていました。それに対して、同法人は本年1月31日付けで報告書 を内閣府へ提出したものの、勧告の内容に応えていなかったことから、さらに内閣府が命令を行ったものです。


 従来、「勧告」や「認定の取消し」はあったものの、両者の間になされる「命令」は初のケースです。手続き的に「命令」を飛ばしていた形でしたが、今回、法が求める監督の手順をしっかりと踏み、果敢な判断を内閣府において行ったものと思われます。行政手続法との関係も明瞭であり、「命令」の内容も具体的で法人にも分かりやすいものと思われます。


 公益財団法人日本尊厳死協会の判決内容やガバナンス有識者会議の議論の影響が良い形で出ているものと思われます。期限については、時刻の指定まであります。法人としては公益法人としての矜持がしっかりあれば、対応できる内容となっているのではないでしょうか。


 なお、他法人にとっても極めて有用な内容ですので、本「命令」書をよく読み、これをを契機に各公益法人の理事会、評議員会、社員総会において、もう一度それぞれのガバナンスのあり方について検討してみてはいかがでしょうか。


日本尊厳死協会の判決。内閣府は判決を受け入れ、これを奇貨としてはいかがでしょうか。 [2019年11月07日(Thu)]

 控訴審で争われていた一般財団法人日本尊厳死協会の不認定処分に対する裁判で、国の控訴を棄却する判決が出されました。 内閣府にとっては耳の痛い話かもしれませんが、こういうことを通じて制度は改善されていくのでしょう。この判決を受け入れることで、これを奇貨としてはいかがでしょうか? 小生は非常に多くの人とこの処分について話し合いましたが、ひとりとして内閣府の不認定処分が妥当だという人はいませんでした。


 パソコンのOSも社会の制度も、最初から完全に出来上がるものではありません。「バグ」が生じることは当然あります。大事なことはそのような「バグ」に素直に向き合うことだと思います。


 新しい制度は、法人も行政庁も試行錯誤の状態だったはずです。誰もが間違いをおかさない超越的な存在でないことは言うまでもありません。行政庁が間違えることも想定して最終的には司法の判断に委ねることになっていました。今回の判決は旧制度と新制度との裁量権の比較を明確にした上での判決で、素晴らしいものだと思います。



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公益法人監督川柳 [2019年08月24日(Sat)]

公益法人に対する監督があまりにもひどいという声を受けて、公益法人監督川柳を作ってみました。どれが一番お気に入りですか?よろしければ、本投稿のコメント欄またはdeguchi at minpaku.ac.jp(atを@に変えてください)まで投票ください。また、新作もお待ちします。



@上げ下ろし 箸はやめたよ  爪楊枝

「箸の上げ下ろしの指導」を止めると言って始まった公益法人制度改革。

それ以上の無意味な指導に公益法人が辟易としていませんか?

従来にすらなかった事細かな指導は「爪楊枝」の上げ下ろしとまで言われています。


A使い過ぎ 誰が止めるの 2号規制

  公益認定法の52号の「経理的基礎及び技術的能力」は監督上何にでも使える最後の奥の手です。内閣府ですら法令違反状態が長らく続いた状況があるほど公益法人制度は混乱状態です。それにもかかわらず、法人側に法令違反もないのに「技術的能力がない」と多用過ぎてはいませんか?

   上記以外の内閣府法令等違反


B三基準 これ何のため 誰のため

  収支相償、遊休財産、公益目的事業費率のいわゆる「財務三基準」は三つセットで、相互に連関しながら、公益目的事業費用の拡大を目指したものです。それぞれをバラバラにした微に入り細に入りの指摘とその上での彌縫策の指導は、却って公益法人の無駄使いや混乱を誘発していませんか?

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公益法人にはどれだけの規程類がいるか:公益法人絶滅危惧種論 [2018年04月07日(Sat)]
 トルストイの「人にはどれだけの土地がいるか」という民話があります。主人公パホームは、出発点までぐるりと回って日没まで一日歩いた分の土地を安く売ってもらえるという約束を村長とします。パホームは、この土地も、あの土地もと思いながら欲張って歩きすぎ、日没のときにとうとう息を切らして死んでしまうという内容です。より理想とする土地の広さを追い求めた結果、パホームには自らを埋葬する頭から足までのサイズの土地だけが与えられたというオチまでトルストイはつけています。


 パホームの心境は文豪の筆に委ねるとして、公益法人の指導監督にパホームの心境が重なって見えたような気がします。柔軟な活動が期待されているとされる、公益法人にはどれだけの規程類がいるか、と。


 ちなみに公益法人の職員の中央値(メジアン)は5名。言い換えれば、職員数5名以下の公益法人が50パーセントを占めています。



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