• もっと見る

民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


<< 2026年04月 >>
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
最新記事
月別アーカイブ
画期的!初谷勇『非営利法人の法と政策』 [2025年05月09日(Fri)]

日本の公益法人(公益社団法人、公益財団法人)、一般社団法人、一般財団法人、NPO法人、学校法人、社会福祉法人、更生保護法人、医療法人など非営利法人については、日本では他国で見られないほど、歴史的な経緯からガラバゴス化しています。


政策面からいってもこのような乱立がマイナスに働いていることは論を俟たないでしょうが、将来的な道筋を論理的に示すことは非常に困難なことでした。


会計基準もばらばらであり、例えば、公認会計士も悲鳴を挙げています。統一すれば便利になる、比較可能となるという総論は誰しも賛成できるものですが、ではどのようにするのかについての各論は合意が決してたやすいわけではありません。


そのような状況にあって、初谷勇の『非営利法人の法と政策−−系統・分類・組織併用−− 』(晃洋書房)という画期的な書がこのたび上梓されました。


元来、自然科学の中で用いられていた系統分類学の方法論を文化的構築物に応用ないしは再発見した、中尾央・三中信宏らの文化系統学を援用し、初谷は非営利法人のガラパゴス化の問題に果敢に挑戦しています。


初谷勇の「非営利法人の系統」という概念は、非営利法人の多様性と制度的背景を理解するための有効な枠組みを提供しています。この概念を通じて、非営利法人の制度的課題や政策的対応の方向性が明確になり、今後の非営利法人制度の発展に寄与するものと考えられます。


また、ガラパゴス化したいくつかの非営利法人を併用して公益活動の実現を図っている実態にも着目しています。このことを「組織併用」という概念で示しています。


日本の非営利法人制度を考える者にとって、極めて重要な書です。


続きを読む...
公益社団法人非営利法人研究学会第23回全国大会のシンポジウム [2019年08月04日(Sun)]

9月15日(日)16日(月)開催予定の公益社団法人非営利法人研究学会の第23回全国大会のシンポジウム「公益法人制度改革10周年―公益法人の可能性と課題を探る―」にパネリストとして出席します(福岡県久留米大学 御井(みい)キャンパス)


統一論題報告及びパネルディスカッション【御井本館313A教室】

  「公益法人制度改革10周年―公益法人の可能性と課題を探る―」

   コーディネーター 齋藤真哉(横浜国立大学)

   パネリスト  尾上選哉(大原大学院大学)

「会計からみる公益法人制度改革の課題と可能性」

 苅米 裕(税理士) 

   TBA

出口正之(国立民族学博物館)

「税制優遇のルビンの壺:価値的多様性と手段的多様性の奨励」

続きを読む...
アカデミックな学会は公益法人または認定NPO法人を目指せ [2015年09月21日(Mon)]
 今年の夏の官庁の人事異動で、第4代内閣府公益認定等委員会事務局長を務めた駒形健一氏(前公害等調整委員会事務局長)が日本学術会議の事務局長となりました。現役の方なので人物評は差し控えますが、公益認定制度を熟知した方が日本学術会議の事務局長となったということは実に意義深いものです。また、公益も公害も共に考えてきた人だというのも偶然とは思えません。日本学術会議は、我が国の人文・社会科学、生命科学、理学・工学の全分野の約84万人の科学者を内外に代表する機関であり、210人の会員と約2000人の連携会員によって職務が担われています(同会議WEBより)。研究者の集まりである学協会(以下「学会」という)の多くは、日本学術会議協力学術研究団体となっており、日本学術会議と学会との関係は深いものであります。

 
続きを読む...