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民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


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今一度 改革の趣旨の確認を [2019年01月27日(Sun)]

 新公益法人制度施行10年ということで昨年いくつかの会合があった。その中で気になることの一つとして、改革の趣旨がある。

誤解されやすいが、公益法人の不祥事を無くそうということが改革の趣旨であったわけではない。


<不祥事→法整備の必要性→法整備→公益認定制度の確立>(以下「誤解の立法趣旨」という)は大変な誤解である。民間側も誤解している節がある。


 さすがに、公益法人協会の雨宮孝子理事長(元内閣府公益認定等委員会委員)は、誤解をすぐさま打ち消したが、時間が限られた中でどこまでそのメッセージが届いたのだろうか。



 この点について、平成132001)年1月から平成152003)年7月まで、当時の内閣官房行政改革推進事務局行政委託型公益法人等改革推進室の初代室長として、公益法人制度改革の提案から、その実施に向けての基本方向を定めた平成15年6月の閣議決定まで在任した小山裕氏は以下のようにはっきりと述べている。




「改革の目的を『民間非営利活動を促進する経済・ 社会システムの確立』に置き、公益法人制度改革は、この目的に沿うべく進めるべきとしたのである。この考えは、平成15年6月の閣議決定『公益法人制度の抜本的改革に関する基本方針』にも貫かれている。時として、『民間非営利活動の推進』という目的は後から出てきたものの如き論調も目にするが、当初からの揺るがぬ考えである。」(小山2009:129




<「民間非営利活動を促進する経済・ 社会システムの確立」→法整備→税制の整備(促進税制の拡大)>が真の改革の姿である(以下「真の立法趣旨」という)。




この立法趣旨を間違えると、内閣府公益認定等委員会をはじめとする合議制機関の機能が180度変わってくることになりかねない。




<誤解の立法趣旨>の立場に立てば、もともと公益法人は不祥事が絶えなかったのであるから、合議制機関の役割は公益法人が不祥事を起こさないように常に監視し、法令その他から逸脱しないようにあれこれ口を挟むことになる。


<真の立法趣旨>に立てば、公益法人の不祥事については役員・評議員などでしっかりできるように法整備がなされたところ、公益法人の自律性に期待し、合議制機関の役割は「民間非営利活動を促進する経済・社会システムの確立」のため、公益法人ができるだけ柔軟で自由な活動ができるような環境整備に努めることになる。




小山は改革前の旧主務官庁制度の問題点を以下のように言っている。


「民法上監督権限はあるのであるから、公益法人側に何か問題が生じた場合 は、権限を行使しなければならない。特に、どこかの法人が不祥事でも起こすと、監督はどうなっている、との大合唱が起きる。そして、そこでとられるのが最も安易な対処法、すなわち行為規制の強化である。つまり、法人の箸の上げ下ろしまでとやかく言うということ なり、第2の問題点、何のために監督するのかということにつながっていく。」(小山2009:121




この点は過去と変わったのだろうか?

<誤解の立法趣旨>の立場で、公益法人改革後、合議制機関があれこれ言いだすと、旧主務官庁時代よりも事態は悪くなりかねない。




「当初からの揺るがぬ考え」が揺らいではいないか、今一度、改革の趣旨を皆で確認し合あってみてはいかがだろうか。


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