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民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


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河野太郎行革担当大臣が収支相償の運用見直し指示 [2016年07月14日(Thu)]
 昨日のTBSニュースによると、河野行革担当大臣が、国と地方の間で運用にばらつきがあるとして、内閣府にルールの周知徹底と、運用見直しを指示したそうです。

さすがに河野大臣、問題の本質をしっかりと押さえていらっしゃる。

(収支相償は)「単年度で収支をバランスしなければならないというものではなくて、翌年度以降に繰り越しをするなど弾力的な取り扱いができるのですが、これが必ずしも行政庁で徹底をされておりません。」

収支相償の現在の運用の課題を的確に表現されています。収支相償は余った資金を公益のために使うことを宣言させるものです。つまりアセット・ロックです。そのことを見事に一言で表現されました。まさに本ブログで言い続けた内容です。
 
 これを昨年の公益認定等委員会の「会計研究会」の報告書と比べてみましょう。「認定法第14条に規定される『公益法人は、その公益目的事業を行うに当たり、当該公益目的事業の実施に要する適正な費用を償う額を超える収入を得てはならない』という収支相償の判断も、事業年度単位で行うことが原則となる」(P.13)

 この報告書と河野大臣のご指摘は似ているようでありますが、実は原則論の点で大きな違いです。収支相償は、事業年度単位で計算はしますが、会計研究会が言うような「事業年度単位で行う」ものではなく、大臣が指摘されたように公益目的事業の資金を公益目的事業として将来にわたって費消していくことを原則として、ルールを作りました。その点についての非常に大きなメッセージを発していただいたと思います。

 さらに大臣は「公益法人のなかには利益が出ないよう年度内に無駄遣いをするケースがあるとし、『モラルハザードになっている』と問題視しました」(同ニュース)と、問題点を的確かつ簡潔に表現されています。
 
 本ブログで繰返し指摘してきたことですが、「収支相償」は会計の問題ではありません。法解釈の問題です。「剰余金」や「黒字」等の会計用語に困惑され続けたこの制度を一刻も早く元にもどしていただければ幸いです。

 なお、その際、遊休財産規制、公益目的事業比率規制、公益目的取得財産残額への影響を考えることをお忘れなく。
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コメント
法改正ではなく、運用見直しを指示した点が見事です。昨年の会計研究会報告は収支相償の運用の見直しを含んでいましたから、それにノーを突きつけた形になります。
Posted by:出口  at 2016年07月14日(Thu) 13:19