FATFは非営利組織を通じてのマネロンとりわけテロリストへの資金供与について強い警鐘を発したのは、10年を遥に超える昔ですが、日本では、「非営利組織」の意味するところが、必ずしも当局に十分理解されていたとは思えず、本ブログでも度々警鐘を発しておりました。
というのも、日本では非営利組織が公益法人、学校法人、社会福祉法人、更生保護法人、医療法人、NPO法人、一般社団・財団法人、宗教法人などにガラパゴス化し、非営利組織全体に通底する施策を打ち出しにくい構造的な問題が背後にあったことが大きな問題だとおもいます。
このガラパゴス化の問題に真正面から取り組んできたのは、「民都・大阪」フィランソロピー会議ぐらいでしょう。
ついに、財務省が非営利組織のFATFに関するパンフレットを作成しましたが、六つの法人種別のそれぞれの対策のURLが紹介されています。
さらに、この問題を真剣に考えなければならないのは、「様々な情報を公開する義務があってかつ官の関与がある非営利法人」を増やすことが、安全保障上の大きな国益に直結しているということです。
FATFの議論を海外でするとき、日本における地政学的リスクの捉え方が、海外と日本では全く異なることに驚かされます。
まず、内閣府公益認定等委員会はFATFの問題を真剣に議論し、非営利法人として、「情報公開もしなくていい、行政も関与できない法人」を作り出すような方向に向いていなかったのかどうか、真剣に考えるべきでしょう。それがどれほど日本の国益だけではなく東アジア全体の安全をも損なうことになるのかという、海外から日本に向けられている憂慮の大きさに触れるべきでしょう。
また、行政系の一般法人は自ら進んで公益法人となり、公益法人こそがスタンダードであるという社会的良識を作り上げていくことに寄与すべきです。
現在の公益法人向けのガイドラインの第1章は、正しい方向へしっかりと向いているように思います。その趣旨に沿ってそれを運用していくためにも、内閣府公益認定等委員会の役割は極めて大きいものがあると考えます。
今、そこにある危機に、取り組むべきです。

