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民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


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公益を目的としていること以外の公益法人の特徴って何? [2024年10月06日(Sun)]

ニューヨークのブロードウエイのミュージカルは営利企業が行い、リンカンセンターのオペラは日本の公益法人のような非営利非課税法人が行っていますが、両者の違いって何でしょうか?


どちらも豪華な衣装や舞台を用意し、素晴らしい演奏や歌を披露してくれます。

両者とも興業ですから、 リンカンセンターのオペラが営利企業等が実施している事業と類似する事業だと指摘されば、そうだと言わざるを得ません。


実際に、ニューヨークに出張でも行けば、今晩は「ニューヨークのブロードウエイのミュージカルへ行こうかな?リンカーンセンターのオペラに行こうかな?」と迷う人も多いでしょう。


その時に、オペラの公益法人が実施する特徴を示せと言われたら、どう説明したらよいのでしょうか?


前者は興業主が大きな利益を上げようとし、後者は公益を目的として利益を分配しないという大きな本質的な特徴の違いがあります。税だけが関係者の判断基準ではありません。


儲かると思って儲けを期待しながら投資をする人がたくさん集まれば、営利法人を選ぶでしょうし、別の公益目的がある人は公益法人を選ぶでしょう。この目的の違い、儲けてもそれが自分のものにならないという違いは他の要素に比べるとあまりにも大きなものがあります。


日本の場合には、公益法人に対して、さらに役員の報酬に関する規制や財務三基準というものがあります。儲けたいと思う人にとっては、あまりにも「魅力がない制度」であり、それは非課税の魅力の度合いと比べると、何倍も何倍も大きな「魅力のなさ」です。


それ以外の特徴を上げろと言われたら、皆さんは何と答えますか?


まさか、「オペラは芸術だけど、ミュージカルは芸術ではない」とは言えないでしょう。オペラも人を育てていますが、ミュージカルもレベルは収益に直結しますから、ものすごく人を育てています。


また、リンカンセンターでもミュージカルは公演されますから、場所の違いだとも言えないでしょう。


値段の違いでいえば、オペラの方が高いかもしれません。


さらに、ブロードウエイのミュージカルは営利企業ですが、別の場所でのミュージカル興業社が非課税団体である例もたくさんあります。


もし、当局が公益法人に対して他の営利企業との異なる「特徴」を求め出したら一体何と答えればいいのでしょうか? 是非どなたか教えてください。


公益法人には企業と異なる事業上の特徴があるはずではないか、と一見説得力のある主張の中にこそ危険が潜みます。


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