完全にデジャブ 柔軟化と称しての規制強化提案を許すな
[2022年12月23日(Fri)]
前回お話した会計研究会の行った混乱は次のステップを踏んでいます。
1.制度を理解しないままに、法令上の根拠が不明確な規制(以下「幽霊規制」という)を前提とする。
2.当該幽霊規制を少しだけ、緩和して、緩和策として発表。
3.結果的に元の制度よりも厳しい制度に変化させる。
今回も、幽霊規制を柔軟化することで、結果的に規制強化を「柔軟化」と呼んでいます。全く同じことを繰り返しております。断固として抗議すべきです。
例えば、第4回の有識者会議でのある委員の提案では以下の表現があります。
という提案です。これが「柔軟化」として出されています。
これでは全く会計研究会の時と同じではないでしょうか。
公益認定法はどのようになっているでしょうか?
変更認定申請
(変更の認定)
第十一条 公益法人は、次に掲げる変更をしようとするときは、行政庁の認定を受けなければならない。ただし、内閣府令で定める軽微な変更については、この限りでない。
(略)
二 公益目的事業の種類又は内容の変更
事業の実施の段階で、この規定に係わる事業を行う場合には、事前に変更認定申請または事後すみやかに変更認可申請をしなければなりません。
特定費用準備資金のコンメンタール的役割を果たしている第19回公益認定等委員会での解説では、以下の通り、積立の段階では行政庁が係わる必要がないことを明確にしております。
○事務局 特定費用準備資金は、法人が随時こういうものをやりましょうということで決めて頂ければよく、年度途中や、以前からやっているものがあればそれに入れても構わないですし、決算の段階においてこういうことをやっていこうと決めてそこに繰り入れてもらうということでも構いません。(第19回公益認定等委員会議事録)
また、ガイドラインでは、「当該特定の活動の実施に当たっては、変更の認定(認定法第11条)等を要する可能性があることに留意する。」と、変更認定の必要があるときには、「実施にあたっては」と明確に時期(積立て時ではなく実施時)を明示しています。
ところが、当該提案では、変更認定の時期を「定期提出書類提出時に変更の認定にしていなくても」とあたかも、定期提出書類提出時に変更認定が必要とする書きぶりをしているうえ、
「3号財産若しくは4号財産として積立等を行うためには、その事業がすでに認定されている必要があり、成長戦略(DX投資を含む)に応じた柔軟な対応が行えない」と「幽霊規定」を持ち出しています。
とまさに存在しない幽霊規制を持ち出し、
【「成長戦略に投資すること」が明らか であれば】という条件を付加しているわけですから、これは柔軟化ではなく、明らかに規制強化の提案です。
百歩譲って、提案者に同情するとすれば、変更認定の「手引き」(これはあくまで法人へのサービスの書類です)には
「数年後に新規事業の立ち上げを予定しており、あらかじめ特定費用準備資金又 は資産取得資金のみを計上する場合についても、事業の内容の変更として変更認定を受 ける必要があります。」と誤解を与えかねない説明があります。
これが仮に計上時にすなわち積立時に変更認定が必要という意図ならば(これはありえませんが)、当然、公益認定等委員会での審議とパブリックコメントを経てガイドラインに記載していなければなりません。
つまり、当該提案をした方は、現行制度では存在しない、幽霊制度を持ち出し、緩和策を議論しているのです。
これでは、事務局の中枢部がいくら素晴らしい制度説明をしようと思ってもできるはずがありません。事務局中枢部に同情せざるを得ません。
まずは、「理解が進んでいない」ではなく「誤解を与えていた」という謙虚な姿勢に立って、幽霊規制に基づく議論を行っていないかチェックすべきです。
さらに構造的な問題、幽霊規制生み出している原因を追求し、その改革が制度改革に先立って必要だと思います。
1.制度を理解しないままに、法令上の根拠が不明確な規制(以下「幽霊規制」という)を前提とする。
2.当該幽霊規制を少しだけ、緩和して、緩和策として発表。
3.結果的に元の制度よりも厳しい制度に変化させる。
今回も、幽霊規制を柔軟化することで、結果的に規制強化を「柔軟化」と呼んでいます。全く同じことを繰り返しております。断固として抗議すべきです。
例えば、第4回の有識者会議でのある委員の提案では以下の表現があります。
定期提出書類提出時に変更の認定がされていなくても、認定変更申請(ママ)を提出済(予定)であり、「成長戦略に投資すること」が明らか であれば、新規事業に対する積立等を3号財産若しくは4号財産 として認める
という提案です。これが「柔軟化」として出されています。
これでは全く会計研究会の時と同じではないでしょうか。
公益認定法はどのようになっているでしょうか?
変更認定申請
(変更の認定)
第十一条 公益法人は、次に掲げる変更をしようとするときは、行政庁の認定を受けなければならない。ただし、内閣府令で定める軽微な変更については、この限りでない。
(略)
二 公益目的事業の種類又は内容の変更
事業の実施の段階で、この規定に係わる事業を行う場合には、事前に変更認定申請または事後すみやかに変更認可申請をしなければなりません。
特定費用準備資金のコンメンタール的役割を果たしている第19回公益認定等委員会での解説では、以下の通り、積立の段階では行政庁が係わる必要がないことを明確にしております。
○事務局 特定費用準備資金は、法人が随時こういうものをやりましょうということで決めて頂ければよく、年度途中や、以前からやっているものがあればそれに入れても構わないですし、決算の段階においてこういうことをやっていこうと決めてそこに繰り入れてもらうということでも構いません。(第19回公益認定等委員会議事録)
また、ガイドラインでは、「当該特定の活動の実施に当たっては、変更の認定(認定法第11条)等を要する可能性があることに留意する。」と、変更認定の必要があるときには、「実施にあたっては」と明確に時期(積立て時ではなく実施時)を明示しています。
ところが、当該提案では、変更認定の時期を「定期提出書類提出時に変更の認定にしていなくても」とあたかも、定期提出書類提出時に変更認定が必要とする書きぶりをしているうえ、
「3号財産若しくは4号財産として積立等を行うためには、その事業がすでに認定されている必要があり、成長戦略(DX投資を含む)に応じた柔軟な対応が行えない」と「幽霊規定」を持ち出しています。
とまさに存在しない幽霊規制を持ち出し、
【「成長戦略に投資すること」が明らか であれば】という条件を付加しているわけですから、これは柔軟化ではなく、明らかに規制強化の提案です。
百歩譲って、提案者に同情するとすれば、変更認定の「手引き」(これはあくまで法人へのサービスの書類です)には
「数年後に新規事業の立ち上げを予定しており、あらかじめ特定費用準備資金又 は資産取得資金のみを計上する場合についても、事業の内容の変更として変更認定を受 ける必要があります。」と誤解を与えかねない説明があります。
これが仮に計上時にすなわち積立時に変更認定が必要という意図ならば(これはありえませんが)、当然、公益認定等委員会での審議とパブリックコメントを経てガイドラインに記載していなければなりません。
つまり、当該提案をした方は、現行制度では存在しない、幽霊制度を持ち出し、緩和策を議論しているのです。
これでは、事務局の中枢部がいくら素晴らしい制度説明をしようと思ってもできるはずがありません。事務局中枢部に同情せざるを得ません。
まずは、「理解が進んでいない」ではなく「誤解を与えていた」という謙虚な姿勢に立って、幽霊規制に基づく議論を行っていないかチェックすべきです。
さらに構造的な問題、幽霊規制生み出している原因を追求し、その改革が制度改革に先立って必要だと思います。
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