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民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


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公益法人協会のアンケート結果 [2015年04月06日(Mon)]
本ブログの監督目安箱にも、行政庁の対応に対する様々な情報が寄せられていますが、公益法人協会が『公益法人・一般法人の運営及び寄附等に関するアンケート結果』(2015年3月)を報告書として取りまとめており、そこでも興味深い情報がたくさんあります。自由記載欄の記述をそのまま報告書にまとめていて、率直な声が反映されています。報告書は2014年7月実施分なので、本ブログの分類でいえば、公益認定等委員会第三期前半の時期の法人からの行政庁に対する「評価」のようなものといってよいでしょう。


とりわけ、収支相償に対する不満は非常に多いのですが、自由記載のコメントを読んでみますと、ほとんどが制度の誤解に起因するものです。収支相償は、法人の柔軟な運営、公益目的事業の拡大(=公益の増進)などに配慮して作り上げたものですが、残念ながら、そのことが公益法人に伝わっていないことがよくわかります。「予算消化を重要視しなければならなくなった」(25頁)、「公益法人だからといって、黒字ではいけないというのは、おかしい」(29頁)、「収支相償を満たすために、無駄な出費となる」(30頁)、「持続的な活動を可能にするためには、単年度での収支相償は望ましくない」(30頁)等々。制度設計者の一人としては、制度が悪いというよりも、収支相償に対する正確な情報提供の不足として目に写ります。「〇〇県では、収支相償は0という指導を受けているが、法人会計に多少の財産を毎年積み立てることが可能になればよいと思っている」(21頁)という指摘は、公益目的事業会計だけではなく、法人会計も収支相償を求められているようにも感じます。こうした誤解のものでは、健全な公益法人活動がほとんど不可能なのもよくわかるというものです。
こうしたことは当然、事務コストの増大を招き、「公益認定後増員に伴う人件費増が当然続いている」(26頁)という現象が生じています。これは明らかに、「公益の増進」に逆行しているというべきでしょう。
それどころか、「内閣府の無知」(21頁)、「指導が担当者によって変わる」(21頁)といった問題まで指摘されています。そして、これは会計研究会の最終報告書素案で小生が指摘したこととも矛盾致しません。
 行政庁の方におかれては、是非、ガイドラインは柔軟な法人運営のためにつくられた、というスタンスで、今一度、声に出してガイドラインを読んでいただければと願っております。
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