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民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


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「青天を衝け」の日本のフィランソロピーの父とその継承者:渋沢雅英さん [2021年12月26日(Sun)]

 本日の『青天を衝け』の最終回は、これまで描かれた渋沢栄一の側面とは異なる部分が非常に分かりやすく出ていたように思います。渋沢栄一は日本近代資本主義の父と呼ばれていますが、フィランソロピーやNPOの父であったことも間違いありません。


 最終回は、中国での大水害の支援活動を命を賭して呼びかけた渋沢栄一のフィランソロピストとしての側面や日米の民間交流に懸ける熱意が見事に描かれていました。さらに、さらに渋沢栄一の孫の敬三の子(栄一の曾孫)の雅英さん(公益財団法人渋沢栄一記念財団前理事長)ご本人も元気なお姿をテレビで見せていらしたのはとても良かったと思います。


 ご存じの方も多いと思いますが、国立民族学博物館(以下「民博」) のルーツの一つは渋沢敬三のアチックミューゼアムです。民博の収蔵品はそれを受け継いでいます。また、フィランソロピーやNPOの父とも言えるのももちろん渋沢栄一ですが、それを承継したのは曾孫の雅英さんだと思っております。


 雅英さんや公益財団法人日本国際交流センターの創設の代表理事だった故山本正さんの貢献は、日本の平和やフィランソロピーにとって非常に大きなものだったと思います。本日の最終回はとりわけ民間国際交流の重要性を訴えていたように思います。


 古い話で恐縮ですが、実は月刊みんぱくで「ひろがりゆくNPO・NGO」という特集を組んだ時に、小生は無理を言って雅英さんに対談をお願い致しました(2005年4月号第29巻第4号通巻第331号)。


https://older.minpaku.ac.jp/museum/showcase/bookbite/gekkan/200504txt


 今読み返しても、大変貴重なお話を雅英さんからお伺いできたのではないかと思っております。雅英さんはロンドンでMRA(モラル・リアーマメント)の活動に出会って、敬三の反対を押し切って非営利の世界に入り込みます。


 この話を伺って「NPO活動のミーム(文化遺伝子)は渋沢栄一から、敬三を飛ばして、雅英さんに受け継がれているのではないか」とまで、言ってしまっています。


 民博へ移って直後の対談ですが、その後、公益法人制度改革の渦中に入り込み、対談で出たような研究はできていないままに定年を迎えて申し訳ない気持ちです。


 他方で、自らの研究テーマと所属機関の肩書との距離感に何かしらの違和感を覚えていたのですが、この対談を読み返すと、民博でフィランソロピーやNPOの研究を行うことは極めて正統的なように思いますので、今後もそうした研究者を公募していただきたいとも思っています。



 それにしても、月刊みんぱくのこの号には、今はメルボルン大学の教授となっている小川晃弘さんの「市民社会論への新しいアプローチ」や今を時めく池谷和信教授の「人類学者がNGOと出会うとき」などの面白いエッセイも出ています。是非お読みください。


全文がネットで読めますので、是非お読みください。


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