CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


<< 2021年10月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
最新記事
月別アーカイブ
レディメイド型助成とオーダーメイド型助成 [2021年08月29日(Sun)]

服を選ぶときに既製(レディメイド)品を選ぶのは「通常」は楽です。何より供給側にとっては大量生産もできますし、都合がよいでしょう。しかし、多様な消費者のニーズに既製品だけでは対応できません。人の体型は様々です。


 服が既製品しか販売していなければ、一方的に「排除される」消費者もいるでしょうし、何より多様な消費者の質的ニーズにも応えていくことができません。 


 長らく主務官庁に指導されていた日本の助成のスタイルを見ると既製服を売るスタイルとよく似ています。スケジュールがすべて決まっていて、決められた申請書を提出して、選考委員会に諮って助成先を選定するというスタイルです。


 こうしたスタイルと私はレディメイド型助成ないしはプログラム型助成と呼んでいます。日本ではレディメイド型助成が圧倒的に多いです。このスタイルには大きな利点があります。

  • 周知しやすい。  
  • 専門的な知識無しでもできる。
  • 多様な助成ニーズを断りやすい。  
  • 他者から文句がつけにくい。  
  • 特に行政庁から「特別の利益供与」(公益認定法5条3号4号違反)と疑われる心配がほとんどない。


   他方で、下記のような欠点もあります。

  • 助成決定まで時間を要する。  
  • 助成先に必要な時にタイムリーに助成ができない。  
  • 申請書の範囲のニーズは入ってくるものの、それ以外のニーズが入手できない。
  • 多くの死票ならぬ死申請書を作り出し、社会に負担をかける可能性がある。  
  • 助成先のニーズに必ずしも合った金額や内容となりにくい。

  レディメイド型助成は、海外では一般にRFP(Request for Proposal)方式と言っています。政府のスタイルと言いますか、政府が実施する場合にはほぼこの形になりますね。「官の文化」といえるかもしれません。



  (公益法人は)「行政部門や民間営利部門では満たすことのできない社会のニーズに対応する多様なサービスを提供することができる」(閣議決定)という立法趣旨からすれば、受け手が真に必要としている財・サービスを助成先と十分に相談しながら、あるいは助成先主導のプログラムに対して拠出すようなオーダーメイド型とも呼ぶべき助成も公益法人には必要でしょう。非プログラム的な臨機応変の助成です。


オーダーメイド型助成には以下のような利点があります。

  • 受け手の真のニーズにあった助成がベストのタイミングでできる。  
  • 助成はできなくても公益の多様な分野のニーズの情報が入ってくる。
  • 受け手とやり取りの中で法人に能力や情報が蓄積される可能性がある。
  • 事業助成だけではなく、組織助成(後日解説予定です)にも対応可能。

 他方でオーダーメイド型助成は以下のような欠点があります。

  • 公益法人が情報を有していない潜在的な受け手には情報が広く届きにくい。
  • 行政庁や社会から手続き面について指摘を受ける恐れなしと言えない。   

チェックポイントでは

レディメイド型は 【13助成(応募型)】



 オーダーメイド型は 【2.上記の事業区分に該当しない事業】 

を選んで申請することになっております。 


「民間非営利部門はこのような制約が少なく、柔軟かつ機動的な活動を展開することが可能」(前述の閣議決定)とされていました。


 さて、日本においては「レディメイド型助成」が圧倒的に多いことについて皆さんはどのようにお感じになりますか?


トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
コメント