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民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


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FATFとマネロン対策 [2021年03月15日(Mon)]

 政府間会合であるFATF(マネーロンダリングに関する金融活動作業部会:Financial Action Task Force)は、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策の勧告の策定や、各国における FATF勧告の遵守状況の審査等を行っています。マネロン対策は国際的にかなり重要なテーマとなっていることは間違いありません。


 やや旧聞に属することかもしれませんが、公益法人協会の『公益法人』昨年の11月号(45頁)に、10月に財務省で「マネロン対応高度化官民協議会」が開催されたことが報じられていました。内閣府からも参加があったと聞いています。

(なお、金融庁は2018年から全国銀行協会などと「マネロン対応高度化官民連絡会」を開催していることが報道されています。)



 内閣府は同会議のことを含めFATFのことはホームページ等で掲載しておらず、内閣府のMLでFATFについての記述がごく簡単に触れられた程度です。


 FATFでは、日本の制度で言えば、公益法人、学校法人、社会福祉法人、NPO法人等々のサードセクター全体である非営利組織に関することについても勧告をしています。


 日本の公益認定等委員会に相当する各国のチャリティ・コミッションでは、この話題でもちきりです。また、国際学会の場でも非公式にこの問題について強い関心を示している研究者は多く、数年前に小生が最初に得た情報も研究者ルートでした。台湾は十分に遵守がなされていないことからFATFから指摘を受け、その結果、財団法の改正まで行われました(詳しくは拙著「台湾の財団法と日本への教訓」『公益・一般法人』 全国公益法人協会 2020年6月15日号をご参照ください)


 日本の場合には、サードセクターの管轄部局が縦割りで分断されているために、問題意識が十分に共有されていない可能性があります。


 問題意識が希薄なままで推移することが一番恐ろしいことではないでしょうか。公益法人の現場でもリスクを未然に防ぐことが肝要です。今一度、問題点をサードセクター全体で共有することをお勧めします。


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