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民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


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日本の公認会計士は気の毒:非営利会計基準の統合の行程表作成のための新組織の設立を [2021年03月09日(Tue)]

 国際非営利会計基準(IFR4NPO)のプロジェクトに参加して海外の方と非営利の会計について議論をしていると、つくづく日本の公認会計士の方は気の毒だなと思うようになってきました。


 うすうすは感じていたもののさしたる証拠もなかったのですが、日本の非営利の会計のように会計基準が多数濫立している国は、どうやらほとんどないということがはっきりしてきました。


 学校法人会計基準、社会福祉法人会計基準、公益法人会計基準、NPO法人会計基準、医療法人会計基準などが濫立して、公認会計士の方が勉強しようにも一苦労だからです。あまりに気の毒すぎます。


 さらに国立大学法人会計基準など独立行政法人向けの会計等もありますし、一体いくつ理解すればよいのかということになってきます。


 また、会計監査といえども、立脚する法人法も理解していなければ、正確な監査はできないでしょう。下手をすれば、大恥をかくことになります。このところ政府の審議会での公認会計士の非営利関係の発言は目を覆うばかりですが、委員である公認会計士の個人の責任として責めるわけにはいきません。人の手におえない制度の方が問題だからです。


 経済的なインセンティブという点からいっても、公認会計士が各種の非営利の会計基準を平素の仕事以外の時間を当てて勉強しても、その時間の投資に見合うリターンはとても小さいでしょう。こうした計算に長けていれば、公認会計士にとって身が入らないことは無理からぬことと思います。


 その上、公認会計士を監督する金融庁は、非営利法人の監督をする役所ではありませんから、金融庁がこの問題に積極的に取り組むことも難しいと思います。



 国際非営利会計基準のうねりは日々非常に大きなものになってきています。その影響も出てくるでしょう。日本の場合には、企業会計の会計基準については公益財団法人財務会計基準機構の中の企業会計基準委員会がI存在しますが、非営利会計については同様の機関がありません。


 日本公認会計士協会はこの問題の重要性を感じて、非営利の「モデル会計基準」を作成しています。こうした努力は多とすべきです。しかし、事態は、日本公認会計士協会だけの中で解決できる問題ではないのではないでしょうか。各種法令の影響も非常に大きいからです。


 関係省庁・関係機関が総結集して、日本の濫立する非営利の会計の中長期的な統合と公認会計士制度あり方についての行程表を作る必要があると思います。短兵急には解決できないほど、日本の非営利会計の問題は深刻だと思います。また、そうした組織がIFR4NPOのカウンターパートナーとなって国際的な非営利会計の動向の窓口となっていくことも必要と考えます。ぜひ検討してみてください。

                         出口正之

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