ガバナンスの議論はなかなか難しいですね。
「大学のガバナンスに対する社会的信頼に負の影響を及ぼした」とまで学長が発言しています。
東京大学は国立大学法人で学校法人とは異なります。
私立大学や幼稚園などを設置する学校法人でも「学校法人のガバナンスに関する有識者会議」が開催されています
趣旨は
「公益法人としての学校法人制度について、令和元年の私立学校法改正や社会福祉法人制度改革、公益社団・財団法人制度の改革を踏まえ、同等のガバナンス機能が発揮できる制度改正のための検討を行うため、「学校法人のガバナンスに関する有識者会議」を開催する」とあります。
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/102/gaiyou/mext_00108_00001.html
令和2年10月5日には公益法人のガバナンスの更なる強化等に関する有識者会議について 」も議題になり、内閣府からのヒアリングも行われています。
この回をはじめ文科省は会議の様子をYoutubeで公開しています。是非ご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=vS6wftaPI4g&feature=youtu.be
内閣府公益法人行政担当室参事官の小林さんから中間とりまとめの説明がなされております。
学校法人の会議の有識者の質問も大変参考になります。公益法人制度にもお詳しい能見善久先生から、公益法人の数が増えていないことに対しても鋭い質問が投げかけられています。また、他の委員からは公益法人関係者が聞きたいであろう質問が数多く寄せられ、小林さんが丁寧に答えています。
小林さんどうもご苦労様でした。
ガバナンスの失敗例は集まりやすいのですが、「良い例」とその要因を集めることが非常に難しいですね。議論はどうしても想像の世界で、実際に規制強化した場合にその効果がどれくらいなのかがわからない状態で、議論を進めざるを得ないという問題があります。
ガバナンスについては海外でも議論が盛んですが、最近、傾向が変わってきているように思います。英国ではチャリティ(公益法人)に向けられていたガバナンスについて、そのままそれが「チャリティ委員会」にも向けられるようになってきました。
「チャリティ委員会」の情報公開は十分なのかという声も高まっています。
ルールで網の目を細かくしすぎると、「叩けばホコリ」の状態も生まれやすいということもあります。
どのあたりを着地点とするのか、なかなか難しいですね。